超党派の国会議員で構成される“カジノ議連”(国際観光産業振興議員連盟)が3月30日に総会を開き、カジノ解禁を進めるための「カジノ推進法案」を今国会(~6月24日)で提出することを決定した。

カジノ法案は長きにわたり、出すのか出さないのかとスッタモンダを繰り返したため国会議員の間でも“出す出す詐欺”などと自虐ネタになっていた法案。

2013年に一度提出され、翌年に廃案となったが、20年の東京五輪に開業を間に合わせるにはもはや後がなくなったということで今回再び提出されることになったというわけだ。

この動きについて、『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人―ラスベガスと日本人』(集英社新書)などギャンブルに関連した著作が多数ある作家の松井政就(まさなり)氏はこう語る。

「すでに民間ではカジノ解禁を見越した人材育成も始まっています。

例えば、大阪商業大学ではこの4月からカジノ経営を学ぶカリキュラムを設けていますし、日本で唯一のディーラー養成機関『日本カジノスクール』(東京都新宿区)でも入学者が急増、20年には1千人単位のディーラーを輩出予定です。経済効果への期待も大きいですし、今さら『カジノはやりません』とはいえない状況です」

カジノ解禁、待ったなし!となると、週プレ的に気になるのはカジノそのものの中身だ。果たして、どんなゲームで遊べるのか? どんな一攫千金チャンスがあるのか?

300円が5億円になる夢のスロット

【ルーレット】「カジノにはいろいろなゲームがありますが、やはり人気になるのはルーレットでしょう。赤と黒に色分けされた回転盤が回り、カラフルなチップが賭けられる。その優雅さから海外では“カジノの女王”といわれています。

0から(アメリカ式は00もある)36までの単独の数字を狙うか、『赤か黒か』『奇数か偶数か』を狙うかは自由。遊び方も簡単です」(松井氏)

そのルーレットについて、松井氏があるエピソードを教えてくれた。

「9年前、あるイギリス人青年が私財をすべて売ってつくった約1500万円をラスベガスのルーレットに全額一点勝負したんです。

TV局も生中継する中、すべてのチップを赤に一点勝負したところ見事的中! 賭け金は2倍の約3千万円となりました。その様子は今もYouTubeで見られます」

【スロット】スロットはスタートボタンを押せば、あとは自動的に絵柄が止まる。パチスロのような“目押し”は不要だ。

「特に注目なのはプログレッシブ型の台。それまでその台につぎ込まれてきたお金の一部がキャリーオーバー的に一気に払い戻されます。当然、難易度は高くなりますが、当たれば大変な額になる。中でもメガバックスという台は1回約300円の賭け金でも、大当たりすれば最低約5億円以上出ます」(松井氏)

過去、ラスベガスでは1989年に約6億円を当て、その16年後にも約23億円を当てた強運の男性がいる。また、00年にはたった9回ほど回しただけで約37億円を荒稼ぎした女性もいる。今年3月にも約13億円を的中させた人が話題になるなど元手が少なくても十分に夢を見られるゲームなのだ。

ちなみに、スロットで大金を狙うにはちょっとした注意を忘れてはいけない。松井氏が遠い目をして語る。

「最近のスロットは一回のゲームにいくら賭けるか、その都度、自分で選ぶようになっているのですが、高額配当を得るにはその額を最大に設定しなければなりません」

そこで松井氏は過去、大変な失態を演じたという。

クラップス&バカラは“テラ銭”の低さが魅力

「シンガポールのカジノで、当たれば1千万円以上というスーパージャックポットがそろい、係員が『おめでとうございます』とすっ飛んで来て、周囲のお客さんも騒ぎ始めたのですが、その時だけ賭け金設定を最大にすることを忘れていて…。本来なら約1700万円もらえたはずが、100分の1のたった17万円に。一生の不覚です」

競馬やパチンコなど日本にはすでに多くの“先輩ギャンブル”が存在するが、カジノができれば、客の大移動があるかもしれない。

その最大の理由が控除率の低さだ。控除率とは一回賭けるごとに胴元(運営側)の懐に入る“テラ銭”のこと。カジノはそのテラ銭が断トツに低いのだ。

【クラップス】中でもテラ銭が一番低いゲームがクラップス。

「クラップスとは2個のさいころを自分で投げ、出た目の合計が7か11なら賭け金が2倍になるというゲームです。賭け方次第でテラ銭は0.184%と、限りなくゼロに近くなる。全米人気No.1のゲームです」(松井氏)

【バカラ】かつて大王製紙の井川意高会長(当時)が約107億円も負け、危険なゲームの代名詞となったバカラもテラ銭は1.17~1.36%。

「バカラとはプレイヤーとバンカーのふた手にカードを配り(最大3枚)、合計が9に近いほうが勝ちというゲームです。札束が乱れ飛びますが、テラ銭は安い」(松井氏)

とはいえ、日本は当たり馬券にも課税されるほどギャンブラーに冷たい国。解禁されたカジノも日本式のテラ銭が導入されたりしないのか!?

「テーブルゲームの控除率はゲームの仕組みによって決まりますから、日本だけ勝手に変更できません。それに何より、日本のカジノだけ控除率が高くなったら海外からの観光客など来ず、経済効果も見込めなくなります」(松井氏)

なるほど。ビッグなチャンスがもうすぐやって来る!