このテープは「部品」としてトヨタのディーラーで購入可能。値段は540円である

貼るだけで走りが激変するアルミテープを“世界のトヨタ”が純正パーツとして採用して話題になっている。ネット通販では品薄状態の大騒ぎだ。モータージャーナリストの小沢コージが開発者を直撃した。

トヨタが主張しているのは、「自動車ボディにアルミテープを貼ると速くなる!」の法則。それも金属部じゃなく、樹脂部でありパンパーやらホイールハウス内やらステアリング下まで、いろんなところにつけて効果があると胸を張る。

最初にこの話を目にしたのはトヨタから送られてきた新型86試乗案内の片隅だった。メニューには、「放電用アルミテープでの空力最適化説明」とあり、てっきりエンジンにつけるアース線みたいなものと思ってた。正直、「空力最適化」って部分がよくわからなかったけど。

現地に赴くと、開発責任者である山田浩史氏が満面の笑みとともに取り出したのが、このシルバーの「導電性アルミ箔テープ(トヨタ純正テープモールディング)」。

このテープの開発責任者、トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニー 車両技術開発部 動的性能技術開発室主幹の山田浩史氏(左)。筆者(右)もキョーガク!?

けど、理屈は意外と簡単で、こいつをボディに貼るとそこの帯電が取れ、ボディ側面を空気がスムーズに流れるようになり、空気抵抗が下がるどころか、空気の流れにボディが押さえつけられるようになるというのだ。とはいえ、そもそもクルマのボディってそんなに帯電しているのか。

「帯電しますね。場所によって帯電が残っている箇所と残ってない箇所がありますが、走り始めると徐々にプラスイオンが蓄積され、10kmも走ると空力に影響が出ます」

プラスイオンがボディ側面の空気の流れを邪魔する?

「ええ。プラスイオンの帯電で、空気の流れが数cmレベルでボディから剥がれていきます。要は空力デバイスがちゃんと効かなくなるようなイメージですね。テープを貼ると、アルミテープの端から放電されるんですよ。だからテープの面積は重要じゃないんです。周辺部の長さがポイント。

実際、このテープも中が3層になってますよね。要は長さを増やすためです。さらに端をギザギザにしたり、表面を爪で傷つけると効果が高まります(笑)」

謎すぎるオカルトテープは本当に効果があるのか? 発売中の『週刊プレイボーイ41号』では、トヨタ開発責任者の協力のもと、実際に検証実験を敢行。モータージャーナリスト歴20年以上の小沢コージも驚愕の結果を、ぜひご覧いただきたい。

(取材・文・撮影/小沢コージ)

■週刊プレイボーイ41号「貼るだけでクルマの性能が上がるアルミテープってマジですか!?」より