全ての美は食べ物から始まる? 日々の食事を気遣うことが身体を健康に導き、美肌を叶え、実年齢よりも若く見える自分に近づく!…らしいーーすなわち「アンチエンジング」。
美意識の高い女性から一般的にはなってきたが、イマイチ理解していない男性も多いはず。一体、なぜ食べ物がアンチエンジングとなるのか?
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アンチエイジングは日本語で「抗加齢」。加齢による身体の様々な衰えを、できる限り抑える=いつまでも若々しくある、ということ。
「ただ、アンチエイジングは個人によって違います。DNAのバックグラウンドが違うため、正確には自分の身体の声に耳を傾けて、必要な栄養をしっかり摂れる食事をすることがアンチエイジングになるのです」
老いに逆らうには自分を知れということ? 今回のナビゲーター、日本アンチエイジングフード協会・常任理事のダニエラ志賀さんが、環境によって見た目が変わる、こんな研究結果を教えてくれた。
「老化は喫煙や不規則な生活、ジャンクフードなど環境によって左右されるので、たとえ双子でも一方が若々しいけれど、もう一方は老けてみえてしまうという研究結果があります。差が出るものなんですね」
アンチエイジングのためには、環境に気をつけるのはマストとのこと。そして、日々欠かせない食事内容に気を配る意識を持つことがアンチエイジングになるという。
「食事は非常に大切です。オーガニックの野菜や健康的な環境で育った家畜の肉や魚を食べて、保存料や着色料など添加物が多いカップラーメンなどジャンクフードを食べない。そうして、なるべく体に化学物質を入れないことです。
ですが、今は野菜や果物は化学肥料、農薬、除草剤、除虫剤などが使われています。また、家畜は抗生物質やホルモン剤が投与されていますね。それ以前に、空気は汚染されていますし、水もきれいではありません。そんな環境で暮らしている人間の体内には、化学物質が蓄積されてしまいます。そのため、デトックス効果があるものを常に食べて、体から悪い物質を排出する必要があります」
ジャンクフードは“老ける高速道路”
毎日のようにジャンクフードを食べて安価な油や、清涼飲料水を飲んで大量の砂糖を摂取したりすると…。
「“老ける高速道路に乗っている”ようなことです」
悪い油は身体の弾力性を生み出すタンパク質のひとつであるコラーゲンを破壊し、過剰に摂取した砂糖は糖化を引き起こして肌の色をくすませてコラーゲンを硬くする。見た目が老ける、ということだ。当たり前だが、栄養も偏ってしまう。
「食事はその人の体に足りないものを補うものです。足りない栄養を食事から摂ることで、健康のバランスがとれるんですね。そして食事の量や質、食べるタイミングや組み合わせによって免疫力が上がります。
そのため野菜から食べて、山芋や納豆などネバネバしたもの、最後に炭水化物を食べるといいんです。ただ、食べたら動かないといけません。エネルギーを消費しなければ、体は栄養を使わずにそのまま排出してしまいます」
今やダイエットの常識になりつつある“食事は野菜から食べる”のは、アンチエイジングにもいいらしい。この季節、野菜をたっぷり食べられる料理といえば、やはり鍋である。“アンチエイジング鍋”は作れるのだろうか?
「はい、作れます。しかも、スープは栄養の塊です」
自信満々のダニエラさん。ある素材に、とある調味料を加えてスープをとることで、ミネラルたっぷりのスープを作れるという。というわけで次週、教えてもらったレシピで実際に作ってみるぞ!
●取材協力/ダニエラ 志賀さん ルーマニア・ブカレスト出身。ヒューロン国際大学でMBA修了、東京キャンパスのテンプル大学大学院で教育や法学部を卒業。現在は順天堂大学大学院医学研究科 病院管理学 協力研究員、日本アンチエイジングフード協会の常務理事。アンチエイジング、ローフード、スーパーフードなど食を通して健康や長寿の研究を進め、その知識とともに活躍している。『ケトン体UP!食べてやせる まんぞく鍋』(辰巳出版)、『7色野菜のスープレシピ:免疫力と抗酸化力を高めるレインボー食材とフィトケミカルの力』(誠文堂新光社)、『Dr.白澤のココナッツミルク・ダイエット』(神宮社)など監修やレシピ協力の著書も多数。http://www.danielabeautifullife.com/index.html
(取材・文/渡邉裕美 撮影/鈴木昭寿[野菜])