いい形のタイを釣り上げた! ようやく本命GET!? でもよくよく見ると……

釣り人たちの間で大ブームの「一つテンヤ釣り」に挑戦中の週プレ釣り部。小さなタイやホウボウは釣れるものの、狙っている大型のマダイはいまだ現れず。一度、アワセのタイミングを計り直していたが…。

***ぼちぼちアワセのタイミングを掴(つか)みかけてきた時だった。釣り友K氏の後ろ姿が揺れていた。なんか掛けたようで、竿が大きく円を描いている。でかそうだな?と思っていると、

「タイです!」

上げられたタイは1キロに少し足りないくらいだが、良型だった。ただ、そんなことよりも私が注視したのはK氏が隠そうとしていたタイの口元だ。そのテンヤはまさしくオーバルテンヤの黒色だった。どこから仕入れた情報なのだろうか、黒のテンヤは聞いたことがない。

…タイは色盲。影と光しか感じない。これの応用か。普通ではあまりチョイスできない色だ。しかし、売っているということは実績があるのだろう。

先に大きいのを上げられてしまった焦りもあったが、迷うことなくゆっくり上げて、静かに降ろす。その繰り返し。降ろし切ったところで結構、明確な魚信(アタリ)がきた。グググッー! 素早くアワセを入れると、グッッグッグと、しっかり手応え。今までの引きとは違って重厚感がある。よしっ、きたか大物!

ジジジィーっとスプールから糸が出される。でかそうだ! 少し巻けても、またラインが出る繰り返し。それでも徐々に獲物が近付いてくる。

見えた! 赤い! でも長いぞ、と困惑していると傍(かたわ)らにいた船長から「これはホウボウじゃぁー!」という声。後ろにあった玉網を持って、片手ですくった。計測したら51cmとかなりの大物。これはシャブシャブで決まりー!

思わぬ収穫があった後は、ほぼ順番にタイを上げた。K氏には大サバが3回ほど食ったが、私には一度も食わなかった。ひとつ気が付いたことがあった。偶然のことかもしれないが、お互いが一匹ずつ続けて釣れた後は、ピタッと魚信が止まってしまう。魚は話し合って危険を察知しているかのようだ。場所を移動すると、また一匹ずつ釣れてピタッと止まる。なぜだろうか。このあたりの魚の習性も研究課題のひとつになりそうだ。

釣り人にとって、まさかの恥ずかしい失態発覚?

ポツポツとあたったタイの中にはまぁまぁなサイズのものも

それでも今日はシンプルでライトなタックルが釣趣をそそり、まぁまぁサイズのタイが数匹ゲットできた。帰り支度を始めようと、獲物を並べ記念撮影。すると、嬉しくないサプライズ! 釣り上げた時は気付かなかったが、ほとんどハナダイだったのだ。ハナダイとマダイは見た目はそっくりだが、1点だけはっきり違う。それが尾びれの色だ。マダイは尾びれの縁が黒く色づいているのに対し、ハナダイは赤一色なのだ。あぁ~~マダイだマダイだとはしゃいでいたのが恥ずかしい…。釣り座の側に他の釣り客がいなかったのが不幸中の幸いだ。

こちらが本物のマダイ。上の画像と比べると分かるが、尾びれの縁が黒い

ともかく、この日の釣行は出だしからトラブル続きだったが、海に出れば終始、落ち着いて繊細な釣りを実践できた。一つテンヤ釣法によって、過去の釣りから一歩だけ魚に近付けたような気がした。この次こそは本命の大マダイを仕留めたい! そしてハナダイと間違えないようにしたい!(笑)