ナマステ! 記念すべき連載50回目は、旅人が憧れるインドの大建築“タージマハル”をお届けします!
ちなみにミュージシャンが憧れる武道館の玉ねぎ「擬宝珠(ぎぼし)」の寸法は高さ3.35m。タージマハルは中央のドームが60mで、玉ねぎ部分は諸説ありますが、高さ25~35mと言われ、その大きさに圧倒されます。
玉ねぎと呼ぶのが申し訳ないくらい本当に世界一ビューティフルなオニオンでした(笑)。インドの建築群を見るために、玄関口である首都デリーは数々の事件が起きようとも世界からの観光客が後をたちません!
ニューデリー駅に着くと早速、リキシャマンが現れた!
「駅の反対側へはリキシャに乗らないと行けないよ」、「今は選挙をやってるから安宿街には許可証がないと入れないよ。許可証はタダで作れるし、リキシャでたったの10ルピーだから、ほら乗りな」
などと言われ、道を通してもらえない。もちろんそんなのウソだって百も承知。こんなところでリキシャに乗ったら目的の宿はおろか、リキシャマンの手柄になる宿やお土産屋などたらい回しにされ、あげくの果てには10ルピーでは済まずに揉(も)めることが目に見えている。
リシケシで一緒にヨガった、インド常連旅友のリサに教えてもらった呪文「ジュットハエナ?(ウソですね?)」を唱えてその場からひとまず「にげる」を選択。
しかし、回りこまれてしまった! 「ほかにお金はかからない! たったの10ルピーさ! 俺は親切で言っている!」
旅人のプライドにかけて、悪徳リキシャの餌食にだけはなるまい。しかし、その後もしつこいリキシャマンをかわすのは容易ではなく、やっと彼らを引き離し、駅を越えることに成功したのは1時間後だった。さすがデリー…。マリーシャのMPは尽きた。
街中はゴチャゴチャしていて、物売りの声かけが多い。リキシャとの戦いに疲れ、面倒になった私は裏技を考案。セーターを頭に巻いてヒジャブに見立て、日本人とバレない変装をしてみた。
こんなおふざけが通用するワケがないと我ながら鏡を見て失笑してたんだけど、これがまさかの効果てきめん? 全く声をかけられなくなったのだ! デリーの街に溶け込めてる?
宿は騙された日本人だらけ
クタクタで宿に着くと、そこは騙された日本人であふれていた。「8万円のツアーを組まされた!」とか「高額ツアーを途中で泣きついてキャンセルしたけど、5万円取られた!」とか。
卒業旅行の学生などが次々にカモにされたようだ。だけど、よくよく聞くと相場を知らずに契約してしまった客側にも問題はある。インドには「悪徳」も「法外な値段」も存在するけど、それはどこの国も一緒。日本人はついカモられやすいけど「選ぶ」ことも「断る」こともできるということ、そしてまず相場を知っておくことが一番大事。
ついでに言うと、旅人の私から見たら、日本の旅行会社のツアー代金だってよっぽど「高額」なんですけどね(笑)。
さて、デリーに入った旅行者たちが騙されながらも目指すのはこちら。列車で3時間のアーグラーにある大きな玉ねぎ、タージマハルです! 世界各国から人気を博すこちらの世界遺産・タージマハル。オープン前から長蛇の列。
大理石でできたイスラム建築の白亜の玉ねぎは「世界最大の愛のモニュメント」と呼ばれる、ムガル皇帝シャー・ジャハーンが愛する妻のために22年の歳月をかけて建てたお墓。ヒュ~♪ ロマンチック~。
でも私なら、死んでから豪華な墓石をもらうより生きてるうちに何か欲しい。そういえば先日、マーケットでタージマハルにそっくりの高さ3cmのニンニクをオマケしてもらったけど、そのおかげでご飯が一段とおいしくなって本当に助かった! 生きている今が一番大事。
美しき世界遺産の床にまさかの…
ところで、タージマハルの入場料なんだけど、インド人料金20ルピー(約40円)に対し、外国人はなんと750ルピー(約1500円)! なんて足元を見られた料金設定。そして足元に注意したいのはタージマハルの床。宗教上、土足禁止の所もある大理石の床は太陽に照らされ激アツ!
「アチチッ!」と落ち着かないけど、青空に映える真っ白い宮殿、左右対称の美しさ、ウユニやアンコールワットに続く鏡張り、タージマハルの雄大なその姿にウットリ…。
インドの主役を目の前にやり遂げた思いにひたっていると、その美しき白い床の上で全身の力を振り絞っている様子の犬。
「ポトン…」
マジ? 世界遺産の中で、犬が、フンを…。なんて罰当たりな。やっと牛のフンから逃れられたと思ったら今度は犬かい。とにかく裸足で踏まないように本気で足元注意です。
観光するのにリキシャを全く使わないといワケにはいかず、もちろん何度も乗りました。「俺は観光客に評判の良い人気ドライバーだ!」
そう言ったオヤジはマシンガントークで大サービス。そしてお約束通り、民芸品屋やら生地屋に連れて行かれたけど、何も買わないとわかると彼は急にションボリして何もしゃべらなくなってしまった。
インド人は感情が素直に表に出るなー。なんか、かわいそうになってきて「何も買わずにごめんね」と申し訳ない気持ちで料金を払って降りると、おつりを返さずに「これはお茶代としてもらう」と急に悪い顔をするオヤジ。
これまたリサに教えてもらった呪文、「ドーカーカーヤー(だまされた)。ウダースハエー(悲しいです)」を唱え、周りのインド人に助けてもらいながらなんとかおつりを取り返し、今後はホトケ心は不要だなと思った。
『深夜特急』の沢木耕太郎が出会った老いた車父に比べたら私の対戦相手はだいぶイケイケだったけど、まあ北インドらしい経験をして、ずっとビビってたような危険な目にはあわず、私、まだ生きてます! それが一番大事!
【This week’s BLUE】 来る日も来る日も移動の毎日。今日も青いインドの列車に乗って次の街へ。駅の階段には耳かき屋の姿が! 私もやってもらいたい(笑)
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】