1988年に世界遺産に登録されたチチェン・イッツァー遺跡に隠された恐ろしい事実とは…?

ミ・アミーゴ! ブエノスタルデス!(スペイン語でコンニチワ!)

皆さん、2012年に世界は終わるというマヤ文明の予言を知ってますよね? 『インデペンデンス・デイ』と同監督で『2012』という映画もできたほど騒がれた人類滅亡説ですが、結局、予言は的中せず。

「太陽は沈まナイ。セカイノオワリはドラゲナイ♪」

…なんて、トランシーバー片手に歌っていたら、2012年の人類滅亡説は、実はマヤ文明の研究者たちがうるう年を忘れた計算ミスで、なんと2015年の9月に延期されてたんだって! えええ? あと2ヵ月じゃん!

世界の終わり? ビックリしてひっくり返っちゃいました。そしてチップを要求されました

チチェン・イッツァで売られていたメキシコみやげの三猿。日光の三猿と同様、悪事を見ない、聞かない、話さない。ドラゲナイ…

そんな予言信じるわけにはいかないけど、“マヤ人は宇宙人だったのでは?”と言われるほど高度な天文学の発達を見せた文明を、この目で確認しておく必要がありますね。

というわけで、メキシコ・ユカタン半島のあちこちに眠るマヤ遺跡、中でも特に有名な「チチェン・イッツァ遺跡」に行ってきました。

55.3m四方、高さ24m、頂上の神殿部分6mのピラミッド型のククルカンの神殿「エル・カスティーヨ」

そのルックスだけでも見ごたえ十分な蛇の神・ククルカンの神殿「エル・カスティーヨ」。4面に各91段の階段と、最上段の神殿を合計して「365段」あり、巨大なカレンダーとしての役割を果たしているんです。

春分と秋分の日には階段の影と階段下部にある蛇の頭部の石造がつながるんだとか。太陽の光によって動くその影はまるで蛇が身体をくねらせているかのように見え、「ククルカンの降臨」と呼ばれてるんだって! 神秘的~☆

「羽をもつ蛇の姿をした神」ククルカンの頭部

マヤ最大の球戯場に隠された秘密

「これは偶然できたワケではなく、全て計算よ! 本当にジーニアスなんだから!」。マヤ人の天才っぷりをガイドのお姉さんも自慢げに説明してた。

「ガイド料のチップはテキーラでOKよ~」

確かにもうすぐ世界が終わるなら、いつか使う紙切れをもらうより、今飲む美味しいテキーラの方が良いかもしれない。…と言いつつ、「チップの平均は5ドルくらいかしら」と最後にしっかり請求されたけれど。

そして、チチェン・イッツァ遺跡には、全長150mのマヤ最大の球戯場がある。地上7mにあるドーナツ型のゴールに、手を使わずにゴムボールを入れたら勝ちという競技が行なわれていたそうで、その穴を見上げていたら思わず私もチャレンジしてみたくなった。

「ボールみたいな投げるものないかな」

…なんて、もしゴールしてたら私、死ぬところだったんです! 実はここ、古の宗教儀式で生贄(いけにえ)を捧げる場所だったそうな。生贄……?

球戯場の両壁は音が逃げずに場内に響き渡るように設計されている。ここにもマヤの高度な技術が巧みに使われている

球戯場ゴール。これにボールを入れたら…入っちゃったら死が待っている。怖すぎる!

このゲームに勝つと大変。なんと勝ったチームのキャプテンが生贄となって、首をはねられ心臓を取り出されるんだとか! ヒェ~! グロテスク! 勝ったのに死ぬなんておかしくない?

しかしそれは豊穣の神に捧げられると考えられ、生贄になるのは名誉として受け入れられていたんだって。う~ん、絶対ワザと負けてる人いたと思うんだけど…。

日本にも「男気ジャンケン」という勝った人が代金を支払うハメに…いや、誇らしく男気をアピールできるジャンケンがあるけど、もしかしてこのルールはマヤ文明からきたのかも(笑)。

チチェン・イッツァ球戯場の場合、勝ったらここで打ち首です。男気ジャンケンの場合、買ったらレジで支払いです

生贄の頭蓋骨がさらされるツォンパントリ「頭蓋骨の城」。ここにたくさんの頭蓋骨が積み重ねられたそう

まるで宇宙のような泉・セノーテ

地面が陥没してできたセノーテ

いまだ謎に包まれるマヤ文明滅亡の理由のひとつは干ばつとも言われてるけど、カンカン照りの中での遺跡巡りは私も思わず干物女になるとこでした。み、水~!

マヤ文明の貴重な水源といえば、石灰岩質の土壌に溜まった雨や湧き水でできた泉・セノーテ。ユカタン半島には数千ヵ所のセノーテがあり、そのうちいくつかは泳ぐこともできる。青々と輝く美しさは言葉を失うほどだとか。

これにはブルーハンターとして黙っちゃいられません! すぐさまスーパーで子供用の安いシュノーケルセット(幸いチビなので子供用でピッタリ)を購入し、有名セノーテ巡りに自転車を走らせました。

世界各国の人たちが集まるセノーテ。ツアーで行くセノーテは青くなくてガッカリ

太陽の光を浴びたセノーテの水面はコバルトブルーに輝き、水中に潜ればその神秘的な空間はまるで宇宙のよう。ますますマヤと宇宙がつながってるような気がしてきた。こりゃあ、“マヤ人=宇宙人説”もあるかも?

観光客が泳ぐと水が曇るというので、誰もいない早朝のセノーテを狙う。しかし先客が!……カメ~!

差し込んだ太陽の光は“光のカーテン”となり水中に揺れていた。これ私ですよ~

泉の下層には大規模な鍾乳洞が水没し、光が差し込まない場所は薄暗く不気味な雰囲気。ヒンヤリと冷たく透明度の高いセノーテで泳ぐのは気持ち良かったけど、その深さは底なし沼のようで何者かに足をひっぱられそうな気がして怖かった。

すると、泉の底に何やら黒い人影が……!

そういえばチチェン・イッツァ遺跡内にあるセノーテ「聖なる泉」は、これまた雨乞いや豊作を願って財宝や生贄を捧げる場所であり、水の底からは子供や成人男性、女性の骨が出てきたんだって。

「まさか生贄の……? ゾッ!!」

あわててセノーテから上がると、そこにはウェットスーツを着た人たちがいっぱい。そう、黒い人影は生贄ではなくダイバーだったのでした(笑)。ホッ。

【This week’s BLUE】浅そうに見えるけど実はメチャメチャ深いセノーテ。海と違って淡水なので浮かぶのが難しい。

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログ、Twitter【marysha98】もチェック!