世の中は楽しいGWの真っ只中。
だというのに、連休中のスケジュールは真っ白な週プレアラサー記者(彼女ナシ)。新年度スタート時のあの真新しい気持ちはどこへ消えたのやら、気がつけば、賑やかな街の中で「オレはこのままでいいのだろうか」と将来への不安や焦りを覚える自分……。
もしかして、五月病か? ヤバいぞ、オレ!
悶々とした時、記者は本屋さんに行くことにしている。なぜなら“未来”が詰まっているからだ。店員さんの手によって並べられた「本棚」で、これまで何度、衝撃的な“未知との遭遇”があっただろう。そこにはネット検索にはない出会いが溢れている。
そんな記者のもとに、あの流行発信地『パルコ』にGWの期間限定で『本からわかる未来の「ジブンハッケン本棚」』が出現したとの情報がとび込んできた!
この本棚、渋谷パルコと調布パルコの2店舗にのみ設置されているらしい。せっかくのGW、少しでも遠出できたほうが気分転換にもなるだろう…ということでチョイスしたのは調布パルコ。自分を見つめ直し、未来を見つけるべく、早速取材に向かった。
調布パルコの1階エントランスに、その本棚はあった。棚にある数十冊の本から好きな本を3冊選び、それらをスキャンすると未来の自分を診断してもらえるという。さらに、その3冊からオススメの本を紹介してくれる本棚なのだ。
早速、記者が気になる、あるいは読み返したいと思った3冊をチョイスした。
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』J・D・サリンジャー(著) 『火花』又吉直樹(著) 『イン・ザ・プール』奥田英朗(著)
うーん。自分の薄暗い性格を表しているような、それでも未来に明るい兆しが見えるような…なんとも言えないチョイスだが、はたしてどんな未来が自分に待ち受けているのか…!
本棚が診断した記者の未来やいかに!?
「あなたは将来、ライ麦畑で笑いを追求する精神科医と自分を見比べるでしょう。」
一体、どういう意味だ? これは謎解きか?
頭の中のCPUがグルグル回転するが、解答は得られない。文字通り解釈するなら、ライ麦畑で笑いを追求するようなストイックさを持ち、かつ精神の領域でプロフフェッショナルな人と対峙するということか…?
だったら、勝てるはずがない。完敗だ! 完敗!
別に勝ち負けの話ではないことはわかっているが、五月病気味の記者の発想は、あくまでも後ろ向きなのだ。
ちなみに本棚が提示してくれたオススメ書籍は『小学館の図鑑NEOプラス くらべる図鑑』!
は、はい??
そんな記者の様子を、溢れんばかりの笑顔で眺めていた女子高生3人組。彼女たちも「ジブンハッケン本棚」に挑戦するというので取材させてもらった。
彼女たちのひとりが選んだ3冊は…
『ぐりとぐら』なかがわえりこ(作)おおむらゆりこ(絵) 『星の王子さま』アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(著) 『フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣~』ジェニファー・L・スコット(著) 神崎朗子(翻訳)
これらの本から導き出された未来診断はというと…
本棚が記者に本当に伝えたかったこととは?
「あなたは将来、野ネズミの隣で目に見えないものを大切にするフランス人にファッションチェックされるでしょう」
その診断結果に3人がキョトンとしていた様子は忘れられないが、それよりも本棚に触れている彼女たちの真っ直ぐな瞳を見て、記者はハッと気がついた。
記者の診断結果にあった「ライ麦畑で笑いを追求する精神科医」とは悩み、暗い気持ちになりながらも必死で生きている今の自分のことではないか。その今の自分と過去の自分を比べるということを言っているのではないのか!?
オススメ書籍が『小学館の図鑑NEOプラス くらべる図鑑』だったのも、幼い頃の真っ直ぐだった自分を思い出せ! ということかも!?
父親にねだって買ってもらった図鑑を毎日飽きもせず眺めながら、虫博士になるんだ! と言っていたあの頃。自分に足りないのは、あの時の“素直な気持ち”だ。
過去を振り返り新しい未来を知る。温故知新じゃないか! ありがとう孔子先生。じゃなくて「ジブンハッケン本棚」!! 母さん、明日、久しぶりに家に帰るよ(号泣)。
追伸 さらに調布パルコの5階にある「LIBRO」には、ソファの置かれた『五感読書』というスペースが特設されている。ここでは光、音、匂いを用いた新感覚の読書体験ができるという。本とデジタルテクノロジーの融合で、新たな読書体験を創造するパルコの今後にも期待したい。
(取材・文・撮影/週プレNEWS編集部)