2014年6月にAKB48を卒業し、今や女優として大活躍中の大島優子 2014年6月にAKB48を卒業し、今や女優として大活躍中の大島優子

女優になることを誓い、2014年6月にAKB48を卒業した“元アイドル”大島優子。その後、たった9ヵ月の間に次々とドラマ、映画に出演し日本アカデミー賞の優秀助演女優賞も受賞!

今や日本の映像界を担う“女優”大島優子となった彼女が、4月からのクールでは早くもゴールデン帯の連ドラ主演の座を射止めた。

というわけで、先ごろグループ卒業を発表、女優を目指すという川栄李奈(かわえいりな)へのアドバイスも? 優子さんに今のムネの内を聞いてみた!

 * * *

■自分は一生、主演をやらないと思ってた

―初主演おめでとうごさいます! 主演が決まった時の感想は?

優子 もう、恐怖しかなかったですよ!(笑) 私自身、主演になることを“待って”いたわけじゃないですから。

―待ってなかった?

優子 はい。「自分は一生、主演をやることはないだろうな」って思ってたんです。そんな技術もないし、オーラもないから。ただ、やるからには私にしかできない役を作らなきゃいけないので、自分に“負荷”をかけるつもりで主演に取り組んでます。

―今回のドラマで演じる永光麦秋(ながみつばくしゅう)という役は、ヤクザの“足抜け”を手伝う女性警察官です。そして演出は『SPEC』などの堤幸彦(つつみゆきひこ)さん。かなりトガった内容のドラマになりそうですね。

優子 そうですね。私もヤクザというものについて何ひとつ知らなかったから最初は台本もまったく読めなかったんです(笑)。まずは専門用語を覚えるところから始めました。

―しかも、麦秋の衣装は“喪服”一着だけとか…。

優子 はい。ずーっと喪服です。衣装合わせでも、真っ黒な服だけがバーッと並んでて、正直、「どれを着てもそんなに変わらないんじゃないか」って思いましたけど(笑)。

女優志望の川栄李奈から質問が!

―喪服でヤクザを相手にする女性警察官…って、どんな人物なんですか?

優子 死に神みたいな人、ですかね。ずっと無表情なんです。常に冷静沈着で、ローテンション。とにかく“何かが死んでる”人なんですよ。だから、どうやって演じたらいいか悩んだんですけど、記者会見の場で堤さんが「とにかく目で、眼光で芝居を」っておっしゃってて。

―今回はアクションもかなり激しくて、第1話から大男を15人も投げ飛ばしたとか?

優子 もう、すっごい快感でした(笑)。スタッフさんからは「血が騒いでるな」とか言われましたけど。

―血が騒ぎましたか! 優子さんはAKB時代から運動神経がいいことで知られていましたが、やっぱりアクションが向いてるんですかね?

優子 どうだろう? 実は最初の稽古の時は怖かったんです。人を殴るのって、恐怖じゃないですか。本番では、本当に相手を痛めつけちゃうくらいやってしまう部分もあって申し訳ないし…。でも、自分がこう動いたら相手がこう動く、っていう殺陣(たて)の感覚はちょっとダンスのフリみたいなところがあって楽しいですね。今のところスタントマンは使っていないので、このまま最後まで自分でやりきりたいです!

―実は、この取材の直前にAKB48の川栄李奈さんに会う機会がありまして。「優子さんに何か聞きたいことは?」と話を振ってみたら…。(※編集部注 今回の取材はグループ卒業を発表する以前のもの)

優子 なんて言ってました?

―「どうやったら、優子さんみたいに女優として活躍できますか?」(ややバカっぽく)と。

優子 アハハ、知らんわ(笑)。

―川栄さんも身長が低いので(ふたりとも152㎝)、優子さんのように体が小さくても大きな演技ができるようにはどうしたらいいか知りたいそうですよ。

優子 そういうことか~。でも私は、大きく見える演技っていうのはやってないつもりなんです。AKBで培(つちか)った大きく見せる方法を、むしろ抑えて抑えて演技してるんです。

今、恋したい共演者を明かした

―どういうことですか?

優子 AKBの時って、ダンスも人より1㎝でも腕を伸ばして踊ろうとしていたし、バラエティ番組でも目立つように大きなリアクションを取ってました。でもドラマや映画の場合、これだけの画面の枠(肩から上を四角く囲って)の中で演技するわけじゃないですか。だから体の大きさは関係ないし、むしろ大きく動きすぎないようにしないといけないので。

―なるほど。

優子 その代わり、自分が映っている画面の中はすべて“埋めよう”って意識してますね。周りにスタッフさんがいることとか撮影をしてることとか関係なく、芝居によって作る空気で画面を隙間なく埋めたいんです。

―おぉ、優子さんが出ると画面がキュッとしまる理由がわかりました! ところで、女優・大島優子にアイドル時代は聞けなかった質問をします。

優子 はい、どうぞ。

―ずばり、今、恋したい役者はいますか?

優子 その質問か?(笑)。う~ん…最近になって、すっごく共演したい人を見つけたんですけど。

―ほぉ。誰ですか?

優子 柳楽優弥(やぎらゆうや)さん! 映画『闇金ウシジマくん Part2』でやってらっしゃったストーカー役がすてきで!

―あの狂った役が!

優子 私と同年代なのに、あんな演技ができるなんて、どんな頭の中なのかのぞいてみたいんです。他にも共演したい方はたくさんいるので、その全員と順々に芝居をしていくのが私の野望ですね。そして、それを死ぬまで続けていきたいです!

(取材・文/西中賢治 撮影/武田敏将 スタイリング/百々千晴 ヘア&メイク/RYO 衣装協力/リリー ブラウン)

●大島優子(おおしま・ゆうこ) 1988年10月17日生まれ、栃木県出身。2006年にAKB48に加入、2014年卒業。今年1月、映画『紙の月』での好演により日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。公式ホームページ【http://www.o-yuko.jp/

○ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~ TBS系、毎週木曜21:00 4月16日スタート!! 警視庁の組織犯罪対策部(通称“マル暴”)で、暴力団構成員の“足抜け”を手伝う警察官、永光麦秋。表情ひとつ変えずに巨大な組織を相手にするクールな主人公を大島優子が演じる! 4月16日の初回は拡大版で放送!