1986年、『あぶない刑事』のTVシリーズに登場するや、世の男どもを熱狂させた金色のニッサン・レパード。その人気は30年経った今、また盛り上がり中古車市場も高騰中だという。
だが、特に人気の2代目レパードは新車当時、大苦戦し、販売では大惨敗したとか…。それが今また復活した魅力とは?
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ユージ(柴田恭兵)がステアリングを握り、タカ(舘ひろし)が助手席に座る。“あぶデカ”のTVドラマ第1作から劇場版第3弾まで、メイン覆面車両として使用されていた2代目レパードが、公開中の映画『さらば あぶない刑事』(村川透監督)で30年ぶりに復活。往年のファンはもちろん、リアルタイムを知らない若い世代からも「レパードかっけー!」「欲しくなった!」と興奮の声が巻き起こっている。
人気は自動車専門誌業界にも及ぶ。
「昨年、絶版『ニューモデル速報』をデジタル復刻したんですが、全479タイトル中、レパードは一番売れています」(三栄書房・登澤氏)
中古車相場にも異変が起きている。
「1月の映画公開と同時に中古車相場が全国的に高騰しました。特に人気は、やはり劇用車となった金色の2代目レパード・アルティマで、中には500万円以上のタマもある」(中古車専門誌編集者)
500万円払えば、新車のベンツやBMWがさくっと購入できちゃうぞ! なぜ、30年前の国産車がそんな高値を?
「内外装や機関系をフルレストアしているからです。さすがに500万は“特別価格”ですが、それでも2代目レパードの平均相場は100万円台です」(編集者)
新車当時、2代目レパードは販売で大惨敗?
相場のカラクリを専門家にも聞いた。
「実は新車当時、2代目レパードは販売で大苦戦したんです。ライバルのソアラは2代目に切り替わった86年だけで4万台に迫る大ヒットを記録しましたが、レパードは月販700台程度のセールスで、ソアラに大差をつけられていた。最終的に約30万台売れた2代目ソアラに対して、2代目レパードは3万4000台程度。惨敗でフルモデルチェンジしたわけです」(自動車ライター・安藤氏)
80年代のクルマを数多く取りそろえる埼玉県入間郡三芳町(みよしまち)の中古車販売店「マルミオート」の店長・東郷氏が、こうつけ足す。
「レパードは、大切に保管してきたオーナーさんが多いのが特徴で、それも高値の理由でもあります。現在、ウチにある2代目レパードの在庫も、ワンオーナー車や走行2万㎞台の低走行車が多いです」
そして何よりも、(当時は多くの人が気づかなかったけれど)レパードそのものの魅力が大きい。
「実は、世界初の気筒別燃焼制御システムをはじめ、超音波ソナーで路面状況を読み取る電子制御スーパーソニックサスペンション、車速感応油圧反力式電子制御パワーステアリング、ABSなど当時の最新技術が数多く投入されていました」(前出・安藤氏)
レパードは永遠に色あせないのだ!
発売中の『週刊プレイボーイ』21号では、この他にも当時、ライバルだった“ハイソカー”の名車たちが誌面にズラリ勢ぞろい! 日本車が最も熱かった80年代をプレイバックしているので、是非お読みください!
◆『週刊プレイボーイ』21号(5月9日発売)「“あぶデカ”レパードが今、大人気の秘密&80年代“ハイソカー”徹底解剖!!」より
(構成/黒羽幸宏 撮影/井上太郎)