群馬県民をトリコにするセーブオンの焼きまんじゅう

先月、北関東を中心に展開するセーブオンは来年末をめどに全店ローソンに転換することを発表した。

その記者会見で上がったのが「焼きまんじゅうはどうなるんですか?」の質問。その悲しき声は全国ニュースで伝えられたほど。

群馬県民をそこまでトリコにする、セーブオンの焼きまんじゅうとは? 実態を探るべく記者が群馬県へ行ってきた!

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高崎駅に到着し、駅構内を散策して気づいたことは焼きまんじゅうがあちこちで売られているということ。土産コーナーにもパッケージされた焼きまんじゅうがたくさん。でも……。

「家で焼かなきゃ食べられないよ!」

売店のおばちゃんによると焼きまんじゅうは冷めると噛(か)みちぎれないほど硬くなるので、焼きたてを食べるものとのこと。つまり、地元民でも外ではなかなか食べられないお菓子なのだ。それをコンビニで食べられるようになったことが、革命的だったそうな!

焼きまんじゅうを扱うセーブオンは6店舗。販売店舗を調べてタクシーで向かう。

「僕も寄ってこうかな」

なぜか送ってくれたタクシー運転手と一緒にセーブオンに入ることに。運転手は店内に入るやいなや、商品を何も手に取らずレジへ直行。たばこでも買うのか……と思いきや焼きまんじゅうを注文!

焼きまんじゅう注文レジの外観。ここから出来たてが提供される

レジで注文すると、専門のスタッフが奥の調理場で焼き、出来たてを提供してくれるシステムというワケ。もちろん店内にはイートインスペースもあり、その場で食べることが可能!

その後、続々と客がやって来て、焼きまんじゅうを注文。流れに乗って注文すると。

「20分ほどかかります」

すいているときであれば1分程度で提供されるそうだが、この日は激混み。それだけ愛されているのだ!

焼きまんじゅうの名店が監修

この間に待っている30代の男性に話を聞いてみた。

「群馬県民は焼きまんじゅうにはうるさいよ。スーパーで売ってるような硬いもんは食べられたもんじゃない!! でも、ここの焼きまんじゅうは『忠治茶屋(ちゅうじぢゃや)』が作ってるから間違いないね」

昭和35年から続く焼きまんじゅうの名店「忠治茶屋」が監修している商品であることも、地元民の信頼を得ている理由。また、小学生の娘を連れた40代女性に話を聞くと。

「おばあちゃんも焼きまんじゅうが好きで、3世代で一枚のポイントカードを一緒に使ってスタンプを集めています。なくなると思うと悲しいですね」

世代を問わず愛されている分、惜しむ気持ちも強いようだ……。

そんな話を聞いていると、焼きまんじゅうが完成。串刺しになった「焼きまんじゅう」(135円)と、「焼きまんじゅう あん入り」(230円)がパックに入れて渡される。

タレのツヤ感、絶妙に焦げた色みがおいしそう!! そのお味は……!?

「ウッ、ウマイ!! 味はみたらし団子に近いけど、食感はふわふわ! 大きく見えるけど、すぐ食べられちゃう!! あんこ入りも甘ダレとの相性が絶妙で、クセになりそう。これは残してほしい!」

現在、公式発表では「ローソン側と協議中」とのことだけど、残ってほしい逸品だ。

甘くてクドそうだが、程よい塩分もあるのであんことの相性はいい