2009年の登場以来、低迷するビール業界にあって右肩上がりで成長を続けるノンアルコールビール市場。
飲酒運転の厳罰化や健康意識の高まりなどが追い風となり、今や広く飲用されるようになっている。
さらに最近ではノンアルユーザーのニーズにも“ある変化”が生まれているという。それは仕事中に“会社でグビグビ”やってみたいという、ワンランク上の欲求だ。
実際、生活者の意識・実態に関する調査を行なうトレンド総研が今年4月に発表したノンアルユーザー500名を対象にした「ノンアルコール飲料に関する調査」によると「今までにはないが、これからノンアルコール飲料を飲んでみたいと思うシーン」を聞いたところ20%のユーザーが「仕事中」に飲んでみたいと回答しているというのだ。
まぁ、確かに仕事中に職場でドヤ飲みしたら気持ちイイだろーなー(遠い目で)。
でも、一般の企業より自由度の高い(カオスとも言う)職場といえる「週プレNEWS」編集部でさえ、昼間っからノンアルビールを飲むのはちょっと気が引ける…飲みたい時にも飲めないなんて、それが日本の現実(ポイズン)だ。
と思ったら、世の中にはケッコー進歩的な企業も増えているようで、既に勤務時間内でもノンアルビールを解禁している会社もあるという。
マ、マジか!! というワケで、打ち合わせの「お供」にノンアルコールビールを飲むという職場を直撃取材した。
ノンアルビールを飲む職場とは?
たのもーーーーぅ!!(引き戸ガラガラしながら) どもー、週プレNEWSです……アレ!?
えっ!? 何、何!? ここって、まさか……。
法律事務所じゃん!!
なんと、週プレNEWSが訪れたのは、都内にある「佐藤・西浦法律事務所」。集まった弁護士の皆さんの目の前にはノートPCとノンアルビール「オールフリー」の缶が…ってフリーすぎるやろ!!
会議室の中央に陣取る男性弁護士は、ノンアルビール片手にこう力説する。
「決して酔うことはありませんが、ビールを飲んでいる気分になれる。そのためフランクな心持ちで話すことができ、さっきも今まで言いづらかったSNSの友達申請をお願いすることができました(笑)。さすがに、お客さまなどとの打ち合わせでは控えますが、内部的な会議でノンアルコールビールを飲む分には問題ないかと。むしろ、いつもと違った視点で打ち合わせに臨めますね」
なるほどなるほど、酔わないけど少しフランクな性格になれて、しかも違った視点が持てるようになると(メモメモ)。
続いて、別のベテラン弁護士もこう続ける。
「昔のノンアルコールビールって、あんまりビールっぽくなかったよね(苦笑)。でも今、飲んでいるのは、喉越しや麦・ホップの香りはほぼビールと言っていいと思います。ノンアルコールなのにお酒を飲んだ気分になれる。打ち合わせの雰囲気も変わるのではないでしょうか」
さらに、他の弁護士からは「職場でいつもコーヒーというのも飽きてしまう。そんな時はノンアルビールで気分転換するのもいいと思う」といった意見も。
アルコールと社風はフリーに限る?
そもそも職場でコーヒーが飲めて、ノンアルビールがNGという理屈は通らない。さすが法律事務所、筋が通っている。
また「ノンアルビールとピッタリ合うお弁当があればいいのに」との声も。もはやノンアルありきで、つまみや酒の肴を探す(かのような)発想に感動すら覚える。
もちろん、ノンアルビールはあらゆる「飲めない状況」に対応する。女性弁護士は自身の体験を元にこう漏らす。
「弁護士をはじめとする“士業の人たち”って、お昼に会食をする機会が多いんです。その時、クライアントからお酒を勧められることもある。なかなか断りづらく、また、後に大事な仕事が入っているという場合ももちろんあります。でもノンアルコールビールであれば先方の気分を害することなく食事ができますね」
ちなみに、ひとくちにノンアルコールビールといっても銘柄によっては1%未満の微量のアルコールを含んでいるものもあるので注意が必要。そういった商品を酒の飲めない人がガブ飲みすると、少しだけ酔ってしまう可能性もゼロではないのだ。
今回、弁護士の皆さんが飲んでいるアルコール度数0.00%(つまりモノホンのノンアルコール)ならば、どんな下戸でもその心配はなし。この手のノンアルビールはメーカー各社から発売されているので、職場で飲むならこうした商品を選ぶのが正解といえよう。
どっちにしても今後、日本でもアルコールと社風がフリーな職場が増えていけば、仕事はもっと楽しくなるはず。
つーことで、「週プレNEWS」編集部でも本日からノンアルビールを解禁します!!
(取材・文・撮影/週プレNEWS編集部)