初対面となった童貞キャラふたり、オブチ(左)と高野(右)が噛み合わない大論戦? 初対面となった童貞キャラふたり、オブチ(左)と高野(右)が噛み合わない大論戦?

国内外で活躍する出身者も多く、エリートが集う東京大学に、自身の1日を50円で売る人物がいる。著書『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』を2月2日に上梓した高野りょーすけ氏(20歳)だ。

1日が50円なのは、「おっさんレンタル」や「彼女レンタル」など自分の時間を売る人々がいる中、最安であるホームレスの小谷真理氏に触発されたそう。しかし、それ以外にもハロウィンで賑(にぎ)わう渋谷に「童貞Tシャツ」を着て参戦するなど、エリートとはかけ離れた奇行(?)が注目されている。

そんな中、彼の「童貞」ブランドを疑うのは週プレNEWSのスタッフ、本名・モハメド・アズシン・ショウ・ケサラこと、略してオブチ(28歳)。生粋(きっすい)の童貞として週プレ本誌でも童貞軍団を率い、数々の記事企画に参加してきたオブチいわく、「“童貞EYE”にひっかからない」というのだ。

そこで、その真偽を問うべくオブチが高野さんを直撃、現役東大生との童貞論争が繰り広げられた。

―すいません、今日はお時間を作っていただいて。うちのオブチが聞きたいことがあるそうで…。

オブチ 単刀直入に聞きますけど、ぶっちゃけ童貞じゃないですよね?

高野 ホントですけど。女性とも付き合ったことないです。

オブチ 雰囲気というか、立ち回りが完全に非童貞って感じで。そもそも童貞なら本出して目立とうとしないですよ。モテたいから目立とうとしてるんじゃないすか?

高野 最初は東大に入ればモテるかなと思いましたが、勉強できるだけじゃモテないってことに3日目くらいで気がつきました。

オブチ いやいや、東大生なら女のコなんて入れ食い状態でしょ!?(卑屈な目で)

高野 それが全然。皆、「へ~」くらいのリアクションですよ。それからモテたいって気持ちも消えたのかもしれないですね。

オブチ そんなアドバンテージ持ってて、何言ってんですか!

高野 だって、キレイな方って今までずっとキレイとかカワイいって言われてきて、絶対に自分がカワイいことを熟知してるはずじゃないですか。そう考えると、あー、どこか裏があるんじゃないかって。

オブチ いや普通ぐらいの女性のほうがひねくれてるから。

高野 そうですか?

オブチ 平均レベルの人はキレイな人へのコンプレックスがあるのに、でも私、モテてるんだぞっていう黒い気持ちが渦巻いてるんですよ。

中年男性に50円の百倍払うからエッチさせてって…

―ふたりとも、かなりこじれた女性観(笑)。でも高野さんは50円企画とかでいろんな経験や出会いがあるんじゃないですか?

高野 この前、女性に呼ばれたんですけど、その方が童貞狩りにハマってたって言ってました。

―出た、童貞狩り女子! 週プレでも見つけて、座談会企画でぶちまけさせたことがあります。

高野 「童貞がいることで世界が乱れてるから、私が正さないといけないわ」って…。意味わかんないなと思ってたら「今夜どう?」って誘われて。

―で、行ったんですか?

高野 いえ、行きませんでした。疑っちゃうんですよね、これは絶対何かの罠だみたいな感じで。

オブチ 絶好のチャンスなのに何してるんすか!? やっぱブスだったとか?

高野 いや、イイ人でしたよ。でも最初、イタリアン行こうって言われて連れていかれたのが、サ○ゼリヤで。その時点で怪しいじゃないですか。

オブチ それ、高校生のデート以下! したことないけど!

高野 あと、性がらみだと、中年の男性に呼ばれて50円の百倍払うからエッチさせてって言われたことはありました。「5千円かー」って。

―かなり特殊な体験だらけですね。でもオブチもエア童貞疑惑もあるんだけど。一度くらいチャンスがあったのでは?

