ハロー!こちら世界一の大都会と言われているニューヨーク。
けど大都会というわりには、毎日乗るメトロは東京のSuicaのようにピピっとやれず、鉄の回転バーを押して入る改札にはレトロさを感じるよ。
物価は東京よりも高く、先日マンハッタンに日本のラーメン屋「一蘭」がオープンしたけど、日本で1杯800円程のラーメンがなんと18.90ドル。チップを入れたら20ドル(約2千円)を超える超高級ラーメン! デザートの抹茶杏仁豆腐は9.90ドル(約千円)だって!
日本人の私は一蘭は日本で食べるとして、ここではNYらしいベタなトコにひととおり行ってみた。自由の女神、ワールドトレードセンター跡地、ウォール街の証券取引所……週末はフリマやクラブも楽しんだ。
またストリートカルチャーの発信地ブルックリン地区は、街全体がアートにあふれていて、カメラを向ければ勝手にオシャレな写真が撮れる。
世界中のファッショニスタが掘り出し物を探しにやってくるという老舗の古着屋「beacon’s closet」もチェック。あまり古着系ファッションをしない私は、初めの10分こそ欲しい物もなくただ眺めていたものの、30分後、両手は8個のハンガーでいっぱいに。
オシャレピーポーに囲まれてショッピング魂を揺さぶられ、すっかり浪費してしまった。恐るべしNY。
買い物が終われば、アーバンモダンなインテリアのクールなカフェで一息。「ああ、ブルックリン大好き。オシャレ生活ステキ。住みたいな~」
NYではメキシカンフードのブームが衰えず、全米で人気のメキシカン・ファストフードのチェーン店「CHIPOTLE(チポレ)」をはじめ、メキシカンのお店を結構見かけます。
そんなわけで、ある日NY育ちの日本人のコに誘われ、マンハッタンにあるメキシカンのお店に行くこととなった。
指定された場所にちょっと遅れて到着すると、通りの角にはカウンター席のみのカジュアルなお店があった。「DELI(デリ)って書いてあるし、タコスやナチョスでもつまむのかな~」と店内に入るが、あれー、友人が見つからない。
すると、ん? 店の奥の黒いドアからなにやら人が出てきたぞ…! 怪しい…!
秘密の扉の奥にあったのは…
そのドアの前には体格の良い強面のバウンサー(用心棒)が立ちはだかっていて、店と似つかわしくない少々厳重な雰囲気。私は恐る恐る「中に友達がいるかも」と尋ねてみたが、「予約は? 先ず友人に連絡しろ」と睨まれ、簡単には入らせてもらえなかった。
そこに友人が登場。「ゴメン! 遅れちゃった。ココ入るよ!(ウィンク☆)」
IDを見せてバウンサーのチェックをすんなりパスし、ついにその重い扉が開くと、地下へと続く階段が現れた。そして、階段を下り迷路のような通路を抜けると、まず現れたのは厨房!
「なんだここ!?」
バタバタとせわしなく働く従業員たちの横をすり抜けると、今度は廊下の奥に薄暗いムーディーな部屋が…。なんとそこには秘密のバーがあったのだ!
カウンターではバーテンダーがシェイカーを振り、立ったまま会話を楽しむ人々や、ソファでリラックスする人、鉄格子に囲まれたテーブル席にも人がいっぱい!
