お仕事だけでなくレジャーでも活用度が高いのが軽箱だ

マニアックな軽で目立ちたい!という人に、オススメしたいのがこの2台。EVで補助金もゴージャスな三菱「i-MiEV」もう一台は、見た目もカッコいいワンボックス、スズキ「スズキ・エブリイワゴン」だ。

今ドキ普通に見かけるが実際に買うにはハードルが高くて、本当に乗っていると「腹が据わっているな」と一目置かれるクルマといえば、電気自動車(EV)である。

今、軽のEVを市販しているメーカーは三菱だけ。その三菱の軽EVには商用車のミニキャブ・ミーブと今回紹介する乗用の「i‐MiEV(アイ・ミーブ)」がある。

知っている人も多いと思うが、アイ・ミーブのベースとなった「i(アイ)」は、もともと未来的デザインのリアエンジン軽として2006年に発売した軽だった。そのEV版であるアイ・ミーブの発売は09年で、しばらくはエンジン車と併売されていたもののエンジン車のiは13年に生産終了。

現在売られているのはすべてEVのアイ・ミーブとなる。少なくとも東京で見るこのカタチはすでに大半がアイ・ミーブ。日産リーフほどではないが、アイ・ミーブも大半の人がひと目で「あの人、EVに乗ってるぅ」と思ってくれるはずなので安心だ(?)。

現在のアイ・ミーブは電池容量に応じて2種類があり、満充電航続距離(JC08モード)が180kmの大容量グレードが「X」、120kmの小容量グレードが「M」。走りは静粛かつ強力で、街中をちょこまか小気味よく走るにはピッタリ。しかし大容量のXでも、頻繁(ひんぱん)に遠出する用途にはハッキリ向かない。逆にいえば「街乗り限定」なら電気代はガソリン代よりはるかに安く経済的だ。

価格はXで283万円強、安価なMでも226万円超…と(ケータハムを除く)軽最高のゴージャス価格だが、EV購入者にはゴージャスな補助金も出るので、実際は意外に安い。特にMで上限49万円の補助金が支給されれば、支払い価格はなんと170万円台まで下がる計算だ!

三菱「i-MiEV」車両本体価格:283万8240円クリーンエネルギー自動車等、導入促進対策費補助金:最大71万円諸費用:7万9490円 合計:220万7730円アイ・ミーブは唯一の市販EV軽。車体はエンジン車のiからの流用だが、世界最先端のエコカーなので本体価格はゴージャス。しかし燃料(=電気)代を含めた維持費は爆安。走りは、とにかく活発、静か、素直。短い航続距離さえうまく運用できれば、街乗り車としては最高だ! また、オプションの「MiEVパワーボックス」で、最大出力1500wを約5、6時間使用可能。これは一般家庭の消費電力の約1日分に相当する

車中泊の定番マシンが大進化!

EVよりさらに「ハズシのゴージャス軽」をお望みなら、いっそのこと商用ベース軽ワンボックス(の乗用ワゴン登録モデル)はいかがだろう?

各社とも基本機能は似たようなものだが、今回のスズキ・エブリイワゴンでいうと、1.8 から1.9m級の全高も含めてボディサイズはダイハツ・ウェイクとほぼ同じ。エンジンを床下(エブリイは前席の尻下)に置くために室内のタッパはウェイクに及ばないが、室内長はエンジン前置きのウェイクをしのぐ長さ!

とんでもない長いものを積みたいとか、背がデカいけど車中泊したい…というゴージャスな用途には、この種の軽ワンボックスが最適。

あくまでお仕事用途が第一義の設計のため高速での操縦性や乗り心地、静粛性…といった乗用車適性ではウェイクなどより明確に劣る。しかし、コキ使われることが前提のプロ仕様のためにとにかく各部が頑丈で、価格も意外と安くないが、そういう「プロツール」独特のゴージャス感はある。

ウェイクに純正アクセサリーを満載するより、エブリイにDIYでいろいろ仕込んだほうが「デキるオトコ」感も演出できること間違いなし!

スズキ「エブリイワゴン」PZ ターボスペシャル ハイルーフ(4WD)車両本体価格:178万2000円諸費用:13万4310円バックアイカメラ(オプション):1万800円合計:192万7110円「軽ワンボックスにカッコつけて乗る」という用途専用(?)の「PZターボスペシャル」はアルミホイールやメタリックカラーがゴージャス仕様。ウェイクやN-BOX+のような凝った工夫はないが、とにかくシンプルにクソデカいゴージャスな箱なのだ。工夫次第で物置にも住居にもなるぜっての!

(取材・文/佐野弘宗 植村祐介 友清 哲 撮影/池之平昌信 岡倉禎志 山本尚明)