なかなか寝付けない、何度も目が覚める、寝起きが悪い…など現代人の睡眠悩みは様々。では、そのお悩みを解決するために具体的に何かしているだろうか?
快眠セラピストで『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』の著者・三橋美穂氏が、睡眠の質を上げるための簡単なコツを伝授!
Q)ストレスでなかなか寝付けません
A)ベッドに入ったものの、頭の中は気がかりなことがグルグルとかけめぐり寝付けない…。そんな時は、このエクササイズを。目を閉じ、人差し指で両耳の穴をふさいで「ん~」と声を出します。鼻から息を細く長く吐き、全身の力を抜いてゆっくりと息継ぎをしながら1分間。指を離すと、頭の中がしーんと静かになっています。精神的なリラックス効果も得られるでしょう。
Q)眠りが浅く、途中で何度も目が覚めてしまいます
A)眠りが浅い原因のひとつは「睡眠時間が長すぎる」こと。本来6時間睡眠で良い人が8時間寝床にいると、全体的に眠りが浅くなってしまいます。昨年、厚生労働省が発表した「健康のための睡眠指針2014」では、適切な睡眠時間は25歳で7時間、45歳で6時間半、65歳で6時間。布団にいる時間はそれプラス30分です。必要以上に寝床にいると、眠りの質を低下させます。
Q)睡眠時間は足りているはずなのに、なかなか起きられません
A)朝、なかなかベッドから出られない人は、こちらのエクササイズを。両手で耳たぶを持って、下にゆっくり3秒ひっぱり、パチンと離します。これを4~5回繰り返すと、脳が刺激され徐々に目が覚めてきます。仕事中に眠くなった時も、耳の上部を上に、中央を横に、耳たぶを下に引っ張るといいでしょう。
睡眠時間が不規則な時は?
Q)イビキがうるさいと言われます
A)イビキを軽減するには、うつぶせや横向きで眠るのが効果的です。あお向けで寝ると、舌がのどに落ち込んで気道が狭くなるためイビキをかきやすくなります。また、太り気味の人には「妊婦のポーズ」がおススメ。うつぶせ気味の横向き寝で、上になったほうの足を軽く曲げて前に出して寝る姿勢です。抱き枕を利用してもOK。
ただし、20代や30代でイビキをかくのは、太りすぎか睡眠時無呼吸症候群の可能性も。早めに専門医を受診しましょう。
Q)仕事が忙しく、睡眠が不規則になりがちです
A)睡眠時間が不規則だったり短い場合も、最低3~4時間は毎日決まった時間にとるようにしましょう。これを「アンカースリープ」といいますが、コアタイムを24時~4時の間にすると、身体の機能低下を最小限に抑えられます。しかし、短時間睡眠は長く続けると身体を壊すので、〆切を乗り切る時など短期間の場合のみにしましょう。
●三橋美穂(みはし・みほ) 快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て2003年に独立。現在は、全国での講演や執筆、個人相談のほか、ベッドメーカー のコンサルティング、ホテルのコーディネイト、快眠グッズのプロデュースなど、企業の睡眠関連事業にも広く携わる。睡眠のスペシャリストとしてテレビや雑 誌など多方面で活躍中。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)ほか多数。http://sleepeace.com/
(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/五十嵐和博)