今年はスポーツカーのニューモデルが出まくり! しかも濃厚モデルがズラ~リ。そんなスポーツカーの超最新情報を自動車ジャーナリストの小沢コージが試乗。ロードスターRFのプロトタイプをがっつり解説しちまうぜぇ~!
■ロードスターRFにがっつり乗ってきた!
まずは新型ロードスターRFがスゴい。去年日本&世界カー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞した、マツダのオープンスポーツの待望電動ハードトップモデルだが、そのプチスーパーカーのような超スタイリッシュデザインを見てほしい。「ロードスターがさっぱりした白ワインとしたら、RFはまさに大人のための濃厚赤ワイン」と、ロードスターのデザイナー兼新チーフエンジニアであるマツダの中山雅氏が豪語するように、ソフトトップモデルとは別物のエレガントさ、“塊感”がタマらない!
屋根を布からハード素材に替えただけのような旧型とは違い、今回は発表のタイミングといい、最初っからRF、つまりリトラクタブルファストバック化を計算に入れたカーデザイン。それでいて全長4m切りの凝縮ボディサイズは不変で、こっちはこっちでカッコいいどころか、現行のND型ロードスターの幌(ほろ)オープンよりカッコいいんじゃないの!って感じもある。大衆スポーツの極みのようなムードから一転、イタリアンブランドのようなオーラすらまとっており、手間のかかった電動ルーフシステムや専用レカロシートの採用、走りの高級化と相まって、320万円台スタートの価格も納得だ!
最大のキモはデザインで、今回はあえてリアにロールバーを残したタルガトップ形状。おかげで開けても頭の後ろは残ってフルオープンほどの開放感はない。だが、少し守られ感もあり、幌オープンとは違ったテイストを楽しめるのと、なんといっても開けても閉じても変わらず存在するセクシーなリアデザインが最高。
電動オープンの開閉マナーというか所作までこだわっているところもスゴくて、ピラー部分が上がると同時に、中のトップ部分も一部動いており、しかも閉じる瞬間スッとスローになる。開閉スピードは約13秒と世界トップ級の速さもいい!
電動格納式の金属製ルーフ開閉は約13秒!!
乗り心地のプレミアム化!
また、トランク開口部の広さにもこだわっており、トランクリッド前部分がリアピラー下端より前方に行き、左右がZ字の複雑形状に。でもその分、トランクは機内持ち込み用スーツケースが2個入り、幌オープンと変わらぬ使い勝手になっている。
そして予想以上に別物かつ濃厚化しているのが走り。RFは旧型もボディ重量増に伴い、ハイパワーエンジンを積んだが、今回もウワサどおり今まで海外向けにしか搭載されてこなかった158馬力の2リットル直4ガソリンを初採用。こいつが幌オープン用の少々回しがいのない1.5リットルとは別物にドラマチック。6千回転まで見事に吹け上がるだけでなく、6速時速100キロ巡航で踏んでもそれなりに加速し始める。そのトルクの豊かさは街中でも高速でも頼もしい限り。
それから一番ビックリなのはハンドリングであり、乗り心地のプレミアム化だ。旧型RFはさほど変わらなかったが今回は剛性感といい、しっとり感といい、ステアリングフィールといい、ノーマルとは別物。リアピラーのSMC樹脂が熱伸びのない素材で、ルーフ部にコの字形でついた結果、リアのねじれがエンジニアの予想以上に上昇。逆にリア補強材の剛性を落とし、結果前後バランスが良くなり、さらにエンジンと合わせてプラス70kg増加し、1.1tとなった車重も効いてる。
重さがなければつくれない走りがあるそうで、高精度なビルシュタイン製ダンパーと柔らかめのリアサスのブッシュを標準装備したことで、リアが今まで以上にしなやかにストローク。高速での不快な上下動もピタリと収まった。
同時に直進時のステアリングフィールもクッキリ濃厚になっている。全体のヒラヒラ感は減ったが、RFのほうが絶対味がいいし、小沢はこいつがマジで欲しい!
◆『週刊プレイボーイ』50号「最新スポーツカーが超カッケー!!!」では、他にもトヨタ、ニッサン、ホンダ、スバルの国産スポーツカーに加え、輸入スポーツカーもご紹介! こちらも是非お読みください!
(取材・文・撮影/小沢コージ 協力/マツダ)
初代ロードスター 1989年誕生!! 発売から27年が経過しても色あせない初代NA型