ヤース!(ギリシャ語でチョリーッス! 丁寧語だと「ヤーサス」)
ヨーロッパの冬の寒さに耐えかねて思わず南下。ギリシャの首都アテネにやってきました。ドイツから飛行機で約1300円と驚愕の安さ!
ランチくらいのお値段で飛行機乗れちゃうなんて格安航空LCCに本当エフハリストですっ(ギリシャ語でありがとう)。
さて、ギリシャと言えば、デフォルト(債務不履行)問題で最近までニュースをにぎわせてたわけですが…。
アテネ空港は近代的で、搭乗券の印刷ができるプリンターもある便利っぷりだし、街の交通網である電車もしっかりしてる。子供のアコーディオン弾きがお金を求めにきたり、捨てられた野良犬や猫が溢(あふ)れていたりする一面もあったけど、借金があるわりには豊かな印象。
特にヨーロッパ諸国では有料のことが多いスーパーの袋や使い捨ての箱、プラスティックのフォークなどを惜しみなくくれるのにはちょっと無駄遣いなんじゃないかとこっちが心配しちゃいました。(質素倹約国ドイツなんて紙ナフキン一枚しかくれなかったりと、おケチだったのに~)
物価は比較的安く、憧れのパルテノン神殿を訪れようとチケットを求めると、アクロポリスの丘以外にもゼウス神殿、古代アゴラなど6ヵ所も入場できる4日間有効の共通チケットがたったの12ユーロ(約1600円)! お得すぎやしませんか?
規模も違うけどマチュピチュとかアンコールワットなどの他国の世界遺産に比べて安すぎるその値段設定に、貧乏旅の私ですら珍しくもう少し観光客からお金とっていいよって思いました。
そしてリゾート向きの地中海性の気候のせいか、ギリシャの人たち呑気です。商売っけがないから好印象だけど、仕事もしない。オフシーズンだからって各観光名所が15時に閉まっちゃうのは早すぎる!
全知全能の神「ゼウス」を感じて
ランチに入ったお店のメニューは、日本人なら顔文字でしか使わないような不思議な文字ばかりが並び、何がなんだか全く見当もつかない。注文できずにモジモジとしていると、私の前でお米に肉を乗せたものを注文している人がいたので、すかさずそれを指さした。
「同じ物を! てゆうか、これなんて名前?」と聞くと、「鈴鹿来な!(σουτζουκακια)」と言われました(聞こえました)。どうやらスゥトズカキアというミートボールの煮込みのようです。
なんとかゲットした初ギリシャ料理は日本人の口にピッタリ。5ユーロ(約650円)でお腹いっぱい。
腹ごしらえもしたので、アテネの中心部へ向かうことに。中心部に入ると観光客も増え、英語はもちろん日本語堪能なギリシャ人が登場。
「僕の日本人の友達は忍者です。彼に忍法を習いました。戸隠流に興味があって長野県に行ってみたいです」
というイケメンのお兄さん。忍者の話も気になるけど、ここはギリシャ。私は神々の元へ急いだ。
アクロポリスの丘を登ると、晴れ渡る大空の下に「パルテノン神殿」が現れた! 最高にカッコイイ!
長く旅をしていると似たような教会や景色ばっかりで感動が薄れてくるけど、久々にグっときた。
「古代アゴラ博物館」では読めないギリシャ文字を目で追い、「ゼウス神殿」では柱を見上げギリシャ神話を想像する。全宇宙を司(つかさど)る全知全能の神「ゼウス」は偉大なる神様なんだろうな。なんかパワーを感じるよ!
なんて思っていたら…。このゼウスという男、実はかなりの浮気者なんです!
意外に身近なギリシャ神話
ゼウスの妻は姉のヘラ。姉が妻っていうのもおかしな話なんですが、ゼウスはその妻の目を盗んでは浮気に走るトンデモない男なんです。
しかもその方法がスゴい。雄牛、白鳥、時には雨にまで変身して浮気するそう。雨に変身したところでどうやって浮気するのか、ギリシャ神話の発想は謎すぎる。
そして妻ヘラは浮気されまくってるのに奇(く)しくも結婚の守護神で、浮気に関しての情報収集能力や監視能力に長(た)けているという。嫉妬深い妻ヘラが怒りをぶつける相手は、ゼウスではなく浮気相手やその子供だというんだから厄介(やっかい)です。
ご存じとは思いますが、女性の嫉妬や復讐はコワイので、ゼウス系男性諸君はくれぐれもお気を付けください。
私、浮気者も嫌ですが、ナルシストも苦手です。若く美しいナルキッソスは「自分だけを愛する呪い」をかけられ、水面に映った自分自身の虜(とりこ)になり衰弱死したんだって。「ナルシスト」という言葉は、このナルキッソスの名前から由来されたそうですが、イケメンの皆さま、自分に見とれすぎないように!
ツッコミどころ満載のギリシャ神話にすっかりハマった私ですが、身の周りには他にもいっぱいギリシャ神話が溢れていました。
お笑いユニットの「ネプチューン」は海の神で、ギリシャ語だと「ポセイドン」。誰もがはいているスニーカー「NIKE」は「勝利の女神ニケ」が社名の由来。
また、高級ブランド「エルメス」と同名の「ヘルメス」は旅人・商人などの守護神だというから、旅人マリーシャとしてはゲン担ぎにひとつバーキン欲しいところではありますが…旅人が借金をするわけにもいかないのでこれからもバックパックと仲良く旅していきたいと思います。
【This week’s BLUE】 悪魔の視線から身を守ってくれるという、目玉模様の魔除けイーブルアイと古代ギリシャの知の象徴フクロウ。
●旅人マリーシャ 平 川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】