左がストレッチ前、右がストレッチ後。ステップ1~6の簡単なストレッチを終えるまでにかかった時間は15分。それだけで本当に手がつくようになった。ぜひ試してみてほしい。驚くよ! 左がストレッチ前、右がストレッチ後。ステップ1~6の簡単なストレッチを終えるまでにかかった時間は15分。それだけで本当に手がつくようになった。ぜひ試してみてほしい。驚くよ!

運動不足の皆さん! 今すぐ床に手がつくか試してみよう。

あれ? こんなに曲がらなかったっけ? ヤベ! カラダがすっげー硬くなってる…でも朗報だ! 効果を確実に実感できる魔法のストレッチがあるのだ!

* * *

「30代に入ってから、カラダがずいぶん硬くなっちゃったんですよねー。10代の頃のようにとは言わないけど、せめて前屈で手が床につくようになりたいなー。短時間で楽にやれて、すぐ効果がある運動ってないですかねー?」

と、愚痴る本誌・ヤノアツ。そんな都合よく柔らかくする方法なんて…ありました! 神奈川県逗子(ずし)市の整体院「クリアボディ」の院長、矢部亨先生が“一瞬で体が柔らかくなるストレッチ”を伝授してくれるとのこと!

その前に矢部先生に質問。そもそもカラダが硬いと、どんなデメリットがあるの?

「カラダが硬いとは“筋肉が硬くて、関節の動かせる範囲が狭い”ということです。なので、捻挫やギックリ腰といった故障になりやすいし、姿勢もだらしなくなる。また、血行が悪くなって、新陳代謝も下がるので太りやすいですし、筋肉の緊張は脳にも影響を与えるから、ストレスを感じやすくなります」(矢部先生)

では、カラダを柔らかくすることのメリットは?

「肩凝りや腰痛の予防、緩和になりますし、代謝が上がることで疲れにくくなります。また、筋肉が緩むとリラックスするので、集中力がアップし、仕事の効率も上がる、といったことが考えられます」(矢部先生)

よいことずくめじゃん! では早速、カラダをほぐすストレッチを教えてください!

「僕が推奨しているのは、手足を動かしながら筋肉や関節を伸縮させる『動的ストレッチ』です。ラジオ体操がその代表例ですね。今回は前屈に特に効くストレッチ法を指導したいと思います。まずは、今どのくらい前屈ができるかセルフチェックしてみてください」(矢部先生)

出っ張った腹を折り曲げて、必死に指先を床に近づけようとするヤノアツ。だが、地面から14cmも離れたところでプルプルしている。ここが限界のようだ。

15分で柔らかくなるストレッチに挑戦!

「硬いですね…。実は僕も元々すごく硬いんですよ(笑)。でも、だからこそ硬い人が楽にカラダを柔らかくするストレッチ法を学んできました。

それでは下半身からやりましょう。前屈で使う脚の裏側とお尻、ふくらはぎをほぐすストレッチ(ステップ1を参照)から始めましょう」(矢部先生)

【ステップ1 尻・もも裏】

(2)手を離さないように尻を上げて、限界のところで1秒止めてから、しゃがむ。これを5回×3セット行なう (2)手を離さないように尻を上げて、限界のところで1秒止めてから、しゃがむ。これを5回×3セット行なう (1)両足をこぶしひとつ分ほど開いてしゃがみ、手のひらを床につける

休日は引きこもってDVD&ゲーム三昧(ざんまい)のヤノアツ。運動不足すぎて、すぐに「グギィ」と変な声を漏らしてバテてしまった。そんなキツイ運動には見えないけど…。

「無理は禁物です。カラダが硬い人は手が地面から離れたり、かかとが浮いてしまったりしますが、あまり気にしなくて大丈夫。大事なのはリラックスしながらストレッチすること。筋肉を意識しすぎると、逆にその部分が硬くなってしまいます」(矢部先生)

それ以外のストレッチ法については、写真を見てもらいたい。6つのステップをクリアするのにかかる時間は、15分ほどだ。

【ステップ2 すね、ふくらはぎ、足首】

(2)爪先を上げ下げ。これを左右の足で30回ずつ行なう (2)爪先を上げ下げ。これを左右の足で30回ずつ行なう (1)壁に手をつき、膝を伸ばした状態で片足を上げる

【ステップ3 股関節、太もも、尻】

(2)前方に膝を振り上げるように伸ばし、爪先は立てる。この振り子の動きを左右で30回ずつ (2)前方に膝を振り上げるように伸ばし、爪先は立てる。この振り子の動きを左右で30回ずつ (1)立ったまま壁に手をつき、膝を曲げた状態で、脚を股関節から後ろに上げる

ストレッチを終え、前屈にトライしてみると…

【ステップ4 太ももの外側と内側】

(2)片脚を外側に大きく振る。太ももの内側の内転筋を意識しよう。この振り子運動を左右の脚で30 回ずつ行なう (2)片脚を外側に大きく振る。太ももの内側の内転筋を意識しよう。この振り子運動を左右の脚で30 回ずつ行なう (1)壁に手をつき、内側へ片脚を思いっきり伸ばす。膝を曲げないように注意!

【ステップ5 胸部と背中の筋肉】

(2)みぞおちを押し出すように背中を反らし、息を吐く。大胸筋全体を伸ばすため、腕の開く方向を写真のように変えて、それぞれ10回ずつ行なう (2)みぞおちを押し出すように背中を反らし、息を吐く。大胸筋全体を伸ばすため、腕の開く方向を写真のように変えて、それぞれ10回ずつ行なう (1)椅子に浅く腰かけ、脚を90度開く。息を大きく吸いつつ、手をクロスさせて前にかがむ

【ステップ6 肩甲骨まわりの筋肉】

(2)肩甲骨の動きを意識しながら、腕をピンと伸ばす。この上下運動を10回、繰り返す (2)肩甲骨の動きを意識しながら、腕をピンと伸ばす。この上下運動を10回、繰り返す (1)椅子に浅く腰かけて脚を90度開き、肘を曲げる

さて、ストレッチを終え、再び前屈にトライしてみると…指先が床に届いている!

「おおお! こんな短時間で柔らかくなるなんて! しかもそんなにツラくない!」(ヤノアツ)

当然、個人差はあるだろうけど、このストレッチの即効性は本物。やってみないとわからない感動がある。

「これで動的ストレッチの効果を感じてもらえたかと思いますが、1日たてば元に戻ってしまいます。肩凝りや腰痛を予防したり、集中力を高めたり、疲れにくいカラダづくりを本気でしたいなら、日常的にこのストレッチを行なう必要があります」(矢部先生)

15分とはいえ、これを毎日やるのはつらいかも……。

「それなら、仕事の合間など、日常に動的ストレッチを取り入れてみましょう。例えばステップ2、5、6は、椅子に座ったままでもできます。集中力を高めたいときにも有効ですよ」(矢部先生)

手軽で無理のない、この動的ストレッチ、皆さんもぜひ試してみてほしい。

(取材・文/鴨居理子 撮影/津田宏樹)

●矢部亨(やべ・とおる) 日本セラピスト認定協会認定スポーツトレーナー、整体セラピスト。現在、神奈川県逗子市の整体院「クリアボディ」院長。近著に『一瞬で体が柔らかくなる動的ストレッチ』(青春新書インテリジェンス)