猛暑日が続く炎天下、浴びるように水分を補いながら、週プレ釣り部は真夏の海へ繰り出した。
チョイスした釣り物は「マアジ」。以前、金谷の「金アジ」を釣ったはずだが…。
*** 三浦半島(神奈川県)の観音崎と房総半島(千葉県)の富津岬を結んだ線の内側ということで、海で囲まれた日本からしてみれば、ごく僅かな範囲しかない東京湾。しかし、その狭い海でも様々な魚がいる。
魚種はもちろん同じでも、その見た目も味も変わる。釣り人にとっては、また違う魚なのだ。そこで今回は神奈川県走水沖に棲息するマアジ「走水アジ」をターゲットに決めた。
走水沖(広域で浦賀水道と言われる海域)は、冬の終わりに「金アジ」を釣った金谷(千葉県)の対岸にあたる場所だ。大型の貨物船やタンカー・作業船が毎日800隻も往来する海の銀座だ。また、海難事故も多い危険な海域でもある。
そして三浦半島と房総半島に挟まれた海峡で、東京湾と太平洋の海水が行き来する一番狭い場所…だから潮流は非常に速い。豊後水道や明石海峡などと同様に潮の干満時の流れが特に速くなる。こうした海域で育つ魚介類は身が締まって、運動量もあり、成長も早く良質の個体となるのだ。
釣りの場合、一般的には潮が動いている(流れている)ほうが、魚の活性は高くエサの食いつきもいいため、釣りやすいと言われている。しかし、確かに止まっていると低くなる傾向はあるが、釣れる時もあるので一概には言えない。
ちなみに大潮の日は潮がたくさん流れると考えている人も多いが、実はこれも全てに当てはまらない。大潮の日に潮が動かず、小潮の日にぶっ飛ぶなんて日もよくあるのだ。予測して釣りのスケジュールを立てても、まったく無駄になることもあるのだから困ったものだ。
また、潮流れは周期的に方向がほぼ180度変わる。その要因は海流、干満、季節、風、水温、地形などが関係していて、早さや方向も毎日異なる。さらに、必ずしも海底から海面まで一定ではない。上潮と下潮で流れの早さが違うこともあり、その向きも反対である時もある。これを一般的に二枚潮と言う。こんな日は釣りづらくお祭り騒ぎになりやすい。
金アジを凌駕する走水アジ
話をマアジに戻そう。走水アジは金アジと同じく、希少なブランドアジ(プラチナアジ)。潮流が速いので漁網の操業が難しく、一本釣り漁船の舞台となるため、市場に出回らないからだ。
そして金アジも走水アジと同じ、キアジ(回遊せず同じエリアに居着く真アジ)であり、よく肥えるのが特徴だ。しかし、その大きさに大きな違いがある。不思議なことに走水アジは金アジ以上の大きさを誇るのだ。夏場のアジはサイズが小さいが、それでも走水アジなら30cm後半も出現する。この辺りはこの海域に捕食する小魚・甲殻類・貝類・頭足類が多く、エサが豊富だからなのかもしれない。
ちなみにアジはサイズがまちまち。20~25cmを小アジ、25~30cmを中アジ、30~40cmを大アジ、さらにマニアの間ではより大型の40~50cmを「メガアジ」、50cm~60cmを「ギガアジ」、それ以上を「ナノアジ」と呼んでいる。釣り数はもちろんだが、今の時期でメガアジが釣れたら…と思わず夢見てしまう。
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(8月30日配信予定の第2回に続く)