以前から地元民とマニアの間では有名な観光スポットだったが、4月下旬にSNSに画像が投稿され全国的な話題に。巨大なガンダム頭部の中はカラオケボックスになっている。カットは大人1500円、小中学生1000円

全長約3・5m、9体のモビルスーツが立ち並ぶのは、青森県おいらせ町にある理容室「スズキ理容」の店舗脇。モビルスーツの制作者は、店主の鈴木敏美さん(72歳)だ。

手先が器用で石膏(せっこう)の置物を作るのが趣味だった鈴木さんは、60歳のときに「何か大きなものを作ろう!」と一念発起。観音像か何かを作ろうと思っていたが、高校生の客に「ガンダムがいいんじゃない?」と提案される。

どんなものかとプラモデル屋で初めてガンダムを見て、「カッコいい!」と一目惚れ。閉店後はもちろん、客足が途絶えるのを見計らっては制作に没頭、約1年をかけガンダムを完成させた。その後、ザク、ジオング…と次々に量産。

「制作中のサザビーの後に、もう1体くらい作っておしまいかな。年齢的なこともあるし、これ以上作ったら、お客さんの駐車スペースがなくなっちゃう(笑)」

休みともなれば、日本全国からガンダムファンが訪れ、リピーターも多い。10体目となるサザビーは、8月頃に完成とのこと。クオリティの高さを間近で見たら、鈴木さんに「ジーク・ジオン!」と敬礼したくなること間違いなしだ!

3.5m、重量約2tのガンダム(左)。小型扇風機で、動くモノアイ(目)を再現したシャア専用ザク(右)

ドム(左)、キュベレイ(右)。プラモデルの部品を拡大し設計した型枠にモルタルを流し込みパーツを作る。1体完成させるのに1、2年程度を要する。ちなみに鈴木さんはガンダムのアニメを一度も見たことがないそうだ。「最後の作品になるかもしれない次回作は、シャアにしようかなと考えています」(鈴木氏)

完成間近のサザビーと鈴木さん(左)。アッガイとアムロ(右)

(写真提供/鈴木敏美)