ドクター犬と患者マリーシャ。「今日はどうなさいました? 大変だ、頭のネジが外れている! 今すぐオペ室へ!」

「ラーメンで、数字取れなきゃ、犬を出せ」

日本の某TVプロデューサーが過去にこんな川柳を残したというが、ご存じだろうか。

先日、一蘭ラーメンがオープンしたニューヨークだが、「1杯20ドルは高いよね~」と言いつつ、こちらに住む友人たちは結局オープンの行列に1時間半も並んだという。中には3玉パックのお土産(35ドル)を買った者もいるのだから、ラーメンが数字を持っているのは世界共通か。

そして、犬もまた然り。インスタで最近トイプー画像を投稿し始めた友人アカウントは、世界旅行の写真を投稿する私よりもはるかにコメントが多くつく。

世界の人々は犬が大好き。NYの街もまた同じで、五番街を練り歩く気取ったアーバンシティー・ドッグや、セントラルパークを走り回るワンちゃんたちであふれていた。

ベーグル屋の前で飼い主を待つ忠犬

マディソンスクエアガーデンでは、野良リスがドングリをかじる姿がカワイいのに、お犬様が現れたら見向きもされないんだもの。

ドッグ・イズ・ザ・ベスト(猫も好きだけど)。

そしてこのハロウィーンの時期、そんな犬好きたちがスクリームする(悲鳴をあげる)大人気イベントがあったんです! その名も「トンプキンススクエア・ハロウィーン・ドッグパレード」、全米最大の犬の仮装行列です。

NYの街中はハロウィンムード。巨大カボチャがいっぱい売られてました!(マリーシャを探せ)

しかし当日はあいにくの雨模様…。

「こりゃ中止かもしれないし、外、超寒い~」とテンションだだ下がり。

心折れながら到着すると、そこは雨にも負けず、人がわんさか! もちろんドッグイベントですから、犬もワンさか!!

仮装した人々やワンちゃんでワンさかしているトンプソンスクエアガーデン

握り寿司犬、スターウォーズ犬、ラーメンドンブリ犬etc…

人ごみをかき分けると、傘の隙間から目に飛び込んできたのは…、

「ズッキューン♥」

久々に胸に矢が刺さりましたよっ!

ミツバチの仮装をしたワンちゃん! 上目遣いで舌をチロリと出して、なんたる表情! なんたるあどけなさっ! ミツバチチワワは、まるで全て計算ずくなのではと思うほどの100%カワイい仕草で、観客たちを魅了している。

大人気のミツバチちゃん。震えてます

他にも、ホットドッグやラーメンドンブリ、握り寿司に扮したワンちゃんなどなど、食べたくなっちゃうほどキュート。

さらにはスターウォーズやハリーポッターなどのキャラクター犬、飼い主も一緒に仮装をしているセット仮装はお見事!

食べ物仮装シリーズ! お寿司犬、ホットドッグ犬、ラーメン犬、、デザートバナナ犬

ハリポタなどのキャラ仮装や運送犬、ジェイソンマスク、囚人コスも!

また、まるでスターのように囲まれ写真を撮られるわが子に、鼻高々な家族も続出。熱心にわが子の写真をUPするインスタアカウントの名刺を配り、ステージママぶりを発揮していた。

中には、毛を緑色に染めたような仮装もあって、やりすぎ感に苦笑いや冷たい視線を浴びている飼い主もいた。

このハロウィーンドッグパレード、確かにとってもカワイイが、嫌そうにしているワンちゃんだって少なくない。首をブンブン振り回して着ぐるみを外そうとしたり、すっかりお疲れモードで寂しげな表情をしていたり…。

本人(犬)が気に入っているならいいけれど、飼い主のエゴで無理やり仮装させてしまうのは気を付けたいところ。

飼い主も一緒に仮装。ステージママとスター犬も

私のお気に入りはハリセンボンのコスプレをしたパグ。黒レトリバーは大きい体を生かしてシャチの仮装かな?

ペットの入れ墨やピアスを禁止する州法も

なぜか私のカメラに突進してくる犬たち! レンズに何かついてたかな?

にぎやかなドッグパレードの中、1匹だけ柴犬も見かけましたが、NYで見るとなんだか新鮮に感じる。

ちなみに日本での人気犬種ランキングは、トイプー、チワワ、ダックスなどの小型犬が上位を占めます。カワイさももちろんですが、小型犬のみ飼育OKのマンションなど、都会暮らしでも飼いやすいことが理由でしょう。

対する、NYの人気犬種ランキング(2015年)では、フレンチブル、ブルドッグ、ラブラドールレトリバーと上位にはたくましい体や大きい体のワンちゃんが君臨。

大都会で大型犬が飼えるのも、ドッグラン(リードを外して犬を自由に放す場所)やドッグ・ウォーカー(散歩代行業サービス)などのシステムが充実しているから。

忙しいニューヨーカから需要の高い、散歩代行サービス

さて、アメリカは州によって法律も違うのだけれども…NY州では一昨年に「ペットの入れ墨やピアスを禁止する州法」という、日本ではそもそも発想すら起こらなそうな法律ができた。

昨年には「レストランで犬と一緒に食事できる法案(Dining with dogs)が可決し、飲食店のテラス席や屋外は犬同伴が許可されるように。

さらに今年は「研究機関などで実験に使われた犬や猫は『処分』することなく里親を探す」という「Beagle freedom法」がNY州でも制定。

またブルックリンの一部では、駐車場ならぬ「駐犬場」が試験的に設置され、スーパーでの買い物も安心。

街中では様々なドッグケアの活動をよく見かける

ペットを家族として迎え入れる体制が整っていくとともに、ペット愛が過熱するNY。こりゃあ、いつかはテラス席だけでなく、NYの人気スポット・グランドセントラル駅のオイスターバーにワンちゃんが並ぶ日も遠くないんじゃない?

ちなみに、マンハッタンど真ん中に住むルームメイトが買っていたのはカメでしたけど、カメもレストランOK?なわけないか(笑)。

有名オイスターバーがあるグランドセントラル駅

【This week’s BLUE】話題のトランプ氏コスのワンちゃんも。大統領選いかに?

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】