男性の冷え症が増加中! しかも、自覚も知識もない男性のほうが深刻なダメージを受ける可能性が… 男性の冷え症が増加中! しかも、自覚も知識もない男性のほうが深刻なダメージを受ける可能性が…

冷え症は女性がなるもの、なんて思っていると劇的にブサメン街道まっしぐら! なんと、体温ひとつでモテなくなるという…。

冷えていないと思っている男性こそ注意が必要な、本当は怖い男性の冷え症についてリサーチ。

■男性の相談が18年間で15%に増加!

冷え症は女性特有のもの…と思いがちだが、他人事に思っている男性こそ気をつけてもらいたい。

なんと今、冷え症を訴える男性が増えているというのだ。そこで、冷え性の実態を知るために東京都葛飾区にある『全国冷え症研究所』の本部に向かった。

 1977年に設立された「全国冷え性研究所」。北海道から沖縄まで170ヵ所の支部がある 1977年に設立された「全国冷え性研究所」。北海道から沖縄まで170ヵ所の支部がある

理学博士の山口勝利先生を所長とし、冷え症の研究と治療に取り組むこの研究所では、様々な機械を使って自分が冷え症なのか、その場合はどんなタイプなのか検査と治療ができるという。

検査を受けるのは、冷え症を自覚し、今も厚手の綿の靴下が手放せない編集・タケダ。「今はそこまででもないですけど、足先が冷えるので昔は冬場、寝る時は靴下が手放せませんでした」

最前線の現場では、冷え症の男性が増えている実感はあるのだろうか?

「あります。研究所を開設した18年前、訪れていたのは100%女性だったにも関わらず、最近は男性が15%くらいになっていますから。ゼロだったことからすると大きな変化です」(山口所長)

■冷えるのは手足だけじゃない。内臓も冷える!

早速、機材を使った測定をスタート。まずは「深層部温度測定」で体の深部にある内臓の温度を測定する。

 計測時間は15分ほど。最初なかなか温度が上がらなかったのは、やはり深層部が冷えていたからか? 計測時間は15分ほど。最初なかなか温度が上がらなかったのは、やはり深層部が冷えていたからか?

「……(苦笑)。低すぎるぐらい低い。深層部が冷えているタイプの冷え症ですが、これは男性には特によくない」(山口所長)

平均温度は37度のところ、タケダは35度に届くか届かないか。平均より2度も低い。数値を見た瞬間に苦笑されるのも当たり前といえる状態だ。しかも、冷えを自覚はしていたものの、症状が出ていたのは手足ではなく体の深層部、要は内臓が冷えていたというわけだ。

「ある日、突然、調子が悪くなって寝起きが悪い、やる気が起きない、体がいうことを聞かないなどが起こりますよ」(山口所長)

大きく頷(うなず)くタケダ。どうやら、すでに心あたりはあるようだ(苦笑)。実は取材日はお腹を下していたようだが、その影響はないのだろうか?

「体の内部の温度は昨日今日では変わりません」(山口所長)

冷えは日々の積み重ねから引き起こされるということなのだ。

男性が陥りやすい“冷えのスパイラル”

■皮膚温度が高いのは要注意の証!?

続いて、足先の血流量と皮膚温度を測定した。

血流量は平均数値が0.3[mL/mim/100g](※血流量を表す単位)のところ、武田は0.6~0.7[mL/mim/100g]、皮膚温度は平均が26度程度に対して武田は30度。気温で4℃の差があった場合を考えれば、いかに足の皮膚温度が高いかよくわかる。

 (左)レーザーを当てて足先の血流量は計測する。(右)足の表面体温の平均は26~27度。写真の後に上がり、結果30度に (左)レーザーを当てて足先の血流量は計測する。(右)足の表面体温の平均は26~27度。写真の後に上がり、結果30度に

足の温度が高いなら冷えていないのでは?と思ってしまうが、これが落とし穴。

「体の中が冷えているのに体の表面が熱くなるのは、血管が開いて血液が体の表面にたくさん流れてしまうからです。タケダさんの場合、血液が多く流れることで自分の体温が外気に奪われるタイプの冷え症ですね」(山口所長)

冷え症でイメージしがちな手足が冷えるというのは、血管が収縮して血液が流れなくなって冷たくなるタイプ。これと違い、内臓が冷えるタイプは気づきにくいのが特徴で、とりわけ男性に多いという。

そんな男性が気づくためには? 自分の腹を触ってみよう!

