いざサファリへ! ケニアで買った服とキリンのお面で準備万端なマリーシャとチリ人の旅友

人生で訪れた国、ついに99ヵ国目となるのはタンザニア

アフリカ大陸に入ってからというもの、エジプトで25米ドル、エチオピア・ケニア・タンザニアで各50米ドルのビザ代を払ってきた。とにかくアフリカはどこの国もビザ代が高くて旅人泣かせだ。えーん。

そして今回、ついにアフリカで一番お金がかかる「サファリ」を目指して、さらに現金が必要になりました! 諭吉が…じゃなくてベンジャミン・フランクリンがどんどん羽ばたいてくよ~!(100米ドル紙幣の肖像画の人物ね!)

というわけで、サファリツアーの玄関口となる街アルーシャにマリーシャが到着だ! イェイ!(出費にテンションがおかしいです)

ケニアから陸続きでやってくると、タンザニアもおよそ様子は変わらないようにも見えるけど、私の肌はわずかながら治安が良くなったことを感じていた。歩く人々の目つきや表情だろうか、路面店が多いことだろうか、制服を着た学生がいることだろうか、そして「オシャレ」をしている人々も増えてきた。

パフスリーブドレスのカワイい民族衣装を着た女性や、ストリートファッションの若者たち、そしてケニア辺りからちょこちょこ見かけるようになったマサイ族がたくさんいる。

ストリートの若者たち

街中ではマサイ族グループをたくさん見かける

街中に普通にいるからビックリしたけれど、このように都市部にいるマサイ族のことを「シティマサイ」と呼ぶらしい。本来は遊牧民である彼らだが、政府による定住化計画によって現金収入のある職業につく者が増えているんだとか。

マサイ族特有のチェックの布を巻いている人なら一目瞭然、普通の洋服を着ている人もいるというが、もちろん見分けが付かない。携帯電話も持っているし、赤いチェックのマサイ布に赤いナイキのスニーカーやヤンキースのキャップなど、現代風の服とコーディネートして楽しんでいるイケイケなマサイ族もいた。

赤いアイテムが多い

身体能力が高く、視力が最高12.0なんて話もあるが、それはサバンナで生活する「ヴィレッジマサイ」の特徴で、シティマサイは1.0とか至って普通なんだそう。もちろん、槍を持ってジャンプをしているマサイ族なんて、ひとりも見なかった。

伝統的な主食として牛の生血肉を食べ、野菜はほとんど食べない好戦的な民族と聞いていたけれど、イメージと全然違う。シティマサイの場合、どっちかっていうと友好的で順応性のある民族だなという印象。そういえば、日本にはマサイ族の母を持つハーフ芸人さんもいるみたいですね。

ATMを周って現金をゲットせよ

宿に到着すると、安宿にも関わらずレセプションの女性はビシっとスーツ姿だったので驚いた。どことなくタンザニアの人々はキチっとしてる感じがする。

そして、ここに着いたからには早速、サファリツアーを組まなくてはならないのだが、なんとアフリカに強い旅友アキコが前もって現地の友人に連絡をしてくれていたのだ。

「アキコに『良いツアーを組んであげて! 絶対にウソついたらダメだからね!』って言われてるんだ(笑)」と言う現地ツアー会社で働くオボニョという名の男は、ヒョロっとした体型で物腰の柔らかい好青年。声が小さくて聞こえないけど(笑)信用はできそうだ。

アルーシャにはサファリツアー会社がたくさんあるのだが、実はこの国では会社のライセンスを取るのが大変なため、彼のところはひとつの会社が代表となってライセンスを取り、その中で5社に分かれて営業しているんだそう。それぞれ得意な国があって、彼は日本人と韓国人を担当することが多いというが、キャラ的になんか納得。

ちなみにインド人や中国人のお客さんはよく喋り、主張があるとか、イギリス人やフランス人はクールでプライドがあるなどと、国民性をよく捉えていた。そんな彼が私にマッチングしてくれたツアーメンバーは、スペイン人とチリ人。ふむ、近いのかしら? 聞けば、マナーが良くて社交的だってさ! 面と向かってだから誉め言葉しか聞かなかったけど、まあ嬉しいよね!

