31年間売れ続けている箱アイス界のパッキャオ的存在「ヨーロピアン シュガーコーン」。現在、季節限定のストロベリー味も発売中 31年間売れ続けている箱アイス界のパッキャオ的存在「ヨーロピアン シュガーコーン」。現在、季節限定のストロベリー味も発売中

スーパーのアイス売り場で存在感を示す、「マルチパック商品」と呼ばれる箱入りのパッケージ。

少し小さいサイズのアイスが5、6個入った「箱アイス」は、「ちょっとだけ食べたい」「いろいろな味を食べたい」「1個じゃ足りないから2個食べたい」という人にとって魅力的な商品だ。

ここで注目なのが、マルチパックのみの展開で、単品販売されない「ヨーロピアンシュガーコーン」。スーパーの売り上げでも常に上位にくるという、この商品の魅力はいったいなんなのか。メーカーに聞いてみた。

「発売は1986年からです。当時、スーパーでよく販売されていたアイスのコーンは『セミシュガーコーン』という、シナッとしたもので、サクサクした『シュガーコーン』はアイスクリームショップでしか食べられませんでした。そこで『家庭でも手軽にシュガーコーンを』というコンセプトで商品を開発しました」(クラシエフーズ・マーケティング室 徳永祥孝氏)

こんな人気商品なのに、なぜ単品販売をしていないのか? 返ってきたのは意外な回答だった。

「以前、安い価格で手軽に食べてもらおうと、2個入りの商品を販売したことがあるのですが、売れませんでした。なぜ売れなかったのかは……よくわかりません。サイズを大きくして単品販売をするのではなく、5個入りの商品を小分けにして2個入りにしただけなのですが……」(徳永氏)

結局、単品が売れなかった理由は、メーカーもよくわからないという回答だった。

実際に「ヨーロピアンシュガーコーン」を食べて気づいたのは、絶妙なサイズ感。シュガーコーンのサクサク感とアイスクリームのバランスがよく、アイスというより、シュガーコーンにアイスがトッピングされたお菓子という感じ。この“お菓子感”が支持されて、ロングセラーとなっているのだろう。

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(取材・文/渡辺雅史[リーゼント] 撮影/田中一矢)