「おへそを挟んでお腹の上下に手をあてます。触った時に手の温度が心地いいと感じるなら、大体冷えていますね。そして、明らかに下よりも上が冷たい場合は、冷えが強くなっています。人間は心臓に近いほど暖かくなり、離れるほど冷たくなるのに逆ですからね」(山口所長)

■アフター5の冷えたビールが冷えを増長!

「夏に電車に乗ると、暑くてパタパタあおいでいるおじさんがよくいるでしょう? ちょっとお腹が出てて“昔はこうじゃなかったのに”なんて思っているような。その人たちは大体、深層部が冷えています。40~50代でガックリと体調を崩すパターンですよ」(山口所長)

自覚がないため、冷えを増長させる行動を続けるのもこのタイプだという。

「特にそういう人は冷やす行動が好き(笑)。朝はパンとコーヒー、昼は揚げ物ばかりのコンビニ弁当。夜は凍ったジョッキに冷えたビールを注いでグィッと飲んで、次は氷たっぷりのチューハイをガバガバ飲みながらタバコを吸う。つまみは串揚げに唐揚げ、野菜も摂ろうと生野菜サラダを頼む。全部、体を冷やす行動ですね」(山口所長)

東洋医学の思想の中には、体を温める食べ物(陽)、体を冷やす食べ物(陰)とある。それによれば、パンの小麦粉やサラダに使われがちなキュウリやトマト、マヨネーズ、そしてコーヒーは全て陰に属する。

 「女性には身体を温めるための知識がありますが、男性はほとんどない。その分、冷え症によるダメージは強いです」と警鐘を鳴らす山口所長 「女性には身体を温めるための知識がありますが、男性はほとんどない。その分、冷え症によるダメージは強いです」と警鐘を鳴らす山口所長

冷えた男がモテない理由

■冷えた男はベッドで女性に期待されない…!?

内臓の温度が下がれば基礎代謝も下がるため、揚げ物などが多い食事をしていれば必然的に太る。そして、内臓は冷えているにも関わらず、太ったことにより体感で暑く感じやすくなり、冷たい食べ物を求めてしまう負のループ!

「内臓が冷えている人を漢方では腎虚(じんきょ)と言いますが、腎虚の状態で性欲が強い人はいません。性欲を高めるには暖かくしないとダメ。また冷え症の場合は男性でも手が冷たい人もいますが、女性は手が冷たい男性に対して、“身体が冷えている”と思い、生理的に拒絶してしまう傾向にあるのでモテません」(山口所長)

確かに、手が冷たい男に寛容さや心の暖かさを感じにくい。体温ひとつでモテないとは、ヒエ~~な話。しかし、冷えはもっと深刻な事態を招くのだった…!

●次回後編は1月6日(水)配信予定。冷えが引き起こす体の不調について、詳しく学びます!

●取材協力/山口勝利先生 冷えのメカニズムを科学的に研究・解明し、治療法や自宅でのケア方法、グッズの開発などを行なっている『全国冷え性研究所』の所長。『冷えた女はブスになる』(祥伝社)などの書籍やTV出演も多数。研究所隣接の『四ツ木治療室』では予約制で検査を実地している。住所:東京都葛飾区四つ木1-34-6 検査予約・問合せ電話:03-3610-6881

(取材・文/渡邉裕美 撮影/五十嵐和博)