ハイレゾヘッドホンアンプ「PHA-1」。PCやスマホにダウンロードした音楽データを、極限まで高音質再現してくれる魔法の小箱だ。実売2万7000円~

夏のボーナス商戦で“買い”の家電メーカーはどこかーー。

それを知るためには、家電売り場に足繁く通うだけでは足りない。メーカーをめぐる最近の報道も商品の価格に大きな影響を及ぼすのだ。

そこで今、注目したいのはソニーと東芝だ。両社はいまだに業績不振にあるものの、不採算部門の整理やスキャンダルの影響で例年以上に夏のボーナス商戦に“お買い得な”商品がそろってきているというのだ。激安ハンターのじつはた☆くんだ氏が言う。

「ソニーは業績回復にややもたつき、14年度も赤字決算(サイバー攻撃を受けた影響で、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントは概算計上)。ただし、円安を追い風にゲーム機『PS4』の販売が絶好調で、エンタメを中心に投資を集中する経営方針が固まりつつあるようです。

昨年からパソコンブランド『VAIO』の売却、スマホ事業の大幅人員削減など再建策を進めており、15年度は黒字転換を見込んでいます。

そんな中で、ウォークマンを含むビデオ&サウンド事業も今年10月の分社化に向けて準備が進んでいます。業績回復のために少しでも売り上げが欲しいため高音質オーディオ規格『ハイレゾ』の関連機器も激安放出中! 例えば、発売時は5万円近かった高級ハイレゾヘッドホンアンプ『PHA-1』が今や2万7千円前後で入手可能です」

確かにすごい値下げ幅だが、ハイレゾのアンプって何がどうすごいのか、イマイチわからない。

「高級イヤホンやヘッドホンを持っているとしましょう。実はそれをスマホやPCのイヤホン端子に直接つないでもチープな音しか出ません。ところが、このPHA-1を介して接続すると、まるでスタジオ原音のような高音質で再生してくれます。これは一度体験したらヤミツキです! しかも、この製品は“SONY時代最後のオーディオ機器”として今後、プレミアがつくかも…」

分社化はメーカーにとっては断腸の思い…。しかし、消費者にとってはこんな思わぬメリットに変わることもある。これはチェックしておいて損はないだろう。

東芝製品がドンドン安くなる!

「続いては現在、不適正会計疑惑の渦中にある東芝。日本の電機業界の優等生がスキャンダルに見舞われた衝撃は決して小さくありません。消費者サイドへの影響を考えると、ズバリ『東芝製品がドンドン安くなる!』ということになります」(じつはた氏)

父娘ゲンカで世間をにぎわせた大塚家具の“おわびセール”のようなことだろうか。

「まさに! メーカーとしては、株主のためにも少しでも売り上げを稼ぐ必要がある。さらに量販店としても、メーカーのイメージダウンは気にせざるを得ない。となれば当然、他社の同グレード製品より安い価格で店頭に出てくるわけです。実際、すでに売り場では“東芝製品全面安”の兆候が表れています。

一番の狙い目は、3番組同時録画対応のブルーレイレコーダー『REGZAサーバー DBR-T560』! 好きなチャンネルを一日中録画してタイムシフトマシンとして使いながら、同時に他の2番組も録画できる高性能機です。

ブルーレイレコーダー「REGZAサーバー DBR-T560」。タイムシフトマシン機能付き&3番組同時録画対応。HDD増設もUSBでラクラク。実売6万円~

当初から2TB(テラバイト)の容量があり、さらにHDD(ハードデイスクドライブ)を増設できるので、事実上の無限録画が可能。発売当初は10万円以上でしたが、今ならなんと6万円前後! 製品には罪も欠点もありませんのでジャンジャン買いましょう」

憧れのハイスペック機が汎用製品並みの価格。分社化にスキャンダルと、どちらもメーカーにとってツラいニュースではあるが、そんな時にこそ消費者に“買い”のチャンスが訪れるのである。

(取材・文・撮影/近兼拓史)