平日の表参道に1万2500人が集結。行列の長さは1kmを軽く超え、代々木公園にまで延びた

7月7日金曜日の朝、東京・表参道の交差点から代々木公園に至るまで、1万2500人という日本武道館を満員にできるほどの大行列が! 彼らの目的は、南青山に6月30日より期間限定でオープンしていたポップアップストアの超有名ブランド同士の限定コラボ商品だ。

「何しろ、泣く子も黙るハイブランドのルイ・ヴィトンと、超人気ストリートブランドのシュプリームの初コラボ。しかもこの日は新商品の発売と品切れ品の再販がある。これはアツい戦いになるぞ…と、とにかく人をたくさん集めて行列に並ばせました。普段は日当2千円のところ、この日は5千円払いました」(転売業者)

そう、行列の大半は自分のために商品を購入するのではなく、そこに一攫千金を夢見た個人や転売グループに雇われた人々だったのだ(元締めは日本人のこともあれば、中国人のこともある)。

だが、もちろん全員が店内に入れるわけではない。入店できたのは、抽選に当たった300名のみ。

「抽選はiPadの画面をタッチする形式。当たれば入場時間の書かれた入場券がもらえた」(前出・転売業者)

抽選直後には、この入場券の売買があちこちで行なわれた。例えば、ある売買では13時のチケットが30万円。開店直後で商品が選び放題の11時のチケットは、なんと100万円で取引されたという。

ちなみに計算してみると、当選確率は2.4%と、宝くじより高い。しかも元手がゼロだと考えれば、一攫千金を狙う人々がこれだけ集まるのも無理はない。

「でも、商品を仕入れるための元手があるなら自分で入店したほうがいいですよ」

そう話すのは、ベテラン転売ヤーのM氏。

「今回のようなコラボ商品は特に中国で大人気。金に糸目をつけない大富豪が買い漁(あさ)ります。だからネットなどで必ず高く売れるんです。今回、店頭価格7万円のTシャツは30万円、13万円のパーカは40万円。60万円のレザージャケットは100万円くらいで売れていました」

確かに元手が十分にあれば、仮に入場券を100万円で買ったとしても簡単に利益が出るレベルの利ザヤだ。それだけに、抽選の時間前後はあちこちで殺気立った雰囲気になったという。

「当たった入場券を誰に売るかでケンカになったり、盗難騒ぎがあったり。ショップ側もセキュリティを雇っていましたが、あの人数ですから完璧に対応するのは無理ですよ」(Mさん)

同ショップは完売を理由にこの日限りで閉店。転売ヤーたちの次の闘いはどこで?