ボンジュール! サバ?
イタリアのジェノバから地中海に沿って西へ約200キロ、憧れのコート・ダジュール、南フランスのニースへやってきました。
イタリアでは世界的に有名なヴェネチアカーニバルを経験しましたが、2~3月のヨーロッパはまだまだイベントが盛りだくさん。
この地中海に面したリゾート地でも、「ニースのカーニバル」や「マントンのレモン祭り」が、約3週間という長い期間で開催!
「こりゃあ毎日がパーティーか? お祭り女の血が騒ぐ~! ワッショイ!」
ワクワクしながらニース駅に着くと、駅周辺はこれまた移民であふれていて、祭りをやっているような華やかな雰囲気はなかった。
私は、その移民街で見つけた1泊11ユーロ(約1480円)というニースでは破格の宿に荷物を降ろし、街の中心であるマセナ広場を目指した。
しかし、広場に着いても特設会場と大きな人形が飾られているだけで街はいたって静か~。どうやら毎日が大騒ぎなわけではなく、パレードなどが開催される日以外は普段と変わらないようだ。
メインのパレードまでは数日あるので、それまでどうしようか。
ニースの主役ともいえるビーチも冬の寒い気温じゃ入るわけにもいかないし、物価も高いので外食を楽しむわけにもいかない。
うう、この歯がゆい気持ちをどこにぶつければいいんだ!
「そうだ! レモンでスッキリしよう!」
「レモン祭り」はパレード以外にも常設会場があるというので、私は隣町のマントンに向かうことにした。
レモンやオレンジに囲まれて
バスに揺られること約1時間。山と海に囲まれた穏やかで小さな町マントンに到着した。
すると、目の前には特設会場がドーン! 会場はしっかり壁に囲まれていて中が見えないようになっていた。
10ユーロ(約1350円)を払い入場すると、レモンの黄色とオレンジの橙色で作られた巨大なオブジェが登場!
これでもかとばかりに敷き詰められた柑橘類の絨毯と、今年のテーマ「60’sイタリア映画」にそった作品が堂々と並ぶ。
すごい数のレモンやオレンジ。その総量は約140トンを超えるんだって! 一体、何個!?
祭りが終わった後のレモンは…安心してください、捨てませんよ。
果実が傷まないようにゴムで絞めて飾られたレモンは、ジャムなどに加工されるんだって! それはナイス! レモンちゃん、大事にされてるぅ!
でも、私の想像では「レモン祭り」はそのネーミングのイメージから、スペインの「トマト祭り」のように投げたりする人がいるんだと思ってたんだけどな~(笑)。素敵な作品は本当に可愛くて夢中になったけど、展示は見て歩くだけなので「祭り」というには、大人しすぎる感じ。
そんな感想を抱いていると、どこからか激しいドラムの音が聞こえてきた。気になって音のするほうへ向かうと、そこには派手な衣装のドラム隊が!
唯一の賑(にぎ)わい! やっと、ノリノリだぜーい。
マリーシャ、浮く
私は自分なりにもう少し祭り気分を盛り上げようと、タイで購入したお気に入りの黄色い仮面を装備した。
「これ、結構どこのお祭りでも人気だし、なんだかレモンの仮装みたいでみんなも喜んでくれるかも~!」
しかし、年配者や家族が多くノリノリのパリピなど見当たらない、このお祭りでの反応は薄い…。なんだかちょっと寂しい。
すると背中をトントンとされ、「すみません、写真を…」。
お、ついに来たか。
「撮ってください。私たち家族の…」
へ? ああ、そう、そうね。ハイ! チーズ!
完全に滑ってる私は恥ずかしさを隠すように、心を込めて幸せ家族の写真を撮影した。
今まで私が経験した祭りといえば、体験型の派手なものが多かったけど、こんなにのどかなパターンもあるのね。
そりゃそうよ、ここはセレブが集まる高級リゾート、コート・ダジュールだもの。次はニースのカーニバルだけど、もう少しテンションを抑えめでクールに臨むことにしよう。
私は「冷静さを取り戻す」効能のあるレモンの香りを胸いっぱいに吸い込んで祭りを後にした。
【This week’s BLUE】 マントンとニースの間にある「世界で2番目に小さな国・モナコ」にも寄り道。建築家・ガルニエが造った建物、有名カジノ「モンテカルロ」。
●旅人マリーシャ 平 川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】