セルフィーを楽しむオボニョと私

確かにスペイン人とはいつも気が合うと思ってた! 赤バナナ食べよーっと!

そして私は2泊3日で「ンゴロンゴロ自然保護区」「セレンゲティ国立公園」の2ヵ所のサファリへ行くことになったのだが、出発前にまずは契約。値段は6万円ほどだったのでタンザニア通貨で約1,200,000シリング。支払いはそこそこ大金だからカードをきれると思っていたんだけど、なんとキャッシュのみだって。

エチオピアの時と同様、ここでまた「ATMを周って現金をゲットせよ」のミッション開始。いくら少しは治安がマシに見えたとて、また気が張りつめる作業をしなければいけないと思うと気が重い。

なるべく手数料のかからない銀行を探し、お金を引きだそうとすると、カードの磁気がイカれてしまったのかエラー。海外のATMではこういうことが起こるから本当に厄介だ(ちなみに以前、ブラジルで8万円キャッシングして、現金が出てこなかったのに請求がきた経験がある)。

それに一度に引き出せる限度額が決まっているため、何軒かATMを周り、やっと全額揃えることができたが、まさかここで現金をおろすとは思っていなかったので残高がゼロ。スキミング防止のために、海外で使う口座にはあまりお金を入れないように調整していたのだが、直近で必要な分がなくなってしまった。

ある意味、緊急時なので仕方がなく、「あ、私だけど、後で必ず返すからお金を振り込んでほしい」と、親にアフリカからオレオレ詐欺まがいの連絡をするハメとなった。(もちろん親は疑って、私にしかわからない質問をしてくるというやり取りがあった)

とりあえず大金ゲット

「金は用意できたか?」

「金は用意できたか?」というオボニョのセリフには、サファリ代とわかっていてもなんだか緊張する(笑)。

彼の車に乗り、オフィスへ連れていかれる時は、彼の人柄と関係なく、やはりちょっと不安だった。

車に乗るどことなく不安顔な私

そしてオフィスに着くと、アリという名のボスが登場。

「ハロー。I am アリ。アリ、アリガトウ!」

日本語のダジャレをかまし、スワヒリ語で「チクワタノ!」と言って、こぶしをぶつけ合うハイタッチのようなもので迎えてくれた。(この「チクワタノ」を知っていることで、後々、出会う現地人と仲良くなれたのでありがたかった。アリ、アリガトウ!)

ついにサファリツアーの契約をするためにキャッシュを差し出すと、オボニョはデスクの上で1枚1枚丁寧に数え出した。いくら控え目な彼でも、大金を数えている時は思わず口元が緩んでしまうようだ。

オフィスでサファリ代を数える

オボニョは仕事以外でもとても親切で、その後も土産屋マーケットや現地人の行くレストランなどに連れて行ってくれた。

地元のものが食べてみたいというと、ウガリという伝統食品を教えてくれた。寿司のシャリを握るように片手にもったウガリをこねると、それをおかずに付けて食べるのだが…モッチリしたコーン風味の焼く前のパン生地みたいな感じ?

アフリカの伝統食品・ウガリが並ぶ食卓

これがウガリ。トウモロコシやキャッサバなどの粉を湯で練り上げたもの

さて、翌日からのサファリツアーに備え、早めに宿に帰るとレセプションはなんとマサイ族になっていた。ンゴロンゴロ出身のレッスンゴ君だそうで、英語はあまり通じなかったが写真をお願いすると快諾。

やっぱり私、マサイ族は好きだし、タンザニアはなんかイイ感じだぞ。サファリが楽しみだ!

レッスンゴ君と疲れ顔の私

【This week’s BLUE】さすが! タンザニアのビールは「Safari」だって!●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】