これぞ、船釣りの醍醐味(?)「船上干し」に挑戦! わずかな手間で新鮮なアジの干物が味わえる

プラチナアジ「走水アジ」を求めて神奈川県走水港へ来た週プレ釣り部。なかなか釣れず焦る中、続々と釣り上げる隣のベテランさんはなんとスポーツ報知釣り記者T氏

長年の釣り経験を誇りに持つ身としては負けるわけにいかないと、さらに気合いを入れ直す!

***あくまで釣りは自分との、そして自然との闘い。他の釣り人と比べても仕方ないのだが、やはり自分が一番数多く、そして大物を釣りたい欲求は少なからずあるもの。ましてや相手が似たような立場なら尚更だ。

気合いを入れ直して釣りを再開すると、ようやく私にも魚信(アタリ)が。アジは口が弱く切れやすい。強引にアワセたり、巻いてしまえばバラすことになる。少しゆっくり目で巻かなければならない。電動リールの巻速度は7か8程度が理想だ。

慎重に釣り上げたのは約30cmの本命・マアジだ。サイズはともかくようやく1匹目が釣れ、ひと安心。その後は25~35cmがポツポツ…。ただT氏も相変わらず適度に釣れている。

そんな中、編集K氏の竿がいつもより大きく曲がっている。おぉ~、これは大型か? まさかメガ級を超えるのか!? 慎重に巻き上げると、おっ、でかい! すかさずT氏も協力し、玉網で掬ってくれた。T氏もそのサイズに驚き、メジャーで計測してみると36.5cmだった。今日イチの大きさに編集K氏は勝ち誇った様子で満足げだ。

その後、再び船上にまったりとした時間がやってきた。日差しも最高潮に達し、船長が場所移動のアナウンスをすると、編集K氏が「ナイフってありますか? 『船上干し』やりたいんですよ」と、なんとも粋(いき)な提案(けどナイフくらい用意しとけ!)。

船上干しとは、そのままの意味で船の上で魚を開いて干したものだ。干物といえど、鮮度は重要。死んでから時間の経ったものよりも新鮮な魚を干したほうが旨味が残ったままでうまいのだ。

過去、イカやイワシなどを船上干ししたことがあったが、アジは初めて。寒風にさらした方が良いかもしれないが、持ち帰る時にクーラーの中で冷やせばいい。こいつは酒のあてによさそうだと、その提案に一も二もなく乗った。

怒涛の追い上げ!!

頭から一気に切り開き、内臓やエラを取り除く。釣ったばかりのため、先ほど食べたコマセも残ったまま。あとは洗って干すだけ!

やり方はまず、ファットな真アジの頭にナイフを入れて開く。開いた切り口を尾のほうまで裂くのだが、この時に腹の下を残しながらナイフを入れる。内臓が見えたら取り除いてエラも取る。再度、腹の中にナイフを入れ、大きく開く。後は海水で汚れを洗い落として天日にさらす。以上!

たったこれだけですぐに終了。まだポイント移動中で、いいタイミングなので仕掛けをチェンジすることにした。今までハリス2.5号を使っていたので、今度は2号に落としてみる。

少しして到着し、投入合図が出た。仕掛けの全長も50cm短くなったので、海面から40mの指示タナを1m下げ41mで待ってみる。すると、すぐに魚信。小気味良い魚信を楽しみながら、本命のマアジが上がってきた。まぁまぁサイズだ。

すぐにコマセを詰め再投入。またきた! しかも今度は2匹付いた一荷だ! 気をよくしながら投入すると、まただ! 入れ食いだ! なんと、連続して5尾釣れるという快挙。怒濤の追い上げだ!

連釣する様子を見ていたT氏も「よく掛かりますねっ! タナは? ハリスは?」と聞いてくる。そこは気分良いので喜んで情報提供した。こうした情報交換も船上で生まれた釣り人同士の交流だ。

しかしその後、また場所を移動するとサバの襲来に遭遇してしまった。編集K氏はその力強いヒキと、やたら掛かることに喜んでいるが、周りはみな渋い顔。サバとアジは同じ棚にいるので、サバが掛かるということはアジもいる可能性が高い。

ただし、サバとアジではその速度が違う。サバのほうが素速いのでアジより先にエサに食いついてしまうのだ。さらに、サバは左右に泳ぎ回るため、周囲の釣り人とお祭りしやすい。この時も船上では何度もお祭りし、仕掛けがグシャグシャになっている様を見かけた。

ふたつの針に同時にかかった走水アジ。食いがいいと良くあるが数釣りの時はボーナスをもらった気分

互いの結果に火がつき…

そして、そのまま時折、大型の真アジが顔を見せてくれるも、午後1時を回ってストップフィッシュの合図。道具を片付けている時、船長が計量にきた。全て数え終わって、本日の釣果は船中で5~15尾。やはりこの海をよく知る常連さんは強い。

しかし、何よりも気になるのは今日知り合ったスポーツ報知の釣り記者T氏だ。後半追い上げたがT氏もかなり釣っている。それとなく聞いてみると、なんと12尾と引き分け! その微妙な幕引きに若干やきもき…。

すると編集K氏が「あっ、同数ですね! うちも結構釣ったのに悔しいなー。ちょっと今度また一緒にやりませんか?」と提案。そこでT氏も「いいですね! 是非!」と即答。そのままお互い和気あいあいと釣り談義をしながら港へ戻り、解散に。T氏とも次の約束をして別れた。

…釣り船を降りた後、早く帰って船上干しを楽しむため車に乗ろうとすると編集K氏に「ちょっと話が…」と呼び止められた。

何かと思えば、「今日のスポーツ報知のTさん、すごかったですね。でも、週プレ釣り部としては悔しくないですか? 先方には僕が話を通すので、次は彼と勝負しましょう!」という相談。そう、編集K氏も同じ思いを感じていたのだ!

というわけで、次回は週プレ釣り部vsスポーツ報知! 長年の釣り経験を誇る、釣り記者勝負だっ!!

※9月4日(金)発売のスポーツ報知に週プレ釣り部が登場! さらに、釣り対決の様子を9月25日(金)まで毎週金曜日発売のスポーツ報知でも掲載!!