自己判断で売薬を飲むのは危険。不調時は病院へ行こう。同じ薬なら病院処方薬のほうが薬効2倍で値段は安い

不規則な食生活、ストレス、そして運動不足…。現代人の生活は、かつて「オヤジ病」といわれた病気の低年齢化をグイグイ進行させていた! 

これまで、「免疫力低下」「ロコモ」「糖尿病」「新型うつ」など、昨今の若者をむしばむ病気について紹介してきたが、今回は気になる最新医療の疑問について、名医たちに聞いた。

Q1)20年後、がんの特効薬はある?

誕生していると思います。ここ数年の進歩は目覚ましく、すでに「オプジーボ」という画期的な抗がん剤が登場しました。がん細胞は体内の免疫細胞を攻撃する力を持っていますが、オプジーボはその攻撃力を弱め、人間が本来持っている“異物を体内から排除する能力”を取り戻す手助けをする。従来の抗がん剤とはまったく違う仕組みで、副作用も断然少ないのです。

オプジーボは現在、非小細胞肺がんなど4種類のがんに使われて効果を発揮していますが、残念ながら効かない人もいます。しかし、なぜ効く人と効かない人がいるのかについては、遺伝子レベルの解析が進み、数年後には明らかになる見込み。20年後のがん治療は、個人用に薬を調整できるオーダーメイド型になっていると思われます。(山王病院副院長呼吸器センター長・奥仲哲弥先生)

Q2)ジェネリック薬品の効き目ってホントに元の薬と同じ?

ジェネリック薬とは、特許期限の切れた新薬と完全に同じ成分で作られた後発薬のことですから、効き目は同じです。しかも値段は安いので、ジェネリック薬の使用は賢い選択だと思います。ただし、薬の表面のコーティング剤だけは元の薬と違うので、溶ける時間によって効果が異なる血圧の薬などは要注意といえますね。

現在、大学病院で処方される薬はすでに100%ジェネリックです。薬局でも鎮痛剤、胃腸薬などさまざまなジェネリック医薬品が売られています。

ところで、まったく同じ薬でも病院の処方薬と薬局で市販される売薬では違いがあるのをご存じですか? 実は、薬局の売薬は、すべて薬効が病院処方薬の半量に抑えられているのです。(奥仲先生)

Q3)職場に「新型うつ」っぽい人がいる。どう接すれば?

偏見を持たず、ごく普通に接して、相手の話をしっかり聞いてあげてください。無理な仕事を押しつけないという心配りは必要ですが、褒めるべきでないところをわざと褒めるのは禁物。仕事を評価するときは、才能ではなく努力を認めましょう。努力を褒められるとますます努力するようになる、と実験結果が示しています。

新型うつの人は、自分の好きなことなら徹底してできるという傾向があり、企業にとって革新的な仕事をする力を秘めている可能性が高いという研究結果もあります。あなたがうまく接することで、同僚が大きく芽を伸ばすことになるかもしれません。(本郷赤門前クリニック院長・吉田たかよし先生)

★週刊プレイボーイ3&4号「今年こそ拡大する『オヤジ病』の低年齢化を食い止めろ!!」より

(取材・文/浅野恵子 協力/世良光弘 イラスト/スズキサトル)