多少、昨日のウネリが残るが今回は問題なく船出した週プレ釣り部一同

ギア開発により、近年、人気となっている中深場釣りに挑戦する週プレ釣り部。しっかりと準備をしてきたはずが……。

***この日の海況は、北西の風4~6m、波高は0.5m前後、前日までのウネリが多少残っているようだ。午後からは少し風が強くなる予報。空模様は快晴で沖釣りには何も問題なし。いざアカムツを目指して出港だ。

乗客8名を乗せた船は定刻の5時に宇佐美港を岸払し、南(川奈方面)に向かって疾走した。我々は一番最後に予約したため釣座は船の真ん中。

「今日は8人だからオマツリはまぬがれんな!」など、釣友K氏と雑談しているうちに、船長から到着のアナウンスが。

「最初の仕掛けは5本バリで、水深は……350m、だんだん浅くなっていきます」

あぁ~! しまったぁあぁああああぁああああああ!

実はこの日、深いからと思ってわざわざ用意していたのはリールの糸は250mほどのもの。300mくらいだったらヤバイなとは思っていたが、350mなら確実にアウト。悪い予感が的中。予め船長に、今日の場所の水深を確認しておけば良かった。

糸が不足しているのは明白だが、どのくらい巻いてあるのか知りたかったので、試しにみなさんと同時に仕掛けを落とす。スルスルと泣きながらリールのカウンターを眺めていると、280をカウントした時はすでにリールのスプールが見えて、残りの糸はバーコード状態だ。

ひとり残されるのもイヤなので、船長に相談。恥ずかしさをよそに、船長の愛用ロッド一式をお借りした。準備を終えるころには、周りは2投目を終えていて、移動。右舷のミヨシの人は良型のキンメダイをあげていた。もったいない!

3投目でようやく参加。水深は320mだが400m巻いてあるので安心だ。船長のロッドは6:4調子で、ロッドの曲がりが大きい。この竿は食い込みが良いのかもしれない。時折ゆっくり大きく竿をしゃくった。こうすることにより付けエサが動き魚への誘いになる。また、仕掛けが潮になじむことにもなる。竿先の一点を見つめ、僅かな変化も見逃さない体制をとった。しかし、自分以外もアタリはない。

船長はそんな光景に「うぅ~ん、どうやら二枚潮だなぁ~!」と厳しい顔だ。

二枚潮とは、潮の流れが上層部と下層部、互いに逆方向に流れる潮のこと。つまり下ろしたラインがS字状態になり、糸ふけが増えて仕掛けがなかなか底に着かなくなったり、オマツリの原因にもなる。

この釣り応えは…

結局、船長も「今日は、イマイチだなぁ~!」と移動することに。10分くらい走っただろうか、陸側には断崖が続き中腹に川奈ゴルフCCが見える。この海域は川奈沖に限らず、海底が急深になっているのが特徴だ。

水深270mの場所に到着し、再度スタート。みんな一斉に仕掛けを落とす。ほどなく着底した。糸ふけをとってたら、なにやら魚信らしき反応が竿先と手に伝わった。

そのまま様子見。クンクン来ているが大きくは引き込まない。……小物かと思いながらも、竿をゆっくり立ててみたら、やはりクンクンッと反応がある。スロットルON! 終始しっかりと感触は伝わってくる! だが、なにかがおかしい。魚の引きではないような……。

周りは魚信が遠のいている状況だったので、「おっ、本命ですか?」と釣り客が寄って来た。心の中では、本命祈願しているが「いやぁ~、なんか違うような?」と謙遜してしまうのが釣り人だ。

あと20m、10m、うっすら見えてきた。……が、あーーー赤くない! 本命アカムツは脱落だーーー! 白っぽいから、せめてアラかメダイであってくれよ! と願うも次の瞬間、一気にテンションはがた落ち。……ツノザメでした。

練り製品の原材料ともなり、すり身としては高価なツノザメ。とはいえ、関東で食べられる習慣はあまりない

周りの釣り人には、小型の白ムツがポツポツ掛っているが、いまだに本命のアカムツは誰も上げてない。アカムツどころか、朝一にキンメが1枚あがったきりなのだ。

この後も何度か移動したが、午前11時を少しまわったところで納竿(ストップフィッシュ)となり、船は宇佐美港にむかった。午後のカイワリ五目釣りに期待したい。

(5月17日予定の第3回に続く)