「こういう隠れ家バーを『スピークイージー』って言うのよ。ここはメキシカンだから、テキーラベースのカクテルがオススメよ」。NY育ちの彼女はそう言って、オシャレそうなカクテルの名前が並んだメニューを私に差し出した。
「スピークイージー」とは「もぐり酒場」のこと。禁酒法が施行されていた1920~30年代のアメリカで、アルコールを密売する場所を指す隠語として使用されていたそう。警察や隣人にバレないように「こっそり話す」というのが語源で、今では“知る人ぞ知る秘密の隠れ家”としてNYナイトシーンのトレンドなんだって。
甘いお酒を飲まない私はついコロナビールを頼んでしまったけど、雰囲気を楽しむためにはカクテルを頼むべきだったかな。
そして、2軒目は「横丁」のネオンが光る日本居酒屋に連れて行ってもらい、NYのド真ん中で熱燗を飲む。
すると、私たちが焼き鳥とエイヒレをつまんでいるテーブルの横には行列ができている。何かと思えば、なんとこの日本居酒屋にもスピークイージーが隠れていたのだ。中は広くないそうだけど、日本人のバーテンが作る、抹茶など和の素材を使ったカクテルがあったりと人気のバーなんだって!
いろんなタイプのスピークイージーをはしご!
NYには実はこのようなお店がいっぱいあるというので、すっかり興味を持ってしまった私は、後日、スピークイージーを調べてはしごすることに。せっかくの秘密基地なので、とりあえず店名を出すことは控えておくことにして…。
1軒目は路上に面した何の変哲もない建物で、インターホンを押して入るようなところだったが、押し間違いが多いのか「飲み屋は隣!」と小さく張り紙がされていた。
入ろうかモジモジしていると、ドアがすっと開いて「うちの店に来たんだろう?」と親切に店内に招かれた。いろいろなタイプがあるんだな。
細長く伸びたカウンターの薄暗い店内には、メニューがなくバーテンダーに相談してカクテルを作ってもらうお店のようだ。値段もわからないしちょっと不安だったけど、スマートに決めたかったのでとりあえず無難なジントニックを注文。
すると出されたジントニックは、キューカンバー(キュウリ)が浮かべられてることでトニック臭さが消えスッキリとし、かつキリリとした味わいで抜群に美味しかった。周りの常連客の満足そうな様子や、バーテンダーのテキパキとした動きからして、どうやらこのバーはカクテルにかなり自信があるようだった。
NYのバーテンはスピード重視なところがあるようで、力任せなカクテルを出すところも多いと聞くが、ここではスピードも然り、まるで科学の実験室のように精密に調合している印象だった。恥ずかしがらずに、自分の好みを言ってオリジナルを作ってもらえば良かったかな。
お会計は1杯17ドルにチップを入れて2千円。(一蘭ラーメンと同じだな…)
さて、ちょっと出費だけど社会科見学と思って続けて2軒目は、鉄柵に囲まれた入り口から地下にもぐり、怪しげな通路を進んだところにある店だった
ここもバウンサーはおらず、薄暗い明かりの灯るシャンデリアの下にピアノやクラッシックな家具が揃えられた格調高い空間が広がる。禁酒法時代と同じスタイルで今も酒場として営業しているというが…、はて? どのお客さんもコーヒーカップをすすっているではないか。
「ここはもしかしてカフェになっちゃったのかしら?」
なんてことはなく、ここもれっきとしたスピークイージーであり、当時からお酒とバレないようにカップで飲んでいるのだ。カップで飲むなんて味気ないかなと思いきや、ハラペーニョやジンジャーの効いた、私好みの美味しいカクテルを出してくれた。
禁酒法の当時はあの有名なアメリカン・ギャング、アル・カポネも来たというから、なんかドキドキしちゃうよね。
そして最後はホットドッグ屋。
の奥にある電話ボックス。
の奥にあるスピークイージーへ!
電話で1をコールするとドアが開く仕組みになってるんだって。
この時点で私がだいぶフラフラになっているのは言うまでもない。
記憶は曖昧だけれども、ここの美人のお姉さんオススメのモスコミュールはピリ辛で今まで飲んだモスコの中で一番美味しかったことだけは覚えています。
ちなみに、せっかくの秘密の酒場なのであまり大きな声では言えないが、来年東京にも床屋タイプのスピークイージーが開業するとかしないとか!?
【This week’s BLUE】 ブルックリンの街中の壁に描かれたエアフランスの広告。ジャンプ! ●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】