現在、日本に約1万人いるといわれるAV女優。その中でも名実ともにトップ女優として君臨し続けてきた上原亜衣が突如、引退を発表したのは11月17日のこと。この日に開催された「AVオープン2015」の表彰式でのことだった。
「AV女優を引退します!」と上原が宣言すると、満員の会場からは大きなどよめきが起こり、彼女の瞳からは大粒の涙が…。
今年23歳になった上原が企画女優(企画モノ中心の女優)としてデビューしたのは2011年のこと。「黒髪ストレートに舌足らずな喋り方で、単体女優でも十分通用する美少女系のルックス。それでいて中出し100連発や大量ぶっかけといったハードなプレイも全く厭(いと)わず、うなぎ上りで人気を得ていきました」(AVライター・麻雅庵[あさがあん]氏)
13年にはDMMの年間AV女優ランキングで1位となり、翌年には「DMMアダルトアワード2014」で最優秀女優賞プラチナを受賞。彼女がAV界のトップに上り詰めた瞬間だった。
引退を発表したこの日のブログで、彼女は次のように心境を告白している。
〈もうすぐ2年経つね。DMMアダルトアワードで日本一を取ってから。あの日から私の目標が無くなっちゃって〉
この言葉の真意を、某AVメーカーのプロデューサーがこう解説する。
「彼女はああ見えて、とても負けず嫌いなんです。だから一番になることにものすごくこだわっていました。彼女が単体女優の道に誘われても、ずっとキカタン(企画単体女優)で頑張っていたのは、単体になると出演数がガクンと減って、結果的に一番を取れないからだとも聞きました。
また、NG項目をほとんどつくらなかったのも一番になるため。それくらいこだわってきただけに、いざ一番になったら目標がなくなってしまったというのも頷(うなず)ける話です」
上原亜衣でダメな企画は後が続かない…
彼女の引退発表は瞬(またた)く間にネットを駆けめぐり海外にも及んだ。中国版ツイッターともいえる「微博[ウエイボー]」では、彼女の引退に多くの人が嘆きの書き込みをするほどの騒ぎに。
「引退のニュースを聞いて、今日は気分がすぐれない。最近の女優はあまり好みじゃないんだ。これで、つぼみが引退したら俺はどうやって生きていけばいいのか」
「偉大なる人民芸術家・上原亜衣さんを記念して、今夜は彼女の作品をじっくり鑑賞することにする」
年内いっぱいは撮影をこなし、正式な引退は来春になる予定だという彼女。前出の麻雅氏が言う。
「彼女のすごいところは、メーカーが新企画を立ち上げる時に『まずは上原で試してみよう』との声が上がること。つまり、上原亜衣でダメな企画は後が続かないということです。また、レズ作品で初レズの女優さんの相手に選ばれることも多かった。それくらいメーカーの信頼が厚かったし、どんな共演者とも仲良くできるのも魅力でした」
作品に名前も出ない企画女優としてデビューし、キカタンとして名を馳(は)せ、最後はAV女優の頂点まで上り詰めた上原亜衣。本当にお疲れさまでした。そして、ありがとう!
引退の日まで、全力で応援させていただきます!