皆さん、フーデミダッハ!(オランダ語でこんにちは)。夏してますかー!
ジャマイカでワンラブできなかった私は、南カリブに飛んで「アイ・ラブ・アルバ!」してきました。アルバとは、実業家ハリウッド女優ジェシカ・アルバでも、ゴルフレッスン誌でもございません。南カリブはオランダ領の3つの島からなる“ABC諸島”の“Aの島”です。
南米で治安最悪のベネズエラの沖合に位置しながら、治安の良い常夏パラダイス! 豪華クルーズでセレブが立ち寄るこの島々で、バックパッカーの私もアイランドホッピング!
マイアミからの飛行機では「アルバに到着~!」の機内放送に乗客も大拍手で盛り上がるハッピームード! さすが“カリブ海のラスベガス”。ビーチ添いにはカジノホテルが並んでます。
国民総生産の半分は観光関連で、カリブ海地域の中では生活水準が高く失業率も低い。観光客のほとんどがアメリカからというだけあって、ドカーンとアメリカンなでっかいスーパー! ちゃんとしたお店、久しぶりッ(笑)!
今までの反動からでしょうか。思わず美味しそうなハムやチーズ、ワインを買い込み、カリブの決して裏切らない青い海を堪能。幸せのひと時にひたっておりました。すると…。
ビュワオオオオゥッ!!
「ハ、ハムがぁあああ!!!!」
アルバの名所・イーグルビーチの容赦ない強風に久々の私のごちそうは吹き飛ばされて砂まみれ。
「ちーん…。いや、やらないよ、やらないけどさ…。洗ったら、食べれるかな…?」
すると、そこにすかさず爬虫類登場! 私のごちそうはトカゲのものに…。それにしても落ちたハムを拾おうとする私とは違い、手を使って小さなお口で食べる姿はなんともお行儀が良い。
“カリブ海のガラパゴス”ボネールへ
お次はフラミンゴの生息地、Bの島「ボネール」。平坦な島周辺の海はダイビングの宝庫で、1969年に国立公園に。その昔は無人島状態や100年間流刑地だったこともあり、美しいながらどこかこの世の果て感がある。
小さなフラミンゴ空港に夜中に到着すると、目の前のベンチを今日のベッドにすることにした。治安が良いとはいえ半オープンエアーだし、一応バックパックに鍵をかけ、横になってひと気のない空港ロビーでスヤスヤ…。
すると、夜中の3時頃だろうか、静寂の中、カッポカッポ…という音が近寄ってきた。「な、何?」。寝ぼけながら起き上がると、ムシャムシャと草を食べるロバの親子。「えええ! 超かわいいんですけど。何? 夜食?」
しかし私に気づくと、すぐに暗闇へ消えてしまった。たしか空港の裏にはドンキーサンクチュアリがあるけど、実は夜中に抜け出しておなかを満たしてるのかな。ムニャ…。まるで夢の中のような出来事だった。
そして朝が来た! 背骨は痛いが、サボテンが生い茂る中を冒険だー! 偶然フラミンゴにでも会えればラッキーかなと海辺へ向かうと、そこには世界中のダイバーを魅了するスペシャルな青い海!
店やライフセーバーの姿もなく、ウェットスーツに覆われたダイバーが入水しては消えていく。「ここ普通に入っていいのかな…」
心細いままシュノーケルに挑むと、なんと砂浜からすぐの距離にカラフルな魚がウヨウヨ! シュノーケルでこのレベルなら、ダイビングはどんだけすごいんだろうかーー。いつか潜ってみたい。
陸に上がるとカモメに囲まれ、干からびたペリカンの死骸やヤギとの遭遇。アルバがカリブ海のラスベガスなら、ボネールは“カリブ海のガラパゴス”だわ。人よりも動物に多く出会ったこの島、滞在たったの20時間。ワイルドだろ~?
語学能力の高いABC諸島の人々
最後はCの島、「キュラソー」。オレンジの果皮を用いた、ラム酒ベースのリキュールの産地として有名です。
キュラソーはABの島に比べ、人が多く生活感があるように感じる。私の宿のオーナーだった真面目な青年ビクトル(20代半ば)が親切に街を案内してくれ、英語でこう言った。
「授業はオランダ語だけど、スペイン語のほうができるかな」。彼らは「ピアメント語」というオランダ語、英語、スペイン語、ポルトガル語などがミックスされた言葉を話す。
実はこの島、ヤクルトスワローズの主砲バレンティンや、元・楽天イーグルスのアンドリュー・ジョーンズ選手の出身地でもあるんだけど、人口15万人の小さな島に優秀な選手が育つ背景には、異文化に溶け込める語学能力の高さもあるらしい。
感心しながら街案内のお礼にビールをおごると、次の店では彼がごちそうしてくれた。律儀。
ビクトルの友達も参加して、オランダビール・アムステルを飲みながら、お互いの文化に質問を投げかける。
「日本はSummerでSunなんでしょう?」
と聞かれたので、てっきり夏の話でもしているのかと思いきや、敬称の「様、さん」のことだった。
「あとさあとさ、日本人てこうやって前に体倒して深々おじぎするよね!」
友達同士ではやんないけど、目上の人にはやるって感じかなと説明すると、「じゃあ、尊敬に値しない人に対しては、前じゃなく後ろにおじぎすればいいよね!」だって! なるほど(笑)。
さて、楽しい時間は短い。駆け足のABC諸島はあっという間。私は加山雄三ポーズで、港につく豪華客船のセレブたちを見つめていた。自分の貧乏旅との格差を感じながらも、まあなんとか生きてるし、こんな旅ができるってやっぱり…「しあわせだなぁ」。
【This week’s BLUE】 アルバのリゾートで飼われていたオウムはハッピーそうな色合いと反して、かなりコワイ。鋭い目つきで睨みをきかせ奇声を発し威嚇する。キレイだけどかわいくないヤツめ。
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログhttp://ameblo.jp/marysha/、Twitter【marysha98】もチェック