現在はポイントがつくカードが乱立する時代だ。実際、野村総研の調べでは約1兆円ものポイントやマイレージが世に出ているという。
その一方で、貯まったポイントを有効活用している人は少ないのではないのだろうか? そもそも、これだけカードが増えすぎると、ポイント制度が多様すぎ、どういう使い方が正しいのかもわからなくなる。
そこで今回、カードのお得な使い方を研究するポイント交換案内サイト『ポイ探』代表取締役の菊地崇仁氏にカード選びの注意点を聞いた。
―ポイント制度にはどんな「落とし穴」がありますか?
菊地 次の4つが考えられます。
(1)期限切れトラップ (2)年会費トラップ (3)いらないグッズと交換トラップ (4)個人情報ひもつきトラップ。
その対策はこうしましょう。(1)は、期限が切れると貯めたポイントが0に戻る仕組みです。対処法はムダなカードは作らないことに尽きます。
・1ヵ月に1回は使うカードだけを作る。 ・1ポイント単位で使えるのか、100ポイント単位で使えるのかを把握し、細かい端数が使えるカードだけを作る。
「1万ポイント貯めないと使えない」のであれば、貯まるスピードが遅すぎ(笑)。それから、レシートを常によく見ること。レシートは情報の宝庫で、保有ポイントや期限が記されています。
期限対策は、年に一度「ポイント確定の日」を決めること。3月末でも誕生日でも、大晦日でもいい。ポイント期限はばらばらなので、一括でやっつけるのが手です。
個人情報保護を気にしますか?
(2)に関しては、「ポイント欲しさにカードを作っても、年会費を払う分だけ赤字になるのでは?」と考える人ですね。
でも、クレカで年間20万から30万円の決済をする人なら2千円の年会費は元が取れます。考え方は20万円の1%が年会費に相当する2千円ということ。年会費はポイントで相殺します。20万円は大金のようですが、公共料金と電話料金を足せばそれくらいになります。
(3)に関しては、ポイントを金券に換えられるカードを持つこと。物に換えても、同じような物はネットでもっと安く買えます(笑)。
(4)の個人情報については、私はどうってことないと考えます。個人が監視されているわけではないですから。
Tカードなら、会員数5千万人。その中であなたひとりの値打ちはそんなにないです(笑)。もちろん、「30代男性」などの“属性”は利用されますよ。例えば、「TSUTAYAでレンタルをした時にスーツの500円引き券がついてきた」というふうに使われるかもしれない。でも、それはあなたの“属性”を使った結果なのです。
(取材・文/梅田小太郎 戎小次郎)