従来のイメージを覆(くつがえ)す新しいサービスも登場し、ブーム到来の感のある「サウナ」

日本サウナ・スパ協会認定のサウナ大使に就き、報道官として激しく活躍中のマンガ家・タナカカツキ氏が語る「日本人とサウナの明るい未来」とは?

■「日本サウナ祭り」が来年、開催か? 

現代人は日々、仕事や雑務に追われて本当に大変ですよね。だからこそ、一日の中で少しでもいいから心や体が「本当に気持ちいい」と感じる時間を持たないと、やってられません。

手っ取り早いのはたばこを吸う、コーヒーを飲むとかですかね。もう少し時間をかけると食事、お酒、カラオケ、ギャンブル、愛人とかでしょうか(笑)。

どれもいいと思うんですけど、その選択肢をひとつ増やして、そこにサウナを入れるのも悪くないと思うんです。

確かに水風呂に慣れるには時間はかかりますけど、こんなに五感をシャキッとさせて、覚醒と鎮静をもたらす楽しみって、他になかなかない。昨日も一昨日も飲んだくれ…も否定はしませんが、体に負担がかかります。

サウナは正しく入れば健康にいいですし、お金もそんなにはかかりません。僕は飲めないですけど、サウナ後のビールは本当においしいらしいし(笑)、そのまま体をじっくり温めて寝れば、気分転換だけでなく、疲労回復になります。

長野に日本のフィンランド?

サウナ施設も日々、すごいスピードで改善進化してきています。最近はロウリュサービス(※1)を行なうお店も飛躍的に増えていますし、おそらく今後も趣向を凝らしたサウナがどんどん出てくるでしょう。※1 サウナ発祥の地フィンランドに伝わる入浴法。たっぷり熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させ、その熱波を浴びることにより発汗作用を促進する効果がある

そんな中、近い将来、「日本サウナ祭り」ともいうべき、サウナのフェスをやりたいと思っています。場所は長野県。そこにサウナの本場、フィンランドに倣(なら)った「フィンランドヴィレッジ」という本格的な施設があるんです。まだ一般には開放されてないんですが、オーナーさんが今後は開放していきたいと言ってくださっていて。

そこは森林に囲まれ、目の前には湖。最高の立地です。今、薪(たきぎ)サウナといって電気を使わずに薪の熱だけでサウナストーブの石を温めて機能させる完全オーガニックなサウナも造ってます。さらにテントハウスを何基か造って、水風呂や外気浴、ヴィヒタやマッサージなども楽しめるようになれば、マルチなサウナ体験ができる日本唯一の場所になると思います。

目標は来年の3月7日、サウナの日に「第1回日本サウナ祭り」を行ない、一般のお客さんにも開放してバスツアーなんかができたらいいなと考えてます。

日本人にとってサウナは、お酒やコーヒーまでとはいかなくても、もっと身近な娯楽であっていいし、そうなることを願っています。

(取材・文/高橋史門)

●タナカカツキマンガ家。日本サウナ・スパ協会認定のサウナ大使に就き、報道官として激しく活躍中。著書の『サ道』は日本のサウナーたちのバイブルともいわれる。ちなみに、大ブレイク中の「コップのフチ子」の原案者でもある

■週刊プレイボーイ11号(3月2日発売)「大特集 サウナは今、新時代へ!サウナのウワサ」より