PS陣営がどこまでエロ系のコンテンツを許容するかが重要なのではないかと堀江氏は語る

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが10月13日に発売する「プレイステーションVR」(以下、PSVR)の予約が始まり、早速、注文が殺到しているという。

家庭で手軽にVR(ヴァーチャルリアリティ)が体験できるということもあり、好調な滑り出しとなったわけだが、話題性だけでヒット商品になるわけではない。世界中でヒットするためには、その注目度に応えるだけの「面白さ」が要求される。

『週刊プレイボーイ』本誌で対談コラム「帰ってきた!なんかヘンだよね」を連載中の“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人ひろゆき氏も、PSVRの売れ行きが気になるようだ。

現在、『サマーレッスン(仮)』というソフトがキラーコンテンツになると言われているが、堀江氏はすでにプロトタイプ版を体験したことがあるという。

「相当、完成度が高かったよ。家庭教師になって制服を着た女子生徒に勉強を教えるゲームなんだけど、チラリズムなんかもあったりするエロ寄りな内容。俺、あのクオリティの高さはすごいと思ったけど」

PSVRの完成度に感心する堀江氏とは対照的に、ひろゆき氏は「PSVRが流行るのは結構厳しいと思うんです」と否定的だ。しかもそれは、コンテンツの完成度とは関係がないという。

「クオリティではなくて、値段の問題です。プレイステーション4(以下、PS)の本体が約3万5千円で、VRを楽しむために必要なヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)が約4万5千円するらしいんですよ。しめて約8万円なんですけど、今どきゲーム機に8万円出せる人ってかなりの少数派です。

一方でスマホと段ボールを使ってHMDを作り、安価でVR体験できる『ハコスコ』って商品があるので、僕は流行るなら、そっちのほうかなって気がします」

しかし堀江氏は、価格よりもコンテンツの充実のほうが重要ではないかと言う。

「いや、ハコスコはもう普及してるし、HMDでいえば『オキュラスリフト』もあるけど、みんなコンテンツが弱い。結局、この世界は最終的にはコンテンツ勝負になるわけで、今のところ『これはすごい!』っていうものがない。だから、ぶっちゃけるとPS陣営がどこまでエロ系のコンテンツを許容するかの問題なんじゃない?」

面白いゲームが継続的に発売されるかが重要

そんな堀江氏の指摘にも、ひろゆき氏はこう答える。

「でも、任天堂と違って、PSは第三者のメーカーがソフトを作ってますよね。んで、第三者のメーカーはPSVR専用のコンテンツにする必要がないんですよ。だからハコスコ用のも作っちゃうわけで、ユーザー的には『スマホ版でいいじゃん』ってなる可能性が高いんじゃないですかね?

つまり、PSVRは専用コンテンツがめちゃくちゃ面白くて、なおかつその面白さに8万円の投資ができる層に周知されないと売れないわけです。ハードルがふたつもあるので、かなり厳しい気がしちゃうんですよ」

しかも、その専用コンテンツは定期的にかつ、たくさん登場しなければならない。ひろゆき氏が続ける。

「めちゃめちゃ面白いゲームが1本あっても、それだけのために8万円払う人って少ないと思います。例えば『Wii U』って単発では面白いゲームがあるんですよ。でも、消費者があんまり飛びつかなかったのは、『面白いゲームが継続的に発売されるかな?』って疑問に思ったからじゃないかと。

あと、3年くらい前からゲームイベントでVRを体験してて思うのが、5分くらいで飽きるものしかまだ出てきてないってことなんですよ。もちろん最初は『スゲー』って思うんですけど、それを10時間続けたいかって言われると微妙。

今って価格が5千円くらいで、クリアまで20時間くらいかかるゲームが主流なんです。1時間換算すると250円。それくらいなら買おうってなるんです。でも8万円近く出して5分で飽きるなら、普通は買おうと思わないですよ」

つまり、ガチのゲーマーだからこそ、PSVRの行方を厳しく見ているのだ。「だから、いちゲーマーとしては、『まだ様子見の段階なのかなぁ』と思ってたりします」とひろゆき氏は言う。

対談はさらに、PSVRが普及するために要求されるコンテンツのジャンルから、VRの可能性にまでーー。こちらの全文は『週刊プレイボーイ』28号でお読みください。

(イラスト/西アズナブル)