グランドオープン当日には、倉庫外にもクラシックカーがズラリと並んだ

6月13日、大阪市港区海岸通に往年のビンテージカー/クラシックカーを集めた自動車展示施設「ジーライオン ミュージアム」がグランドオープンした。

ジーライオン ミュージアムは、関西を中心に輸入車販売や外食事業を手がけるジーライオングループが1923年(大正12年)に建てられた赤レンガ倉庫を改装して開設。この倉庫はもともと、第一次世界大戦の好景気を受けて当時の住友財閥が建造したひとつであり、神奈川県横浜市の赤レンガ倉庫と並んで貴重な歴史的建造物とのこと。

1999年以降はしばらく大阪市が所有・管理してイベントなどに活用していたが、2006年に閉鎖。その後、2012年にジーライオングループが大阪市から譲り受けて今回のミュージアム開設にこぎつけたという。

現存する赤レンガ倉庫は大きく4つの建物からなり、ジーライオン ミュージアムでは同社のコレクションを約40台展示できるミュージアムスペースの他、国内外のビンテージカー/クラシックカーを展示販売するショールーム、そして飲食施設…と、その4棟を余すことなく活用している。

世界で初めての流れ作業による大量生産車「T型フォード」

注目のミュージアムスペースは、T型フォード(世界初の流れ作業による大量生産車として有名)をはじめ、ハドソンやビュイック、スチュードベイカーなどの戦前のアメリカ車、そして歴代のロールスロイスなどの高級車をメインにした展示。赤レンガ倉庫と年代を揃えた展示車が中心で、これらのクルマが活躍した往年のハリウッド映画に思いを馳せる人も多いはず。そうした車がズラリと並ぶ一方で、トヨタ2000GTや初代日産フェアレディZ、マツダ・コスモスポーツなど良き時代の国産スポーツカーも展示されている。

博物館と販売コーナーが設けられ、60台以上のクラシックカーを展示

レトロ感と押し出し感のあるアメ車ビンテージ。1940年代のシボレーフリートライン

面白いのは、こうしたミュージアムスペースにビンテージカーやクラシックカーの販売部門も併設されること。販売部門に置かれるクルマも貴重な旧車ばかりだが、ミュージアムや販売スペースで見たクルマをその場で購入できる…という施設は世界的にもちょっと珍しい。商人の町、大阪らしい発想…と思ってしまったのは週プレNEWSだけか?

ミュージアムの建つ海岸通といえば、海遊館や天保山などの有名スポットもある関西有数のベイエリア。敷地内にはカフェやステーキハウスもあるし、デートのついでに立ち寄るにはちょうどいいスポットとして話題を呼びそうだ。

トヨタ2000GTなど、かつての国産スポーツカーも展示されている

(取材・文/佐野弘宗 撮影/祐実知明)