3月10日にファミリーマートがサークルKサンクスを経営するユニーグループHDとの統合を発表。さらに13日には中堅コンビニ、ココストアの買収交渉をしていることが明らかになった。
いろいろな思惑があっての統合だろうが、常連客にとって気になるのは、何よりもお気に入りの“あの商品”の行方がどうなるのか、ということだろう。
人気番組『マツコの知らない世界』にも登場したコンビニ記者の吉岡秀子氏がこう訴える。
「サークルKサンクスの強みは“他にはないもの”を生み出す独創力ですね。例えば、コンビニスイーツ。火つけ役はロールケーキだったのですが、このときサークルKサンクスはあえてブームに乗っかろうとせず、プリンの開発により力を入れたと聞きます。そこで人気商品の“窯出しとろけるプリン”が進化しました。常にオリジナリティを模索する力はなくなってほしくないですよね」
さらに、商社のコンビニ担当K氏は「目のつけどころがいい」のもサークルKサンクスの魅力だという。
「今、サークルKサンクスが力を入れている“スープ&スープごはん”。ラインアップは10種類を超えていますが、実はこの分野、コンビニコーヒーやドーナツを売り出したコンビニ最大手が次に力を入れようとしている分野とのウワサです。サークルKサンクスのスープは味も素晴らしいので、さらに追求して統合後も看板メニューくらいになってほしいです」
ココストア統合のメリットは?
他にも「品ぞろえ」という点で優れていると語るのは、インスタント麺研究家の大山即席斎(そくせきさい)氏。
「他のコンビニが定番アイテムに絞る中、カップ麺の品ぞろえはサークルKサンクスが好印象です。中でもプライベートブランドのカップ麺が優れている。今のオススメは“けやき”の味噌ラーメン。スープはこってり濃厚で、平打ちのちぢれ麺はシコシコ食感と最高ですよ!」
前出の吉岡氏も言う。
「品ぞろえでいうと、サークルKサンクスはなぜか“文具”が充実している店舗が多い。あと、ホームページにも項目がある“おもちゃ”もユニーク。ミニカーなんですが、根強いファンの方が買っていくそうですよ。このような狭い客層に対する優しさもなくなってほしくないですね」
一方、東海地方などを中心に展開するココストアは“焼き立てパン”が人気だ。コンビニの一角にまるでパン屋のようなコーナーがあるだけでなく種類も豊富。他にも弁当やおにぎりなど店内調理品がズラリと並ぶ。
「ファミリーマートがココストアを買収する理由は、この店内調理のノウハウを得るためでもあるのでしょう。今よりパワーアップしたコンビニが生まれるかもしれません」(吉岡氏)
それぞれの強みを生かした統合になり、“最強のコンビニ”が誕生することを願ってます!
(撮影/松田嵩範)
■週刊プレイボーイ15号(3月30日発売)「相次ぐコンビニ再編ニュースに緊急アンケート!ファミマ&サークルKサンクス&ココストアの人気商品を組み合わせると最強コンビニになる!」より