オブチ 知り合いの家に泊まった時、隣でヤってたくらいですね。

高野 AVみたい。

オブチ 僕の隣で揺れてるわけですよ。うつ伏せで寝てたから、擬似挿入してたようなもんですよ。

周りの童貞は絶望してる人が多いかも?

高野 …すごい状況ですね。でも、なんかもう僕の中では、ヤってる人達のほうが非人類みたいな感覚ですね。動画とか観るじゃないですか、重なり合ってるなーとかで終わるんですよね。

オブチ えっマジで!? 20歳くらいの時はまだまだこれからだって、一刻も早くカワイいコと出会わなければって思ってたのに。絶食系すか?

高野 絶食系かどうかはわからないですけど、周りの童貞は絶望してる人が多いかもしれないです。僕も含めて、恋愛への気持ちの向かい方がわからないというか。

―絶食どころか絶望系…でも、青春とか憧れなかった?

高野 それができなかったのは死ぬほど後悔してます。最初はいがみ合ってるんだけど、ふとした時に「実はあいつ、おまえのこと好きらしいよ」って友達から聞いて「うるせぇ」っていうのを1年くらいやってから付き合いたいですね。

―妄想が細かい!!

オブチ 学校帰りに自転車でふたり乗りして、背中におっぱい当たってるっていうのがめっちゃやりたかった。大学生なら今からでも青春できるでしょ?

高野 いや、なんか東大女子コワイんですよ。

オブチ そうやって自分から動こうとしないから童貞なんですよ。毎日、学校に女のコがいるんでしょ。恰好の餌食じゃないですか。

―なんでオブチは上から目線で童貞じゃないみたいになってんの?(笑) でもふたりとも、結構ロマンチストですね。

オブチ 童貞ほどロマンしたがるしピュアなんです。

高野 刷り込みかわからないんですけど、うちは両親が離婚してたりして、そういう環境もあって真実(ほんとう)の愛が見つけられないのかなとも考えたことはあるんですよ。

オブチ あっ、うちも離婚してます。しかも父親はめっちゃ遊んでて、なぜか父親の彼女と3人で旅行に行かされて、気まずかった。

―なるほど、家庭環境からそのピュアさが形成されて、結果、いまだ童貞だと。

オブチ あと、ブスで童貞捨てるのはキツイってのはありますよね。最初がコレでいいのかって。

高野 無意識にハードルが高くなってる可能性はありますよね、僕たち。

童貞喪失で別の皮がむけちゃうと困る?

―高野さんはそもそも童貞を捨てたい気持ちはあるんですか?

高野 う~ん、やっぱ壊されるんですよね、童貞じゃなくなったらどうなるんだ?みたいな。目覚めたら翼生えてたみたいな感じで、20年、童貞の高野として生きてるから、別の皮がむけちゃったら困る気がします。童貞として誇りみたいなものはありますし。

オブチ なんか全部ビビりすぎでしょ! セックスなんて、ヤって損はないんですから!!

高野 でも確かに50円やるようになって、それこそトイレの大掃除とかキャバクラとか経験することでいろいろな世界を初めて知って。まずは行動することが大事なんだなと痛感しましたね。

―えっ、オブチの戯言(ざれごと)が意外と響いてる?

高野 行動する時、合理的な理由を探してばかりで結局、行動できていなかったんです。この選択正しいのかなって、たぶんどっかから見たら間違いじゃないですか。だから目の前のことしっかりやっていこうと思います。

―なんかマトモな感じですが、童貞捨てるかどうするかは置いといて、最後にこれからやってみたいこと、挑戦したいことってありますか?

高野 童貞高学歴による恋愛相談みたいなことはいつかやりたいとは思ってます。想像力だけで生きてきたので。

―不安すぎますけど、楽しみにしてます! ありがとうございました~。…てか、今日も50円お支払いするべきですかね?

(取材・文/鯨井隆正 撮影/五十嵐和博)

高野りょーすけ 1995年、茨城県生まれ。中高一貫校を卒業後、2014年に東京大学へ合格。現役東大生が1日を50円で売ってみたら』(KADOKAWA)では、ポーカーの世界王者やニューハーフとのデート、初めてのキャバクラ体験など、これまで高野が知らなかった世界を体験を綴る。