ジメッとした梅雨ーー。こんな季節に注意すべきなのが“掛け布団”。手入れをしていないと、ダニが繁殖するだけじゃなく、いろいろな“汚れ”が健康を脅かしてしまうのだ。
梅雨の“掛け布団手入れ”の重要性について話してくれたのは、住環境のダニを研究する医学博士・高岡正敏氏だ。
「梅雨は、湿度の高い環境を好むダニが最も繁殖しやすい季節。そして、部屋の中で最もダニが繁殖しやすい場所のひとつが布団です。汗で湿ることが多く、エサとなる人間の皮膚やフケも豊富なためダニがどんどん集まり、卵を産んでいきます。また、掃除をしていない冬場の掛け布団をそのままクローゼットに収納してしまうのも大きな問題。空気の入れ替えが起こらない高湿度な環境の中でダニが大繁殖してしまいます。
現在、日本人が引き起こすアレルギーの8割はダニによるものなので、力を入れて対策するようにしましょう」
また、ダニの怖い点は、その存在を肉眼では観察できないことだという。
「日本の住居に多い“チリダニ”のサイズは約0.2mm。非常に小さいため、1平方メートルに100匹(アレルギー反応を引き起こすダニの数の基準といわれている)が密集していようとも、人間の目で認識することはほぼ不可能です。きれいに見える寝具にもダニが大量にいる可能性は十分あるんです」
さらに、手入れを怠った掛け布団には当然、ダニ以外の汚れも付着している。その汚れとは…カビ!
その怖さを語ってくれたのはAll About「家庭の医学」ガイドを担当するアレルギー専門医・清益功浩(きよますたかひろ)氏だ。
生えてしまうと完全に除去するのは困難!
「ダニと同様、カビも高温多湿を好み、汗の栄養分で繁殖するため梅雨時は掛け布団にも発生しがち。アレルギーはもちろん、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎を引き起こすため大変危険です。いったん生えてしまうと完全に除去するのは困難なので、汗をかいたら干すなどの事前対策が重要となります」
ちなみに、カビが生えているかどうかを確認する方法は?
「寝具には黒カビが生えることが多いので、黒いシミや斑点があれば、それはカビである可能性が大。カビ臭いにおいもしますので、注意すれば気づくはず」
また、掛け布団にはほかにもまだまだ体に害のある汚れが付着しているという。
「汗はじんましん、花粉は目のかゆみ、PM2.5は気管支炎や肺炎の原因となります。また、それらを放置することで発生するニオイも自律神経に作用し、ストレスや不眠症につながる。布団の汚れはかなり怖いことだらけです!」
掛け布団が汚いだけで、梅雨時はこれだけのリスクがある。面倒だからと放置しておかずに、こまめな手入れを心がけよう!
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■週刊プレイボーイ26号(6月15日発売)「梅雨に気になる『ひとり暮らしの掛け布団』白書」より