狙いはカイワリだが、ハナダイをGET! 肝心の本命はというと…… 狙いはカイワリだが、ハナダイをGET! 肝心の本命はというと……

結局、アカムツは釣れずに終わり、午後のカイワリ釣りへ意気消沈したまま臨むことになった週プレ釣り部。午前の雪辱を晴らすことができるのか。いざ、出港!!

*** カイワリ。この魚の名前、普通の人はあまり聞いたことがないのではないだろうか。

体長は40cm前後で、アジ科の中では最も体高(腹部から背の淵までの長さ)があり平べったいのが特徴。全国の海に生息しているが漁獲量は少ないため市場にほとんど出回らず、知名度は低くも高級魚なのだ。

治久丸の午後船は12時に宇佐美港を岸払いした。乗客は6名、午前釣りから引き続いて乗ったのは3名だ。我々のクーラーの中には獲物が何も無い! 氷で硬くなったオニギリとお茶が入っているのみ。これは非常事態だ!

西風が少し強くなってきたようで船首が海面を叩く、叩くたびに飛沫(しぶき)があがる。風が強く釣りづらそうだ。30分近く走っただろうか、初島が近づいてきたところで、釣りスタート。

水深は93m。底からゆっくり2m巻き上げてから、一度コマセを海に撒く。5秒ポーズをとって、次からは50cm刻みでシャクッては巻き、シャクッては巻きを10m繰り返す。通常はこのシャクリの間に、小気味良いクンックンッといった感じの鋭いアタリがある。ハナダイやイサキ釣りとほぼ同じ釣り方だ。カイワリは上へ上へ逃げるエサを追ってくる習性があるのだ。

左舷ミヨシの釣り人の竿が円を描いている。どうやら1投目で何かきたようで、右舷ミヨシの方が玉網を持って構え…ずに引っ込めた。なんと獲物は、午前中釣れまくったツノザメ。さらにその直後には釣り友K氏にもツノザメ。

午前中の悪夢が蘇ってきた。この後、何回かポイントを移動したが本命カイワリは釣れない。釣れるのはサメとベラのみ。

「まいったなぁ~」となる船長は、大きく移動することを決意し、宇佐美港の北側へ。今度は初島よりも陸地が近くに見える場所だ。しかも、ここは以前にヒラメを釣った、私にとっては相性のいいポイントだ!

ポイント変えてフィーバー??

しかし、釣りが再開されると船上は話し声もなく、ただ船長のマイクの声とエンジン音が響くだけ。静かな釣れない時間がだいぶ過ぎていたところで、釣っていたK氏の竿に魚信(アタリ)。まもなく上がってきたのはリリースサイズのムシガレイだった。…と、今度は右隣の釣り人も竿先がクンクンと引いてハナダイをGET。

ようやく船上が騒がしくなってきた。地合い到来かと、私も投入し直し。

セオリー通り、50cm刻みでシャクる、止める、シャクる、止める…を繰り返して、6mくらいまできた時、竿先にはククンククンと鋭角的な感触。

ようやくきたぁ~!!!!! 巻きながら尚もクンクン引く、待ちに待った魚信。やっときたあぁぁあああ~! 巻いていても、それに抗う力は強い。パワフルな引き込みだ。もしかしたら本命の可能性は高い!

しばらく格闘していると、魚影が海に映る。水面に出るまでわからなかったが、その姿は「やったぁー、本命カイワリだぁ~!」 や~~っと出ました! 本日お初となる貴重なカイワリです!! 船長もマイクで「やっとカイワリがでました、みなさん頑張って下さい」とプレッシャーから解き放たれたかのように嬉しそうなアナウンス。私もあまりの嬉しさに写真を撮り忘れたのは仕方ないのです! 本当に読者の皆様、スイマセン! 喜びで我を忘れておりました。

本命に気をよくした私は全身にアドレナリンが回り、スイッチON! 記憶も新しい手順を繰り返す。すると、どうだろう、またもや魚信! ククン、クンクンと伝わるいい引きだ。

見えてきたのは赤いハナダイ。連続本命とはいかなかったが、さらに再投入すると、またまた魚信で今度はムシガレイだ。これに続けとばかりに船中あちこちで騒がしくなった。地合い到来だっ! なんと、この僅か15分の間にカイワリ1尾、ハナダイ3尾、ムシガレイ2尾がGETできた。あれほど釣れなかったのに…。

 英名でルナ・ライオンフィッシュと呼ばれ、ヒレがたてがみのようにふさふさなミノカサゴと、虫に食われたような斑(まだら)があるムシガレイ。 英名でルナ・ライオンフィッシュと呼ばれ、ヒレがたてがみのようにふさふさなミノカサゴと、虫に食われたような斑(まだら)があるムシガレイ。

その後は周囲の釣り人たちも小物類を続々と釣り上げてタイムアップ。とうとう最後まで2尾目の本命カイワリは釣れなかった。

これからは、海の魚も川の魚も活性が高くなり釣りの対象魚も一層増え、ハイシーズンに入る。次回も楽しく釣って、美味しく食べる。さてさて、次は何を釣ろうか?

<本命カイワリ釣りのタックル> ロッド:Shimano製 JOGBROS B661R(長さ2.0m、3:7調子) ジギングROD リール:Shimano製 Force Master400 ライン:PE1号200m リーダー:ナイロン30lb 仕掛け:全長3.5m ふかせ3本バリ ハリス:2号(枝ハリス15センチ)3本とも空バリ ハリ:チヌ2号ケン付き 片テンビン:長さ40cm+ショックゴム太さ1.5mm×50cm オモリ:コマセビシ80号 付エサ:船宿配布の沖アミL 特エサ:市販のホタルイカ