新入学、就職、転勤による引っ越しシーズンが近づいてきた。
だが、今年の引っ越し業界は需要をさばききれず、“難民”が大量に発生する可能性もあるという。前編記事に続き、現場では何が起きているのか!?
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では、自分が難民になってしまうのを避けるため、何か打てる手はあるのだろうか?
「距離の長い引っ越しの場合、前の晩にトラックに積み込み、夜に人と荷物が別々に移動して、翌朝新居に届く荷物を受け取るという段取りが効率的だと思っていらっしゃる方が多いのですが、パッキングして疲れた体で夜通し移動し、翌朝荷物を開封して配置するのは結構大変です。
引っ越しに数日かけられる場合、ほかのお客さんの荷物と一緒に運ぶ『混載便』というプランなら通常便より日数がかかりますが、その分、安価ですし、比較的受注の空きがある場合も。新天地に着いたその日はホテルなどでゆっくりし、心身ともにフレッシュな状態にした上で翌日、荷物を受け取ったほうが、設置作業もはかどります。当社では混載便をはじめとして、さまざまなお客さまのニーズに合ったプランを用意しています」(サカイ引越センター)
「引っ越しシーズンは特に、極力早めに見積もりを取って作業日と人を押さえることが重要です。新居が具体的に決まっていなくても、住むエリア、例えば市区町村だけでも決まっていれば、当社ではご相談に応じます。条件さえ合えば日や人の確保、料金見積もりまでできる場合もありますので、まずは電話オペレーターや営業マンに遠慮なく相談していただきたいですね」(アートコーポレーション)
そして“引っ越し芸人”のたかくら引越センター氏には、インサイダーだからこそ知る裏ワザを教えていただこう。
「業者が押さえられないなら自分でやってしまおう、友人たちを動員すれば安く上がるし、と考える人もいるかもしれません。でも繁忙期は、レンタカーでさえ引っ越し業者がごそっと確保してしまうので、まずトラックの工面ができない。そして手伝ってくれる友人への謝礼もばかにならない上、素人仕事なのでどんなトラブルが起こるかわからない。ある程度以上の荷物量があるのなら、やはり業者に任せるべきだと思います」(たかくら氏)
引き受けてくれる業者が見つからない場合は?
でもその業者が引き受けてくれないから難民が出るわけで…。
「この日のこの時間、と最初から決めつけず、引っ越しをしなければいけない期間の中で、『どの日でも、何時からの開始でも、なんなら夜遅くでもいいですから』と業者にちょっと強めに頼んでみれば、まれに都合をつけてくれることがあります。もちろんいったん日が決まったら、有給休暇を取ってでも、自分の都合のほうを業者に合わせなければいけませんよ」(たかくら氏)
それでも引き受けてくれる業者が見つからない場合は?
「まずはどうしても持っていかなければならない最低限のものだけ持参して、新居に移るんです。そして前の住まいの大家さんに頭を下げてでも、もう1ヵ月部屋を確保し、倉庫代わりにして残りの荷物を置いておく。その荷物は、4月中旬以降に業者に運んでもらうんです。繁忙期も過ぎて人の確保も容易ですし、料金もぐっと下がっていますから、1ヵ月延長した前の住まいの家賃を加えても、繁忙期に無理して一度に引っ越しするより得になることが少なくありません」(たかくら氏)
なるほど。目からウロコの「二段階引っ越し」作戦なら、簡単に実行できそうだ。
せっかくの新生活、引っ越し難民などになって始まる前からケチがつかないよう、万全の対策で自らの身を守れ!