ただ磨いただけでは、歯垢は取れない!

前回の配信「意外と知らない? 虫歯の常識にはこんなに個人差が!」では、虫歯の基礎知識についてお送りしたが、今回は歯みがきの効果を最大限上げるテクニックを「天野歯科医院」の天野聖志院長に聞いた!

ただ磨(みが)いても歯垢は取れない…どんな歯ブラシで、どのように磨けばいいのか?

Q 歯きは、何分くらいすればいい?

 内側外側の歯をそれぞれ1分くらいかけて磨くのが普通。ですから、4、5分はかけるべき。さらにデンタルフロスや歯間ブラシを加えれば、合計で10分程度は必要でしょう。

朝、歯磨きの時間を10分間も取れないという人は、夜にしっかり磨いてください。就寝後は唾液の量が少なくなるので、口内細菌が洗浄されにくく、虫歯や歯周病になりやすいからです。お酒を飲んで歯磨きをしないで寝てしまうのは最悪です。

朝、食前の歯磨きは口内細菌を除去するという意味では悪いことではありませんが、虫歯予防の観点からいえば、やはり食後のほうが効果的です。

Q デンタルフロスや歯間ブラシも使ったほうがいい?

 普通に歯を磨いてもプラーク(歯垢)は50%ほどしか落ちません。縦磨きでしっかり磨いても70%程度で、歯間の汚れはどうしても残ります。しかし、デンタルフロスをきちんと使えば、90%近くプラークを落とすことが可能です。

一般の人は糸巻きタイプよりも、ホルダータイプが使いやすいでしょう。ホルダータイプにはF字型とY字型があり、Y字型で二股の部分が曲がっているものは奥歯にも届きやすくおすすめです。デンタルフロスは歯間に入れて、歯に沿わせて上下させてください。使い方にもよりますが、殺菌すれば1週間はもちます。

効果が期待できる電動歯ブラシとは!?

(左から)F字型のデンタルフロス、歯間ブラシ、Y字型のデンタルフロス。Y字型は奥歯にも使いやすい

Q 電動歯ブラシって効果あるの?

 電動歯ブラシは3種類あります。(1)ブラシが機械的に振動するだけのもの。(2)ブラシの動きが速く音波が出るもの。(3)ブラシの動きが速く超音波が出るもの。

この中で一番、効果が期待できるのは超音波が出るものです。音波は歯垢を除去してくれますが、超音波はそれに加えて細菌も破壊してくれます。しかし重いのが欠点です。また、歯ブラシの交換ヘッドが近所で売っていなくて、「そのまま使っちゃえ」ということになるケースも結構あるようです。

ですから、歯磨きの意識が高く、「隅々まできちんと磨きたい」という人はいいのですが、「時間がないし、面倒だから」という理由で電動歯ブラシを導入しても効果は期待できません。

◆この続きは、『週刊プレイボーイ』5号(1月18日発売)「今年こそ治すぞ!! 『歯医者』と『歯みがき』最前線」でお読みいただけます。

【写真・モデル】 歯科衛生士アイドル 志築杏里(Shitsuki Anri)アイドルユニット「TEN6」メンバー。『ケンコバのバコバコテレビ』(サンテレビ/KBS京都)などに出演中。最新情報はツイッターをチェック!【@0721Anri】

(取材・文/村上隆保 取材/久野 勇 撮影/佐賀章広)