中古車買い取り大手のガリバーが始めた『クルマジロ』。画像はホームページのスクリーンショット

新生活のスタートなどで、春は中古車の売買が盛んになる季節。売り手側も決算期なので、安くしてでも売りたい事情がある。

しかも最近は、円安などの影響で日本の中古車を外国人が買いあさり、25年以上も前の車種がやたらと高騰する驚きの現象まで発生中!(参照記事「国産スポーツカーが謎の価格急騰。貴重な名車が海外流出!」)

また前回記事では中古車購入で重要なのは“どれを”買うかより“どこで”買うか」をテーマにお伝えしたが、今回はさらに今後注目が集まる中古車の個人売買について解説していく。

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中古車サイトで気になるクルマを見つけ、販売店から買う。これが中古車購入の一般的な流れだが、実はもうひとつ、買い方がある。個人売買だ。知人から直接買う以外に、現在は『ヤフオク!』などのオークションサイトを使っている人も多い。

個人売買は中間マージンがない分、一般的に下取りよりも高く売れ、販売店よりも安く買える。購入時に消費税がかからないのも大きい。

一方、買う側は整備なし・保証なしの「現状渡し」というリスクを負い、売る側も相手から代金を支払ってもらえるかどうかわからないリスクがある。落札後のキャンセルもよくあり、時には話し合いがこじれて裁判に発展するケースも。

金銭的なメリットがある一方でリスクも大きい個人売買。しかし、中古車販売店のオーナーN氏は、今後は個人売買が主流になるとみている。「やはり、消費税が10%になるタイミングが分岐点でしょう。クルマは高い買い物なので、消費税がバカにならない。消費税のかからない個人売買に目を向ける人は増えるはず」

すでにその動きを見越したビジネスも始まっている。買い取り大手のガリバーは、中古車販売事業も手がけているが、昨年から新たにスマートフォンを使った個人売買の仲介を行なうサービス『クルマジロ』をスタートした。

その特徴は、ガリバーが間に立つことで、個人情報を開示することなく個人売買ができること。さらに、出品したクルマが落札されなかった場合、クルマジロが買い取りもしてくれる。個人間売買でも利用できるローンまで用意されている。

「名義変更や陸送など、個人が行なうと非常に面倒なこともガリバーが代行してくれるんです。だから多くの人が個人売買に対して抱きがちな不安が減り、一気にハードルが下がることは間違いありません」(N氏)

このビジネスが成功して、他社にも広がりを見せれば、中古車の買い方は根底から変わるかもしれない!

『週刊プレイボーイ』10号の大特集では、この他にも『排ガス規制で失墜したフォルクスワーゲン車が今、買い!な理由』等憧れのクルマに安く乗って、高く売る方法を大検証。ぜひ、参考にしていただきたい。

■『週刊プレイボーイ』10号(2月22日発売)「情報誌が絶対書けない 禁断の中古車購入術」より

(取材・文/菅沼 慶 手束 毅 萩原文博)