小型船とはいえ、やはりボート操縦に興奮する釣り友K氏

今回、週プレ釣り部が挑むのは、シンプルな仕掛けで魚との勝負を楽しめる「一つテンヤ」。以前も挑戦したが、今回はさらに自ら船を操る「ボート釣り」だ。自分自身の経験と勘を尖らせ、ターゲットの「マダイ」を無事釣り上げることはできるのか!?

***人気で埋まってしまうボートも予約でき、一つテンヤの準備も万全。ようやく迎えたボート釣り当日。時たま風が吹くが、波が無く絶好の釣り日和。

ここ南房総浜田漁港「アジロボート」の釣り場マップには、釣り可能エリヤと進入禁止エリヤが明記されている。陸地の目印として、港を背に沖に向かって右奥に沖の島、左側は館山の国民休暇村の間が航行可能海域だ。

初めて来てもわかりやすいようにマップも準備されている

この釣り可能海域の水深は、港を出たところが7mで沖に向かってだんだん深くなる。10m近辺の浅瀬ではシロギス、マゴチ、ヒラメ、アオリイカ、イワシ類など。30m以深ではマダイ、イナダ、カンパチ、カツオ、サバ、イシダイ、マルイカ、アマダイ、オニカサゴ、ハタなどが釣れた記録がある。また「タイヤ漁礁」と言われている有名な人工漁礁が漁港から13時の方向にあり、ここではマダイ、サバ、イシダイ、カサゴ、イナダ、カンパチ、カツオ、アオリイカ、マゴチ、ヒラメ、マダコなど多彩な魚種の実績がある。

いきなり大漁のチャンス到来!?

午前6時、漁港の船上げスロープに陸揚げされた、私たちの乗る第三アジロ丸は燃料や備品などの点検を終え、出港へ。

少し岸から離れ、オートリフトを使い船外機を海中に下ろす。下ろし切ってからエンジンスタート。ブルルルルン、一発で始動した。比較的静かな4ストエンジンの音が静かな漁港に響く。ゆっくり旋回して港の出口に向かう。

さぁー、いざ出陣! 気持ちよい瞬間だ! 事前の打ち合わせ通りに右手13時の方向のタイヤ漁礁を目指してフルスロットルで船を進めた。

ほとんどの漁礁には発泡のブイが浮かんでおり、広い海の中でさほど迷うことはない。目指す場所に近づき、水深計を見ると7m。魚探には真っ赤に小魚の反応。カタクチイワシだろうか、水面に目をこらすとピチャピチャと無数の小魚が跳(は)ねている。これはチャンスだ! この下には大口あけた魚が潜んでいるに違いない!

私たちが今回付けたテンヤはタングステンの5号(赤金色)とK氏は前回の一つテンヤ釣りでブレイクしたブラックのオーバルテンヤの8号。

さっそく竿を投げるとK氏にいきなり魚信(アタリ)! 重さはあるが素直に上がってくると、あっ、タコだ! でかい!

しかし、玉網をとって駆けつけようとした瞬間…「あっ!バレたぁー!」。

私はやっと溶け出した冷凍エビを剥(は)がして、第一投目を放った。すでに船が流れているので水深は15m。気づけばだいぶ流されたようだ。

周りを見たら、いつの間にかベイトがいなくなって遠くへ行っている。追いかけようか迷ったが、最初のポイントへ。こうした作業ももちろん自分でやるのがボート釣りであり、乗合船の船長になった気分だ。

しかし戻ってみると、釣れない! 釣れない! まったりしてきたので、すぐポイント移動することにした。

ポイントマップはあるものの、この広い海の中で魚のいる場所を特定するのは至難の業。どうやって魚を探せばいいのだろうか? 魚探の反応をどのように判別すればいいのだろうか?…とにかく我らは手を止めずにガンガン仕掛けを打つしかない! そして、釣れた時の状況をしっかり記憶するしかないのだ!

(6月21日配信予定の第3回に続く)