『恵比寿やすみクリニック』の美人院長・佐藤やすみ先生が今回も優しく教えてくれる!

今やコンビニやドラッグストアで気軽に買える、メンズ用のスキンケア用品。

しかし、皮脂の多い男性が使い方を間違えると、乾燥した肌が潤(うるお)わないどころかさらなるダメージを与えてしまうことも。正しいケア知識をもとに乾燥肌を撃退せよ!

■自分の肌質に合ったケアをしよう

化粧水の香りやクリームのベタつきを嫌がる男性は多いが、毎日のスキンケアは乾燥肌を解消するためには必要なこと。先週に引き続き、美肌のドクターとして女性誌でも人気の美容皮膚科『恵比寿やすみクリニック』の佐藤やすみ院長に男性のデイリーケアについて聞いた。

「顔を洗った後、お風呂の後は化粧水や乳液など何かしら塗ったほうがいいのは確かです。ただ、男性は皮脂が多いので、水分保持力を高めてくれるセラミド入りのとろみのある化粧水や乳液がいいですね」

前回の『飲み過ぎは乾燥肌を招く! 低糖質ダイエットでお肌トラブルを回避、ニキビも出にくくなる?』のおさらいだが、乾燥肌は肌の上層部にあるレンガのように積み上がった“角質”が乱れて、ささくれのようになり水分保持力を失うために起こる。

セラミドは、角質の密着度を高めて表面をなめらかにしてくれる。そのため水分保持力が高まり、脱・乾燥肌を目指せるというわけだ。しかし、化粧水とか面倒だからハンドクリームと併用…なんてズボラもしたくなるもの。

「男性は皮脂が多いので、それでは油分過多になってしまいますね。しかも、皮脂が酸化すると活性酸素が発生して、肌を攻撃します。赤み、ニキビができるだけでなく、乾燥も悪化します」

乾燥しているから油分の多いクリームで、なんて考えでケアをしていると思わぬ落とし穴に陥(おちい)る可能性があるのだ。

「私も若い頃に高級クリームを使ったら、油分が多すぎて初めて肌荒れを起こしてしまいました…。男性は男性用のスキンケア用品でケアをしてください。というのも、皮脂が少ない女性用スキンケア用品は油分が多いため、男性が使うと油分が多くなりすぎてしまいます。ただし、目や口のわり周りなど乾燥しやすく、油分を補う必要がある場所に使うのは有効です。乾燥から起こるシワを防ぐことができます」

油分は少なすぎれば乾燥、多すぎれば酸化する。そんな酸化を促し、活性酸素を発生させないために必須なのが洗顔だ。その洗顔は肌のタイプに気をつけなければいけない。

「混合肌の人は、朝はTゾーンのみ洗顔フォームを使って洗う。脂っぽい肌の人は洗顔料で顔全体を洗う。極度の乾燥肌であればぬるま湯で洗い流すだけ。肌は人により千差万別。自分に合った洗い方をしてください」

角質も一緒に削っているひげ剃りの後も、ケアが必要だ。

「かみそりではなくシェーバーを使うほうが、肌に負担が少ないと思います。ひげ剃り後は、鎮静・炎症をとる保湿ジェルを塗りましょう」

ちなみに、佐藤先生一番のおススメはひげの脱毛。肌荒れも乾燥もなくなり、本当にツルンとキレイになるんだとか。

「洗顔の後、ひげ剃りの後に化粧水などでケアするのは乾燥肌防止には必須!」

気になる乾燥のボディ版!

■体は手で洗え! 乾燥肌は徹底的に優しく扱う

体の乾燥が気になるなら、泡立てたボディソープを使い、手で洗うといい。最近は泡のボディソープも市販している

皮膚が強い男性は女性ほどナーバスにならなくてもいいが、肌が弱いと自覚しているのであれば、体の洗い方もケアをしたい。

「ナイロンタオルでゴシゴシ洗うと気持ちいいかもしれませんが、摩擦(まさつ)が角質にダメージを与えて乾燥やニキビを招くことも。体はボディソープを手で泡立てて、手で体を洗うのが一番いいですね」

乾燥を感じているのであれば、浴室にボディクリームを持ち込んでケアするのも手だ。

「体を拭(ふ)いたら、すぐに乾燥が始まります。お風呂の中でボディクリームなどで体を保湿すれば潤った状態を保てますし、そうすることで無駄な角質もたまりにくくなります」

ボディといえば、かかとのカチコチ。本人がさほど気にしていなくても、乾燥して白くなっていたりひび割れしていれば、サンダルのシーズンに悪目立ちするのは間違いない。

「かかとは衝撃から守るために角質が厚くなっています。その厚いままではどんなケアをしても浸透しません。軽石ややすり、ピーリングなど自分に合った方法でまず角質を取り除いて、尿素の入ったクリームを塗って保湿のためにかかとまでの靴下をはいて就寝するといいと思います」

肌の乾燥を気にする、スキンケアをすることは今や当たり前。しかし、やり方を間違えると乾燥肌が治るどころか、もっと悪化することも…。スキンケアは正しい知識で行おう!

次回は、 美容に敏感な就活女子大生が“モテ”スキンケアアイテム」を推薦!

(取材・文/渡邉裕美 撮影/五十嵐和博)

■取材協力/佐藤やすみ先生順天堂大学病院研修後、都内スキンケアクリニック院長を経て、2011年に『恵比寿やすみクリニック』を開業。美容皮膚科、レーザー治療、各種注入療法な ど2万件を超える経験を持つ。https://www.yasumi.me/cure/