前年度に比べ、急激な盛り上がりを見せている「ふるさと納税」

前年度に比べ、返礼品の種類が大幅に増え、同じ金額でも送られてくる量が格段に多くなるなど急激な盛り上がりを見せている「ふるさと納税」。

発売中の『週刊プレイボーイ』14号では、そんなバラエティに富んだ返礼品の中から特色あるモノを大特集でセレクト。今年は5万円以上の豪華一点主義でいくか、それとも1万円以下の品で数を楽しむか、一挙紹介している。

■量で差をつける自治体が増えている!

今年になって、「ふるさと納税」がさらに注目されている。『2015年改訂版 100%得をする ふるさと納税生活』(扶桑社)などの著書がある、“ふるさと納税の達人”金森重樹氏によると、

「2014年の寄附金額1位の自治体は、長崎県平戸(ひらど)市の12億7884万円でした。それが2015年は宮崎県都城市の35億2718万円と約2.8倍です。

この数字が象徴するように、ふるさと納税への寄附金額は大幅に増えています。今年度(16年度)は、さらなる増加が見込まれるので、自治体間の競争はますます激化するでしょう」

例えば、次のような例もある。

「豚肉の返礼品を見ても、1、2年前までは1万円の寄附で2kg程度が最高レベルでした。しかし今は、同じ1万円でも倍の4kgももらえる自治体(宮崎県都城[みやこのじょう]市など)があり、量で差をつけようという動きもあります」(金森氏)

さらに、最近は変わりダネの返礼品も増えている。

「当初、返礼品というと特産食材が中心でしたが、最近はレジャー関連の充実が顕著です。宿泊券、食事券といった単純なものだけではなく、宮崎県綾町(あやちょう)や岩手県花巻(はなまき)市などのように往復の航空券がセットになった旅行プラン(寄附額10万円以上~)やJTBの旅行クーポンなどを返礼品にする自治体も増えています。寄附する側の我々にとっては、ますます選択肢が広がっていますね」(金森氏)

では、ひとり暮らしで、ただひたすらうまいものが食べたいという人は?

「ひとり暮らしの人の場合は、一度にたくさんの肉や魚が届いても鮮度が落ちてしまうので、日持ちしないものは消費量を考えて、少しずつ寄附をしたほうがいいですね」(金森氏)

「ふるさと納税」のもうひとつの魅力とは?

すでに知っている人も多いと思うが、あらためて「ふるさと納税」のもうひとつの魅力を確認しておこう。

「ふるさと納税制度は、地方自治体へ寄附することで、所得税や住民税が減額される上に、寄附先の自治体から返礼品がもらえる制度です。サラリーマンなどの給与所得者でも手軽に節税ができます。

ふるさと納税の仕組みは、それぞれの所得や家族構成に応じて上限が決まっているだけという極めてシンプルなもの。それに手続きもとても簡単。また、条件付きですが、さらに手続きが簡素化されたワンストップ特例制度もあります」(会計事務所「シンシア」の税理士、公認会計士・大野修平氏)

具体的にどれくらい得なのかというと、例えば年収500万円の独身サラリーマンが5万円を寄附すると、所得税から9600円が戻ってきて、翌年の住民税から3万8400円が減税される。実質2千円で寄附額5万円の返礼品が手に入るのだ。

返礼品がもらえて、節税にもなるとなれば、これほど得なシステムはない。

しかも、最近は『さとふる』などのふるさと納税ポータルサイトもあるので、それぞれの自治体をサイト上で見比べて、寄附先の選択や申し込み、クレジットカードなどでの寄附までできる。

『週刊プレイボーイ』14号では、そんな『さとふる』の協力の下、「魚貝&甲殻類」「肉」「酒」「米」「野菜&果物」「加工品&総菜」「おもしろ」の各ジャンルで、それぞれ1万円以下の人気返礼品と、5万円以上の豪華返礼品をリストアップしているので参考にしてみてほしい。

種類も量も増え、一段とお得になったふるさと納税。まずは何かひとつでもいいから、申し込んでみてはいかがだろう。

(取材・文/久野勇 武松佑季 村上隆保 イラスト/はまちゃん)

『週刊プレイボーイ』14号(3月21発売)「2016年度 男の“納活”ガイド」より