次々と新しいサービスを展開し、消費者の支持を集めているケンタッキー。ついには、丼まで登場!

マクドナルドの売り上げが悪化。ファストフード業界全体も停滞ムードなのかと思いきや、ケンタッキーが好調だ。次々と新しいサービスを展開し、消費者の支持を集めている。

例えば、“お持ち帰りメニュー”の充実ぶり。ファストフードに詳しい、ライターの大町智也氏が解説する。

「こんな経験ないですか? “駅前にケンタッキー発見! 家に持って帰って食べたいけど、これから電車に乗るし、においが気になる…”。ケンタッキーはそんな時のために不定期で駅にブース店舗を出して、“家で温める”チキンを販売しているんです。専用のパッケージで移動中のにおいも気にならず、レンジで温めてもべチャッとしないんで重宝しますよ」

他にも、あまり知られていないサービスがある。

「高級路線のお持ち帰りチキンもあります! “カーネルディッシュ”といって、チキンの煮込みや油で煮たコンフィ。フォアグラのムースまで、フライドチキンとは全然違ったメニューが楽しめるんです」(大町氏)

しかし一体、どこで展開しているのか。広報に聞いてみた。

「現在、51店舗のみの販売であまり知られていないのですが、開発担当者が力を入れているメニューです。なかでも、白レバーとフォアグラのなめらかムースは低価格高クオリティの自信作。パーティや自分へのごほうびに買っていくお客さまが多いようですね」

さらに昨年からは、お酒を飲める常設店舗も完成。若者の街、下北沢のケンタッキーの店舗3階にその「KFC ROUTE25」という店はある。早速、行ってみた。

ちょい呑みまで進出!

店内はオシャレなバーのようなたたずまいでかなり混み合っており、客層は若めだ。長髪でひげ面のいかにもサブカルが好きそうな男性ふたり組の客に話を聞いた。

「週に1回は来ますね。チキンと一緒にお酒が飲めるのも嬉しいんですけど、とにかく安いんですよ。オススメは飲み放題。1580円なので、チキンふたつ頼んでも合わせて2千円ちょっと。かなりおトクですね」

この飲み放題、120分で人気のハイボールはもちろん、ビールからカクテル、ワインまで70種類程度のメニューが選べて、確かにコスパが高い。ハマる人が多いのも納得だ。

「KFC ROUTE25」の注文一例。このように、アルコールとチキンが楽しめる

しかも、お酒が飲めるケンタッキーはもうひとつあるという。下北沢とは雰囲気が正反対、ビジネス街・大手町にある「読売新聞東京本社ビル店」だ。

店に着いたのは午後7時。店内はかなり落ち着いたムード。店員さんに話を聞いてみた。

「お客さんのほとんどがビジネスマンの方です。でも、大人数の宴会ではなく、ひとりで“ちょい飲み”していかれる方が多いですね」

メニューを見てみると、アメリカビールやベルギービールなど、ビールメニューが豊富。さらに、先ほどの高級なチキン“カーネルディッシュ”も店内で食べられる。

「読売新聞東京本社ビル店」の注文一例。ビールとカーネルデッシュでちょっと贅沢なディナーを

丼を食べられるケンタッキー!?

「ところで、ケンタッキーの丼を食べられるってご存じですか?」(大町氏)

米とチキンとは、まだそんな攻めたメニューがあったか。

「最近、店舗が増えているケンタッキーのから揚げ専門店“鶏から亭”が出しているんですよ。安くておいしいので驚くと思いますよ!」

というわけで、やって来たのは品川区の戸越銀座。商店街の中にその「鶏から亭」を発見。店先のショーケースにはから揚げが並んでいて、1個から注文可能とのこと。

鶏から 南蛮丼 500円

お目当ての丼は「鶏から南蛮丼」と「鶏からてりやき丼」。どちらも500円。南蛮丼を食べてみると。濃厚で、から揚げはジューシー。タレは「焼き肉のタレ」のような韓国風の味がして美味。ご飯にもたっぷりタレがかかっているのが嬉しい。

まさか、こんなジャンルにまで手を伸ばしているとは、ケンタッキー恐るべしだ。