3位に入った大阪・堺市は、どんな盛り上がりなのか!?

毎年恒例となっている栃木県宇都宮市と静岡県浜松市による一世帯当たりの年間ギョーザ購入額争い。2017年は宇都宮に軍配が上がった。

だが、注目すべきはいつものライバル争いではなく、その下。3位に入った大阪府堺市だ。堺でギョーザがよく食べられているとは、今の今まで聞いたことがなかったが…果たして、現地のギョーザシーンはどんな盛り上がりを見せているのか!?

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総務省の家計調査で17年の一世帯(2人以上)平均の年間ギョーザ購入額において宇都宮市が浜松市を抑え、4年ぶりに日本一になった。

これは全国の県庁所在地と政令指定都市における調査で、スーパーやテイクアウト専門店などでの購入分を対象とし、冷凍食品は含んでいない(つまり、チルド品や調理済みで売られているギョーザが対象)。また、ギョーザ専門店や中華料理店など店で食べた分は外食として含まず、さらにそうしたイートインスペースのある店で売っている持ち帰り用ギョーザの購入も、生、調理済みを問わずカウントされない。

少々いびつな集計方法だが、街を挙げてギョーザをプッシュし、ライバル意識を燃やしている両市が昨年も頂上争いを演じたことは、妥当だと言えるだろう。

しかしランキング全体を見れば、妙な結果も出ていることに気づく。両市に続く昨年の第3位が大阪府堺市なのである。

大都会の東京都区部や大阪市、「餃子の王将」チェーン発祥の京都市、中華街を抱える横浜市や神戸市を抑え、堺市が“ギョーザ2トップ”のすぐ下につけた? なんとも解せない現象だ…。

週プレはこの謎を解明すべく、堺へ向かった。

まず訪れたのは、堺を代表する…

まず訪れたのは、堺を代表するギョーザ専門店「薫風(くんぷう)」。地元のギョーザ事情を知るには、格好の情報源になると考えたからだ。

同店は23年前、神戸・南京町で腕を磨いた前オーナーが開業し、そのオーナーの引退を機に3年前、現店主の西條友規子氏がレシピと店舗を引き継いだ。ギョーザメニューは10種類以上。西条氏の実家が堺の地酒「千利休」の蔵元であることから、店ではギョーザとフルーティな日本酒の組み合わせを提案し、最近は若い女性客も多いという。

「元々、大阪全体でギョーザ人気は高いんですが、堺の家庭で特別よく食べられてるって話は聞かないし、堺にしかないご当地ギョーザのようなものがあるわけでもなく…。常連さんとも全国3位の話題になったんですけど、結局『なんでやろ?』ってところに落ち着いて、はっきりした理由はわからずじまいなんですよ(笑)」(西條氏)

老舗の店主とギョーザ好きぞろいの常連客にさえ思い浮かばないのなら、ほかにどこを当たればいいのか…。そこで、週プレはある人物に助けを求めた。

ぐるなびが運営する『メシコレ』で関西地方のギョーザを担当し、人気のギョーザ専門サイト『東京餃子通信』の大阪特派員も務める本家(ほんけ)ヲサム氏である。京阪神を中心に500軒以上のギョーザ店をリポートしてきただけでなく、関西のギョーザ文化全般に詳しい本家さん、どうして堺が全国3位なんでしょう?

「私にも、絶対的な正解は特定できないのですが、いくつかの仮説なら挙げられます。それらを踏まえて取材を続けてみてはいかがですか」

◆発売中の『週刊プレイボーイ』9号「知られざる堺ギョーザの正体!」では、全国3位の原動力を4つの仮説で検証! そちらも是非、お読みください。