おもしろポスターで街を活性化したいッ!
過去に大阪の「新世界市場」「文の里商店街」、そして兵庫県の「伊丹市の伊丹西台商店会」で開催され大好評だった商店街ポスター展。(伊丹西台商店会の紹介記事はこちら!→ http://wpb.shueisha.co.jp/2015/02/28/44318/
その4回目の会場として選ばれたのは、宮城県の女川町。東日本大震災で甚大な被害を受けた女川町を、おもしろポスターで盛り上げよう!と企画され、43店舗が参加、200種類のポスターが制作された。
ポスターの制作は電通のクリエーター、そして地元東北で活動するクリエーターたち60人で行なわれた。当初は「こんなポスターは不謹慎だ!」という心配の声もあったというが、ポスター展をスタートすると周囲の反応は違っていた。
「きぼうのかね商店街」や「コンテナ村商店街」に、SNSでポスター展のことを知った多くの観光客がポスターとそれらに登場する店主たちに会うためやってくるようになったのだ。女川町観光協会の遠藤琢磨氏はこう語る。
「ポスターに対しては高齢者から“不謹慎だ!”という声もありました。でも女川の復興は30代、40代が中心になってやるんだ! 還暦以上は口出すな、50代は口を出しても手を出すなって(笑)。そんなノリで復興作業をやっていたから、だんだん高齢者も理解してくれました。それがあったから女川は他の地域に比べ復興スピードも速かったと思います」
3月21日には震災で倒壊したJR石巻線・女川駅が新駅舎となって復活。これにより、観光面でも盛り上がりが期待される女川の今後とは?
「我々、女川の人間は、もう被災者は卒業したと思っています。今後は女川が持っている海や山で人を呼びたい。みんな、明るいんですよ、女川の人間って。ラテンなノリで、女性も下ネタに寛容ですし(笑)。そんな女川のおもしろさをポスター展では具現化できたかなって思っています」(前出・遠藤氏)
女川ポスター展は5月31日まで開催中なので、GWの観光にぜひ! 早速、次ページからは注目のおもしろポスターをチェックしてみましょう!
独身男性がいい味出してます!
■いろいろと勘違いしまくり! SNS系ネタポスター
【串焼きたろう】
現在、女川ポスター展で最も人気のある一枚。ツイッターにこの写真が拡散してからは、マスターのたろうさん目当てにお客さんが大挙する事態に!
ちなみにマスターの画像がツイッターで大拡散中ですけど、ツイッターはじめたんですか?と聞くと… 「やってないよ! でもお客さんがケータイで見せてくれるよ」
【本のさかい】
こちらもSNSを微妙に勘違いしてると思いきや!? 実はしっかりフェイスブックを大活用中です。(https://ja-jp.facebook.com/booksakai)
■THE男の哀愁 独身男性ネタポスター
【おしゃれファッション マツヤ】
絶品オカズでいろいろ捗(はかど)っている婦人服販売店・マツヤの店長さん(独身)がモデル
実はこちらの店長さん。「伊丹西台商店会」【http://wpb.shueisha.co.jp/2015/02/28/44318/】に登場した同じ店名の店長さんと、ポスター店を通じてお友達になったという奇跡が! ちなみに店長さん、彼女は? 「いません」
【味の館 金華楼】
中年、イケメン、でも独身…な店長さんを大フィーチャー。このイケメンが気になった女子は、ぜひ女川の金華楼まで!
おまえ、生きとったんかー!
■その昔は看板娘だったはず… 個性的すぎるおばちゃんたち!
【木村電機商会】
“あがるぐしてんのさ”のコピーが現在の女川を象徴している一枚。
モデルとなった、もち肌が自慢の木村店長は「TVにも出たんよー!」と写真のポスターがお気に入り。ウィリアム王子にもポスターを見てもらったそうです
【アイ美容室】
「あら、アイちゃん。今度スナック始めるの?」と近所の方から勘違いされたという美容店のポスター。
でも、お孫さんたちには大好評!
【IZAKAYA ようこ】
コンテナ村商店街で居酒屋を経営する、ようこママが出演。昭和のカラオケPVをイメージしたテイストがイイ!
そんな、ようこママですが、実はタバコも酒もやらないとか…
■ここ一番の撮影だったのに… 目線が残念すぎるポスター
【ステイイン鈴家】
奥さんはスマイルなのに、旦那さんは残念な表情に…。
だが、それがイイ!
【海鮮問屋 青木や】
震災で消息不明になっていた知人がこのポスターを見て「おまえ、生きとったんかー!」と連絡してきた
…という感動エピソードな一枚もあり!
おっさんの個性が炸裂!
■いろいろな意味で深い! 個性的すぎるおっさんたち
【おんまえや】
ポスターを作ることが決定したら「とりあえず脱ぐか!」と社長さん自ら志願した結果が!?
もはや、なんのポスターだか判別不能状態ですが、移動スーパーです!
【岡八百屋】
「ポスターを作ったらみんな写真撮ってくれるようになったよ。女のコもいっぱいくるよ」と喜ぶ店長さん。
肝心の売り上げは? 「うん。写真だけはいっぱい撮ってくれるよ」
■女川グルメならここ! 味もポスターも秀逸です!
【ニューこのり】
天ぷらのデカさを表現しようと思ったら、マスターの鼻毛まではみ出してしまったというネタが秀逸!
【おかせい】
元々はお魚屋さんだったが、震災直後に「食材はあるのに、それを食べさせるお店がない!」という理由から定食屋もスタート。
…そして、いつにまにか海鮮丼が大人気の定食屋さんに!
コミュ力が試される女川町
■とにかく話が長い! コミュ力を試される厳選ショップ
【阿部正茶舗】
お茶の試飲をしに来たつもりが、お菓子やらお漬け物やらが次々に登場して…
気付けば2、3時間トークし続けている元気すぎる老夫婦。夫婦の馴れ初めから息子の結婚話までノンストップです!
【佐々木釣具店】
釣具店なのに、釣具や餌の販売はほとんどナシ!?
ただし、コーヒーはおかわり自由で来店客はいっぱい。しかも、みんな楽しそう。もはや、なんの店だかわかりません!
【おちゃっこクラブ】
女川でライブハウスを経営していたマスターが始めたカフェはお祭りでも大活躍中!
マスターの岡さんが始めたカフェで震災直後の女川の様子、そして人々の生活など深イイ話をたっぷり聞くことができる。ちなみにポスターには震災で亡くなったマスターの友人たちも登場
●女川ポスター展は5月31日まで開催。詳細はこちらから! http://www.kahoku.co.jp/imadeki/2014/paper7.html
(取材・文/直井裕太 撮影/津田ひろき)