テレ! と言っても照れているわけではなくて、エストニア語で挨拶している旅人マリーシャです。
フィンランドのヘルシンキから大型フェリーで2時間、エストニアの首都タリンにやってきました。
バルト三国のひとつであるエストニアは、九州よりちょっと大きく北海道の半分くらいのサイズ。ヘルシンキから日帰り旅行もできる場所として人気で、治安も良く、物価はフィンランドなどに比べると衝撃的に安い! 週末のフェリーはリゾート気分のショートトリッパーでいっぱいでした。
しかし、エストニアってどんな国? 日本で有名なのは、お相撲さんの元大関・把瑠都の出身地ということくらいか。
名前くらいは聞いたことがあったけど、私が初めてエストニアを認識したのは、以前LAの安宿でエストニア人の青年と出会った時だった。白い肌の優しげでメルヘンチックな顔をそのまま大人にしたような、ウエンツ君似の北欧イケメン。
「自分たちでブルーベリーハニーを作っているんだ。もし日本に送ったら流行(はや)るかな?」
という彼は、きっと自然いっぱいの森の中に住んでいて、ミツバチとブルーベリーに囲まれた生活をしているんだろうな。
なんて勝手な想像していたら、実はエストニアは「バルト海のシリコンバレー」の異名を持つIT大国だったんです! 確かにその彼は「Skype(無料テレビ電話スカイプ)はエストニアで開発されたんだよ」と言っていた。
義務教育にIT科目が導入され、小学生からプログラミングやアプリ開発などの教育を受けているんだそう。そういえば、イギリスの宿で会った「ロボットを作っているんだ」とプログラミングを余裕でこなしていた青年もエストニア人だったわ! 納得!
エストニアは最近、ニッポンでも導入されているマイナンバーの先駆者であり、税金申告はもちろん起業から住民登録や病院や銀行の手続きなど、ほとんどのことはオンラインでできちゃう。
世界で最も「電子政府」が進んでいる国として知られ、世界で初めて国政選挙で「ネット投票」を行なった国なんです。
ナゲットを配る美女で票獲得?
エストニアの人にネット投票について聞いてみると、
「パソコンやスマホから2分でできるから簡単だよ。他の国に旅してたって投票できるよ。国民はシステムを信用してるし、投票率は増加してる。僕は支持したい人がいなくて投票しなかったけどね(笑)」
と、使い勝手は良く好評のよう。
確かにこれなら旅人だって投票できるし、それから日本の選挙では子連れの人や妊婦さんは投票に行くのがとても大変だったと言っていたから、そういう人にとっても「ネット投票」は便利だろうな。
しかし日本で実現しない理由は「セキュリティー問題」以上に、「秘密投票の維持」が難しいからなんだとか。もし投票の秘密が守られなければ、権力やお金の力で投票結果が左右されちゃう不安があるんだって。
「ふ~ん。一概に便利だから採用ってワケにもいかないのね。ネット投票の実現化の日は遠そうだなぁ」
そんなことを考えながらタリンの旧市街を歩いていると、街の中心ラエコヤ広場では何やら6人組の女子グループが騒いでいた。
中心人物となる女性はメガネにストライプシャツ+タイトスカートの女教師スタイルで、レストランテラスで酒を飲む男たちにチキンナゲットを1ピースずつ配っている。新手のコスプレ試食販売か?
それとも……は! さては、「ナゲットあげるからネットで1票入れてね」のワ、ワイロ!? 美人×ナゲットの力で票獲得?
私は恐る恐るその一味に何をしているのか尋ねた。すると、
「バチェラーパーティーよ!!」
ホッ。選挙違反ではなかった。
バチェラーパーティー(英:スタッグパーティー)とは、大ヒット映画『ハングオーバー』を見ていただければ話は早いですが、新郎が独身最後の夜を同性の友人と過ごすパーティーのこと。でも、近年は新婦たちだって盛り上がってます!
(ちなみに最近では東京でもチラホラ、ドレスコードを決めてリムジン貸し切りパーティーなどをしているグループを見かけるようになりました)
男の夢「ストリップリムジン」
フィンランドから来たという彼女たちは「ナゲットをあげるかわりに結婚祝いを集めているのよ!」と言い、街中の人からチップをもらっていた。
そのやり取りを最後まで見続けていると、
「ナゲットがひとつ余っちゃったわ。あなたにあげるからチップをちょうだい!」
う……。旅人からもチップ……ぬぬ。しかたない。他人の結婚を祝ってる場合ではないが、私はポケットのコインを渡した。おめでとう、知らない美女よ。
さて、ドレスアップした女子ばかりが目立っていたけれども、男子グループも見つけた。
「お疲れモード」の様子を見る限り、すでにバチェラーナイトを楽しんだ翌日か。
というのも、エストニアのタリンではナイトライフが充実していて「週末のバチェラーツアー」産業も増えているという。
ツアー会社によって商品はいろいろあって、健全なものから「ママに内緒の週末」や「シュガーダディー(お金持ち男性やパトロン)の週末」なんて、和訳すると笑ってしまうようなものもある。
「モデルの上でディナー」の紹介画像には金髪碧眼の美人が裸体で横たわり、体の上に寿司ロールのようなものが乗っているが、どうやら女体盛り?(ちなみにお値段1人65ユーロ~)
そして、普通にリムジン貸し切りもあれば、「ストリップリムジン」という、ひとり1ストリッパー付きのものもある(お値段1人35ユーロ~。って安すぎじゃない!?)
男性諸君にとって、“タリン”のナイトライフはひと晩じゃ“足りん”って感じ? しかし、独身最後の夜だけに許された悪ふざけは、うーん、新婦に知れたら怒られそうですね(笑)。
それにしても、エストニアの女性は美人が多いです。「世界で美人が多い国」、エストニアに1票投じたいと思います。
【This week’s BLUE】 エストニアの国旗、初めて見たかも! ●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】