マリーシャの胃の90%はモモで埋め尽くされてます。

ナマステ! ヒマラヤ登山を志す者が旅支度に集まるネパールの首都、標高1300mのカトマンズにやってきました!

ここは“カトマンズの渓谷”と呼ばれ、街ごと世界遺産に登録されている。でも、盆地のせいか埃まみれで空気は最悪~。呼吸はツライが世界一の山・エベレストを拝むためだ。待ってろよ~! エベレスト!!

何はともあれ、腹ごしらえ。ネパールで癒やされたのはメンタルだけでなく“胃”だった。まさかのインドで一度もお腹を壊さなかったマリーシャですが、さすがに連日のスパイス漬けは内臓にもかなり負担がかかったはず。

そんな私の前にドンブラコとやってきたのは、見た目も名前もかわいらしい“モモ”! ネパール風の丸い餃子で、見た目は小龍包みたい。餃子型はチベット風なんだって!

カトマンズで一番有名なモモ専門店“ニューエベレストモモセンター”へ行ったら、席に座るとすかさずバフモモ(水牛モモ)10個の乗った皿が目の前にスライディング!

アツアツジューシーなバフモモ! いくらでも食べれる! 女性に嬉しいハーフサイズもあります

パクチーの刻まれた酸味のあるスパイススープをジャーッっとかけられ、モモはマットな質感から艶(あで)やかに変身!

「ホラよ! 食いな!」 店員の合図とともにスプーンですくいあげる。ホカホカ湯気のたつ、ツルツルの白肌が美しいモモ。スプーンからプルリンッ!と口の中に滑り込むと、ジュワッと飛び出す肉汁と独特なスープが絡み合って「オ、オイシ~!!」 ヤバイ。止まらない! オカワリ~!

「世界で一番安くてうまい日本食が食べられるのはタメル(カトマンズの町)」と呼び声が高いにもかかわらず、私の胃はモモに埋め尽くされた。

地元の人にも大人気のさすがの専門店はモモの蒸す量がハンパない! 蒸し上がるとすぐに完売し、また次のモモ軍団が運ばれてくる

でも、やっぱりモモばっかりじゃ体に悪いかも? ちょっとは栄養に気を遣わなきゃと、旅人たちの間で“ミラクルフルーツ”として重宝されるバナナを購入。デザートにパクっと頬張ると、そこにが現れた…!

街中はバックパッカーや登山家であふれ、アウトドアグッズやみやげ物屋が乱立する

かわいい仔牛と思ったら…

きゅーん♥ 何? このクリクリとしたかわいい瞳。牛といっても、このコはまだ仔牛。今まで見てきたドッシリかまえた貫禄のある野良牛とは違い「カ、カワイイ……」。

近寄ってきてカメラに笑顔を振りまく。さすが観光地。人に慣れた牛はサービス精神が違うね。と感心していたら、すかさず私の持っているバナナを「パクリッ!」

「え…? えー!! やられた!」と思ったその瞬間、「ドシーンッ!!」

何が起きたかわからなかったけど、私の目の前には星がキラキラ、ヒヨコがピヨピヨ鳴いている。そう、ネパールにして旅人マリーシャは牛にド突かれたのだ。画像や動画をお見せできず残念ですが、まさかリアル闘牛を体験できるとは…。貴重な経験をありがとう…牛よ。

現場はザワつき、さっきまで一緒に「SOキュ~ト!」と黄色い声を上げていた西洋人ギャルたちも「イッツ、ブル!!(コイツはまさに牛よ!)」と後ずさりしていった。

バナナ欲しさにマリーシャに突進してきた、かわいさ余って憎さ100倍の仔牛

高山病とは関係なくクラクラしてしまったが、気を取り直して山に向けての準備。世界の屋根エベレスト、イモトアヤコ登頂成功のマナスル、処女峰アンアプルナなど東西200kmのヒマラヤの峰を拝むために防寒着を物色。つまり、ただの買い物です(笑)。

カトマンズは世界一なんじゃないかというくらい、とにかくアウトドアのマウンテングッズが安い! 街中にはノースフェイスやパタゴニアなど有名ブランドの…“なんちゃって”商品!がズラリ。

「とにかく寒いので、何か安くて暖かいものをください」。マリーシャはセールのダンボール箱から見つけたフリースジャケットを500ネパールルピー(約600円)でゲットした。

「バッグに空きがあれば買い物三昧(ざんまい)したかった! 悔しー!」と毎度思う。バックパッカー旅のおみやげの買えないツラさよ…

エベレストを拝むことはできたのか?

高さ8898mもある世界一の山エベレスト。それを拝むのはそんなに簡単じゃない。でもここまで来たんだから、山頂のほんの先っぽだけでもいいからひと目、この目で見てみたい!

天気を見計らい、淡い期待を胸にヒマラヤビューポイントのある標高2100mのナガルコットという町へ。

カトマンズのとある寺院。この快晴ならヒマラヤビューも晴れが望めるかも! いざナガルコットへ!

本日3台目のバスに乗り継ぐと、なぜか大音量のレゲエミュージック(笑)。ノリノリでクネクネの山道を走るバスで車酔いしてる私にマシンガントークを仕掛けてくるのは「日本語、少シデキマス」のネパール人。「ごめん…今ちょっと気持ち悪くて話全然入ってこないわ…」

やっとバスから解放されたものの、さらに真っ暗の夜の山道を歩くこと25分、ヘトヘトで山小屋に到着。「登山するわけでもなく遠くから眺めるだけなのにやっぱり山って大変だな~」。改めて登山家への尊敬の念を抱き、仮眠。

そしていよいよ翌早朝の日の出! 私に与えられたエベレストチャンスは2時間のみ。ナガルコットから眺めるヒマラヤビューはモワモワッっと浮かぶ雲海に包まれ、オレンジとグレーの空がそれは幻想的な世界。真下に見下ろす段々畑はまるで小さなマチュピチュのようだ。

雲海に包まれるヒマラヤの山々。あの中のどこかにエベレストが……?

で、肝心のエベレストはというと……「ど、ど、ど、どれ!?」。目を凝らすと、雲海の奥の奥の遠くに小さな三角のトンガリが並ぶ。あ! あれがエベレスト…と思いたいけど、正直全くわかりません(笑)。シルエットすら認識できませんでした。

ただでさえ、超小さくしか見ることのできないエベレスト。小雨のせいもあってヒマラヤビューがバッチリでなかったのは本当に「悔しいです!!」と思わずあの顔になってしまった。

さすが世界一の山はそう簡単には拝めませんね。だけど雲海が素敵だったし、エベレストにもほんの一歩は近づけた気がした。ニューエベレストモモセンターにも行けたし、エベレストビールも飲んだし満足かな! やり残したのは、あの仔牛へのリベンジだけ…。

本当はエベレストを見れたら祝杯として飲みたかったエベレストビール。見れてないけど飲んじゃった

いっぱい食べて飲んだら歯を磨こう! 歯科医院が密集した“歯医者さん通り”にある歯の神様。歯が痛くなったら釘でコインを打ち付けにカトマンズへ行こう

【This week’s BLUE】インドにまた呼ばれているようです。そろそろ戻りますか。カトマンズの空港で見つけた鮮やかな青と赤のターバンを巻いたオシャレなふたり。

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】